『Wo Long: Fallen Dynasty』のクリエイターに最新情報を聞く ~Team NINJA の安田文彦氏と山際眞晃氏 スペシャル インタビュー~

概要

  • Team NINJA の安田文彦氏と山際眞晃氏が Xbox Wire の取材に応じ、『Wo Long: Fallen Dynasty』に関する新たな情報が公開されました。
  • 『Wo Long: Fallen Dynasty』は、手応えのある高難易度なアクションを提供する予定です。
  • 『Wo Long: Fallen Dynasty』は現在 Xbox ストアで予約受付中です。また、 2023 年 3 月 3 日の発売と同時に Xbox Game Pass でも配信予定です。

2022 年 6 月 13 日の Xbox & Bethesda Games Showcase 2022 にて発表された『Wo Long: Fallen Dynasty』は『仁王』の安田文彦氏と『Bloodborne』の山際眞晃氏が手がけるタイトルで、超常現象と荒々しい剣劇が融合した、「三国志」の世界を舞台に展開されるダーク ファンタジーです。

2023 年 3 月 3 日に Xbox Game Pass と Xbox Series X|S で配信予定である本作は、名もなきひとりの義勇兵の戦いを描いた壮大な物語で、「死にゲー」と呼ばれる高難易度のアクション ゲームとなっています。中国武術の剣術にヒントを得た戦闘システムで、基本である攻撃と防御を切り替えつつ、五行の力 (木、火、土、金、水) を操り、神話からインスパイアされた悪魔や恐ろしい姿の怪物たちに立ち向かいます。

『Wo Long: Fallen Dynasty』について安田氏と山際氏の両名から、そのユニークな設定や難易度の高いゲームを作る際のアプローチについて、話を伺いました。


本日はお忙しい中、お時間いただきありがとうございます。『Wo Long: Fallen Dynasty』についてお二人が過去に携わったプロジェクトを知らない Xbox ファンの方々のために、自己紹介とこれまでに手掛けたゲームについて簡単にお聞かせください。

安田

Team NINJA ブランド長の安田です。本作のプロデューサーです。これまで『NINJA GAIDEN』や『仁王』シリーズといった刀で人を斬るゲームばかりのディレクターやプロデューサーを担当してきました。

山際

Team NINJA の山際です。『Wo Long: Fallen Dynasty』では開発プロデューサーを務めております。以前は SIE 社に所属しており、『Bloodborne』や『TOKYO JUNGLE』などのプロデューサーをしておりました。

―『Wo Long: Fallen Dynasty』でプレイする主人公について教えてください。『仁王』同様、歴史や民話に登場する英雄をモチーフにしているのでしょうか?

安田

主人公は歴史に語られていない名もなき義勇兵です。本作は歴史モノなので特定のキャラクターにしない事でシチュエーションや演出面で制約が少なく、三国志に登場する様々な武将たちとの関係を描いたり、華々しい合戦の場で主人公が活躍する場面を描きやすいことから、オリジナルの主人公としました。

『Wo Long: Fallen Dynasty』は『仁王』シリーズのスピリチュアルな後継作品と説明されています。この表現は、『Wo Long』で期待できるゲームプレイを正確に表現していると思いますか?

安田

Team NINJA らしい歯応えや激しいコンバットという意味ではご期待に沿う内容になっていると思います。それ以外では、時代も場所も異なるので、アートや世界観はもちろん、一番大きな違いはアクションだと思います。仁王は侍のアクション、『Wo Long』では中国武術のアクションをゲームの軸にしていて、それぞれ、システム面も手触りも大きな違いになっています。

『Wo Long: Fallen Dynasty』では、戦闘についてどのようなアプローチをとっているのでしょうか?中国武術を駆使した体験はプレイヤーにとってどのように感じられるでしょうか?また、他の武術の影響を感じることもあるのでしょうか?

