『Redfall』のゲーム性は、選択するヒーローごとに違う

概要

  • 『Redfall』のソロ ミッションを 2 回プレイして、キャラクターの選択でどれだけ違いが出るかを確認しました。
  • 『Redfall』は 4 人のキャラクターがいますが、それぞれ能力やアップグレードが大きく異なるため、その体験が異なっています。
  • 『Redfall』は 5 月 2 日に Xbox Series X|S と Windows PC で発売され、発売初日から Xbox Game Pass と PC Game Pass でもプレイできます。

開発スタジオの Arkane は、常にプレイヤーの取る選択をアイデアの中心に据えています。『Dishonored』では、ターゲットに対してどのようにアプローチするか、という点において幅広い選択肢を与えてくれます。Arkane Austin の姉妹スタジオである Arkane Lyon で制作された『Deathloop』では、無限の選択肢によってストーリーに影響を与えることができました。『Prey』では、隠された謎を解き明かすためのツールは提供されますが、それをどのように使ってもいい仕様になっています。なので、Arkane Austin の最新プロジェクトである『Redfall』が、同じような仕組みになるのは当然と言えるでしょう。吸血鬼に征服されたマサチューセッツ州の島にある街、レッドフォールを奪還するためのアプローチは、ゲーム内でのプレイヤーの行動はもちろん、プレイするキャラクターによって様々な方法が用意されています。

『Redfall』のプレイアブル ヒーローは 4 人で、Arkane が開発したゲームの中では最大規模です。90 分のデモを 2 人の異なるキャラクターでプレイしてみると、開発チームが何を目指しているのかがよくわかりました。『Redfall』は、操作、戦闘、探索、そして物語まで、どのキャラクターで遊ぶかによってまったく異なる方向へと展開していくゲームになっているのです。

私に与えられたストーリー ミッションは、極めてシンプルなものでした。町はずれの邸宅に行き、とある科学者の研究室に入り、そこにある資料から、島民を閉じ込め、吸血鬼を生み出し続けている疫病との関係を突き止めるというものです。その屋敷に行くまでがとても大変でした。私はレッドフォールの中心部を一直線に進み、吸血鬼の巣や凶暴なカルト教団の領域を一気に抜けて、最終的に屋敷の敷地内に入ることができましたが、その道中は予想通り、大勢の敵が巡回していました。マップは都市型であるため、ルートの多くは狭い道路や高い壁があり、移動できるスペースはそれほど広くありません。

各キャラクターにはアップグレード可能なスキルが用意されていますが、このスキルがプレイ中に大きな変化をもたらすことがわかりました。同じミッションを、デヴィンダー・クラウスレイとレミ・デラロサの 2 人のキャラクターでプレイしてみたところ、その選択によってプレイの仕方がまったく異なりました。ここでは、そのプレイの様子をご紹介します:


レミでプレイする


海軍エリートの戦闘工兵であるレミは、ゲームにおいて典型的なアクション スターとして位置しています。戦闘の最前線に立ってきた彼女は、レッドフォールの数々の怪物を力ずくで倒すことができる能力を備えており、同時にエンジニアでもある彼女は「動くものは何でも杭で打つ」と豪語しています。それだけでなく、より巧妙に戦うために相棒のロボット “ブリボン” が彼女の活躍をサポートしてくれます。

ご想像の通り、レミのツール キットは近距離から敵の集団を倒し (パッシブ アップグレードで近距離ダメージを増加させることができます) 、同時に彼女の周囲の安全を確保できるように設計されています。ただし、彼女の最も威力のある攻撃方法は、壁などに貼り付けることができる C4 爆弾です。これを遠隔操作で爆発させることができるため、一度に複数の敵にダメージを与えられます。道中にトラップとして設置した場合、ブリボン (AI キャラクターとして独立しており、体力バーと攻撃力を持っています) を使ってサイレンを鳴らし、複数の敵から注意を引いておびき寄せることもできます。

こうした 2 つの能力を組み合わせていくことが、レッドフォールの街中をスムーズに進むためのカギであると感じました。もし敵を発見したら、C4 爆弾を投げてブリボンのサイレンを鳴らすと集団でロボットが突撃してくるので、レミ自身は側面に回り込みつつ遮蔽物を活用して敵に近づく事ができました。サイレンに引き寄せられた敵にダメージを与え、ショットガンで集団を仕留め、杭で吸血鬼を弱らせたところでとどめを刺せました。

レミをソロでプレイするとアクション満載のