『A Plague Tale: Requiem』: アミシアとユーゴが活躍する新たな舞台を創造

『A Plague Tale: Requiem』のリード ライターを務める Sébastien Renard です。今回は、ゲーム制作の詳細についてご紹介します。

歴史を体感できる世界をつくること

『A Plague Tale: Requiem』は、前作で確立された高水準のリアリズムを維持しています。歴史的に正確な表現をより豊かにするため、アート部門とシナリオ部門が緊密な連携を取り、膨大なプロセスを経て本作の世界は構築されていきました。

当時のことがわかる様々な書籍はもちろん、Wikipedia (リサーチを始めるには最適な場所ですね) から専門的な Web サイトまで、インターネットを通じて収集したさまざまな情報を参考にしました。また、中世史の博士である Roxane Chila 氏と協力して、可能な限りリアルな中世のフランスを再現しています。さらに、ゲームの舞台となるフランスの地方をよく知るチーム メンバーの個人的な経験も参考にしています。直感はこのプロセスにおいて重要で、クリエイティブな決定とゲームの世界における信憑性のバランスをとるために必要なものでした。例えば、『A Plague Tale』における女性の自由度は時代背景と比べると現実的ではありませんし、会話シーンでの女性の役割も当時起きていた議論を再現しているわけではありません。また、アミシアの衣装についても、当時の女性はズボンを履くことはありませんでした。これらは意図的にこうした表現にしています。

A Plague Tale: Requiem Screenshot

新鮮な舞台設定

前作である『A Plague Tale: Innocence』では、戦争で荒廃した環境の中でアミシアとユーゴの物語をプレイヤーの皆さんには体験してもらいました。続編となる本作では新しい場所での物語を体験してほしいと考えましたが、さまざまな場所を検討した結果、再びフランスが舞台になりました。今回はフランス南部となり、前作になかった新鮮な映像体験ができます。

前作の主な舞台である 14 世紀アキテーヌ地方のどんよりとした雰囲気と比較すると、本作の舞台となるプロヴァンス地方はとても色彩が豊かな場所となっています。これまでは表現できなかった特徴的で情緒豊かな色調の世界にアミシアとユーゴは舞い降りることになりますが、時には美しく見える風景と、恐ろしい事件が起き続ける中世の舞台の厳しい現実とのコントラストが、本作のメッセージをより浮き彫りにしています。

A Plague Tale: Requiem Screenshot

細部までこだわった、コントラスト豊かな表現

細部にもこだわり、レベルごとに異なるコントラストを持たせたのも『A Plague Tale: Requiem』のポイントです。ストーリーやその時々に伝えたい感情との整合性を保ちつつ、新しい場所がゲーム プレイにどのような意味を持つのか、そのような環境で起こりうる戦闘やパズルの仕組みを含めて、ゲーム全体のあらゆるバランスを調整することは本当に大変なことでした。プレイヤーが前作で体験した畑や村、教会には何を加えればいいのか、可能性を広げていくことを検討しました。

活気と賑わいのある市場とともに、ユニークな場所の例として、中世の染物屋を実装しました。これは Roxane Chila 氏に協力していただいたことがきっかけです。染物屋を舞台にすることで、歴史的な背景をより豊かにし、14世紀ならではのカラフルなディテールを盛り込むことができました。また、大きな港には大きな船が停泊しており、当時の地中海ビジネスの重要性を物語っています。

A Plague Tale: Requiem Screenshot

チーム一同、アミシアとユーゴの次なる冒険が始まるのが待ち遠しいです。『A Plague Tale: Requiem』は今年後半に Xbox Series X|S と PC でリリースされ、Xbox Game Pass メンバーなら初日からプレイできるようになりますので、お楽しみに。

※この記事は米国時間 2022 年 6 月 12 日に公開された “A Plague Tale: Requiem: Creating a new setting for Amicia and Hugo” を基にしています。