安田

『Wo Long: Fallen Dynasty』ではスタミナの概念がなく、化勁 (かけい) の存在によって攻守が一瞬で入れ替わる事もあって、バトル スピードや攻守の入れ替わりの頻度が高いデザインになっています。敵も強大で隙も少ないですが、よりアグレッシブな戦闘が楽しめると思います。

このジャンルや、安田プロデューサー、山際プロデューサーらしい戦闘システムに初めて触れるプレイヤーに、『Wo Long: Fallen Dynasty』のどのような部分が最も響き、熱中する理由になると思いますか?

安田

本作も決して生易しいゲームではありませんが、難関に挑む試行錯誤のプロセス、それを乗り越えた時の圧倒的な達成感を感じてもらいたいです。そのためには、理不尽でなく、自由度が高く公平である必要があるので、Team NINJA のこだわりである手触りは特に大切にしています。

より多くのプレイヤーにとって親しみやすいゲームにするために、アクセシビリティのオプション(難易度等) は用意されていますか?それとも、Team NINJA らしいチャレンジングなゲームを期待するべきですか?

山際

困難を克服した先の達成感を大切にしているので、難易度選択は考えていません。もちろんいたずらに難しいゲームにしたいわけではないので理不尽だと思われないようにバランスには気を付けています。RPG 要素による成長やオンラインに助けを求めるのも手だと思います。

『Wo Long: Fallen Dynasty』のデザインに影響を与えたゲームがあれば教えてください。

山際

「GOD OF WAR」や「DARK SOULS」シリーズなどのダーク ファンタジーのタイトルを参考に、中国や三国志を舞台とした本作だからこそ、どのようなビジュアル表現ができるか試行錯誤しました。

また、ゲームだけでなく、中国映画や歴史書など幅広く吸収しながら、「氣」や「妖魔」をはじめとする本作らしさに行き着きました。

三国志をテーマにしたダーク ファンタジーで物語を展開しようと思ったきっかけは何ですか?以前からやりたいと思っていたことなのでしょうか?

安田

Team NINJA で仁王シリーズの今後の展開を考えていた際、「戦国日本」ではない世界観で検討していて、私自身が三国志の武将たちの物語が大好きだった事もあり、「三国乱世を舞台にした死にゲー」というコンセプトで検討し始めました。中国の数千年の歴史をもつ神話や後漢時代ならではの美術、圧倒的なスケールのマップに加え、中国武術を軸としたテンポや駆け引きのコンバットであれば、新規タイトルのコンセプトとなりうると判断して『Wo Long』の制作がスタートしました。

音楽は、ゲームの一要素として機能するだけでなく、『Wo Long』のようなダーク ファンタジーの世界の雰囲気作りに不可欠な役割を果たすことができます。『Wo Long: Fallen Dynasty』にこうした要素を取り入れる、クリエイティブな過程について教えてください。

山際

二胡などの中国伝統の楽器を用いて本作らしい楽曲を制作しています。その上で、武将のバトル曲であれば、その武将の生涯や性格などのテーマを決め、楽曲全体の方向性を決めるだけでなく、バトルの途中で、そのテーマがアダプティブに強調されるなど工夫しております。

『Wo Long: Fallen Dynasty』で、プレイヤーが最も期待できるものは何だと思われますか?

山際

三国乱世の死と隣り合わせの戦いを、中国武術らしい流麗かつダイナミックなアクションで華麗に制する、そうした緊張感と高揚感が共存するコンバットを楽しんでほしいです。


安田文彦氏と山際眞晃氏、お時間をいただきありがとうございました。『Wo Long: Fallen Dynasty』 は、Xbox Series X|S向けに、Xbox ストアにて予約受付中です。また、2023 年 3 月 3 日の発売と同時に、Xbox Game Pass でもプレイすることが可能です。

※この記事は米国時間 12 月 14 日に公開された “Martial Artists: Talking to the Creative Force Behind the Upcoming Wo Long: Fallen Dynasty” を参考にしています。