『Microsoft Flight Simulator』、ローカル レジェンド 4機目として Savoia-Marchetti 社の「S.55」が登場

本日は、『Microsoft Flight Simulator』の “ローカル レジェンド” シリーズの4機目として登場する「S.55」をご紹介します。”ローカル レジェンド”シリーズは、航空史において重要な機体をピックアップしたもので、今回の機体はイタリアの航空メーカーであるミラノの Savoia-Marchetti (サヴォイア・マルケッティ) 社が製造した双発飛行艇で、最新の World Update IX 以降から実装されました。双胴機で双尾翼、三連垂直尾翼、主翼上部に搭載されたプッシュプル方式のエンジンなどが特徴となっています。コックピットは主翼の前方中央部にあり、船体は燃料、乗客、貨物をさまざまに組み合わせで積載できます。

「S.55」は主に雷撃機としての役割を果たすために、 2 つの船体間の主翼部分に爆弾や魚雷が吊り下げられるようにデザインされたユニークな機体です。「S.55」は海上で待機・監視し、艦船が接近してきたら発進して攻撃できるように設計されており、 1924 年 8 月に初めて出撃したと記録されています。イタリア軍は当初、このコンセプトに懐疑的だったものの、1926 年には本機を採用、正式な運用を開始しています。スペイン内戦でも短期的に戦闘に参加しましたが、大西洋横断をはじめとする長距離飛行の主力機として活躍したことが、「S.55」の最大の名誉のひとつとなっています。

「S.55」の試作機だったジャウー号は、ブラジル人飛行士ジョアン・リベイロ・デ・バロスによって、 1927 年にイタリアのジェノバからブラジルのサンパウロまで飛行して、驚くべき空の旅を達成しています。これは、西半球出身の飛行士が初めて大西洋を横断する飛行を初めて達成したフライトでもありました。ジャウー号は、現存する最後の Savoia-Marchetti 社の 「S.55」で、ブラジルのサン・カルロス市にあるTAM航空博物館に展示されています。

「S.55」 は V 型 12 気筒、 510 馬力の Isotta Fraschini (イソッタ・フラスキーニ) 社製のプッシュプル方式水冷エンジンを採用し、それぞれ 2 枚羽の木製プロペラを搭載することで時速約 110 マイル (時速約 180 キロメートル)の飛行速度を実現しています。

S.55X

1933 年に発表された後継機である 「S.55X」 は S.55 シリーズの最終形であり、最も先進的でしたが、わずか 25 機しか製造されませんでした。 800 馬力のIsotta Fraschini 社製 W-18 エンジンを搭載し、 3 枚羽根の金属製プロペラと計器類の改良により、 S.55 シリーズで最も高い性能と航続距離を誇っています。

完成後まもなく、イタリア空軍のイタロ・バルボ将軍が率いた「Decennial Air Cruise」と呼ばれた大西洋を横断する大規模な編隊飛行に、 25 機の「X」型すべてが参加しました。ローマからシカゴ万国博覧会「進歩の一世紀」までの編隊での飛行は、航空史に残る偉大なサクセスストーリーのひとつと言えるでしょう。この飛行によって、S.55X の設計と製造技術の高さ、イタリア人飛行士の勇敢さと技術が証明され、飛行機による大西洋横断の旅客サービスが可能であることを実証したのです。

Savoia-Marchetti S.55 と S.55X は、『Microsoft Flight Simulator』内のマーケットプレースにて、6月3日よりひとつのパッケージとしてリリースされました。今後も”ローカル レジェンド” シリーズには歴史的に重要な航空機が加わる予定です。お楽しみに!

『Microsoft Flight Simulator』は、 Xbox Series X|S および PC の Xbox Game Pass、PC Game Pass、Windows、Steam で、また Xbox One および対応携帯電話、タブレット、一般的な PC からは、Xbox Cloud Gaming(ベータ)にアクセスすることで遊べます。

Microsoft Flight Simulator の最新情報については、Twitter の @MSFSOfficial をご覧ください。

※この記事は米国時間 6 月 2 日 に公開された “Microsoft Flight Simulator Releases Famous Italian Aircraft as Local Legend #4: Savoia-Marchetti S.55” を基にしています。