ID@Xbox 9周年を祝して

およそ 9 年前に ID@Xbox プログラムが始動したとき、それを下支えしたチームはほとんど手探りの状態からスタートしました。まず気づいたのが、当時インディーゲーム開発者たちがかつてない速さでビデオゲームにイノベーションを巻き起こしていたことで、彼らが非常に革新的でゲーム業界全体の推進のためには非常に重要な存在である、というものでした。Xbox コミュニティも、インディーゲーム開発者たちが生み出す芸術性と多様性を大いに歓迎していました。そのため、発足したばかりのID@Xboxチームでは、参加する開発者たちが Xbox の開発支援プログラムで最大限の成功を収め、プレイヤーが最高かつ多様なゲームを楽しめるようにするため、全力を尽くさなければならないと考えていました。

チームは開発者たちが何を求め、何を必要としているのかについて、直接彼らの声に耳を傾けることにできるだけ沢山の時間を割き、多くのことを学びました。ゲーム開発者の皆さんからは丁寧に、何がうまくいって何がうまくいかなかったのか、詳しく教えてもらう機会を得ました。彼らの声を反映させ、いちから創り上げられた Xbox と他のデバイスとのクロスプレイ機能は、ID@Xbox のパートナーとのやり取りの中から生み出されたイノベーションの一つです。また、開発者たちのフィードバックやリクエストからバックエンドのパブリッシングまわりや、アプリケーションのフレームワークの多くの点が見直されてきています。こうした改善は一見平凡に見えるかもしれませんが、ゲームそのものの開発に力を注ぎたいインディーゲーム開発者たちが Xbox や PC でユーザーにゲームを容易に提供するために本当に重要なことなのです。

間口を広げ、ゲーム開発を志すクリエイターたちとのコラボレーションが生み出した成果は想像をはるかに超えるものでした。 ID@Xbox プログラムの開始以来、インディーゲーム開発者は総額 25 億ドル以上のロイヤリティを獲得しており、ID@Xbox パートナーが Xbox で生み出した総収入は、過去 3 年間でほぼ 2 倍になりました。これは驚異的な数字であり、インディーゲーム開発者たちの力をありありと物語っているといえます。

また、 Xbox Game Pass のライセンス料として数億ドルが、参加デベロッパー、パブリッシャーへ支払われています。今日、Xboxで (もちろん、他のプラットフォームでも) 発売されている素晴らしいゲームの中には、Xbox Game Pass メンバーのサポートなしには存在し得なかったものもあるでしょう。これは当初、まったく想定していなかったことです。世界中の Xbox Game Pass メンバーが、たくさんの傑作インディーゲームをプレイすることができ、それが開発者たちの支援にもなる。この素晴らしい循環の誕生は、Xbox コミュニティと開発者たち双方にとって大きな変革となったのです。

「世界中から新しい才能を届ける」という信念を持って、Xboxでは、新規の個人スタジオから市場で何度も成功を収めているベテランのインディーゲーム開発者たちまで、あらゆる規模のデベロッパーをサポートすることが重要だと考えています。過去 2 年間に ID@Xbox プログラムに加わった 1,000 人以上の新規クリエイターを含め、世界 94 カ国、4,600 人以上もの開発者が、新たな体験をXboxコミュニティに届けてくれていることを誇りに思います。

これまで、インディーゲーム開発者の皆さんからは 3,000 本以上のゲームを Xboxへ提供いただいていますが、まだまだ私たちにはやれることが沢山あります。開発者やプレイヤーとよく話している課題のひとつに、「ディスカバビリティ(見つけやすさ)」があります。Xboxの各チームは、プレイヤーが好みのゲームを見つけやすいように、開発者の皆さんが彼らの作ったゲームにぴったりなプレイヤーたちを見つけやすくするために日々取り組んでいます。『WrestleQuest』や『エスケープ・アカデミー』といったゲームを /ID@Xbox Showcase や /twitchgaming で何百万人もの視聴者に向けて配信したり、クリエイターに Xbox の配信チャンネルで自身の作品を紹介する機会を提供したり、テーマ別のセールやプロモーションに彼らのタイトルを組み込んだりと、Xboxはつねにクリエイターと新しいユーザーを結びつける方法を模索しています。

Xbox Game Pass もまた、Xbox プレイヤーが新しいジャンルやゲームと出会えるようにする方法のひとつです。Xbox Game Pass に加入したプレイヤーは加入前と比べて、プレイするジャンルが 30% 以上、プレイするゲームが 40% 以上増え、さらに多数のプレイヤーが Xbox Game Pass に収録されたゲームタイトル以外のゲームタイトルもプレイするようになっています。

他にも、Xboxではマーケティング企画や公式グッズ商品化企画にも常に多くの投資を推し進めており、Xbox プレイヤーが Xboxで楽しめる 3,000 以上のインディータイトルをより発見しやすくなるように努めています。

また、先日開催された GDC ではマイクロソフトとして、デベロッパーからのフィードバックで生まれた新しいプログラムであるID@Azureを紹介しました。ID@Azure は ID@Xbox チームが構想段階にあった 2013 年に既にメンバーとして加わっていた ニック ファーガソン (Nick Ferguson) が統括しています。ID@Azureは、 iOS 、 Android 、 Nintendo Switch 、 PlayStation 、 PC 、 Xbox などといった数多くのプラットフォームで開発を行う皆さんを対象に提供されており、ゲームの機能性を支えるためにマイクロソフトのクラウドゲームサービスを利用してみたいと思っている方のためのプログラムです。興味のある開発者の皆さんは、ぜひ http://www.azure.com/id で詳細をチェックしてみてください。

9 年前、インディーゲーム開発者の皆さんへ、私たちができる限りのサポートをすることを約束しました。それは、Xboxプレイヤーが、彼らの創り出すゲームタイトルを待っていると信じていたからです。 ID@Xboxチームはこの約束が果たされたとはまだ思っていません。私たちはこれからもインディーゲーム開発者たちへの積極的なコミットメントが必要だと考えており、 ID@Xbox 、 ID@Azure 、 Xbox Game Pass の他にも開発者が Xbox でゲームを提供するためのイノベーションや支援活動を続けていきます。これまでもそうしてきた結果、Xbox というプラットフォームに登場した素晴らしいゲームタイトルに対するコミュニティの反応から、私たちが良い方向に向かって着実に前進していると感じているからです。

※この記事は米国時間 2022 年 3 月 24 日に公開された “Celebrating Nine Years of ID@Xbox” を基にしています。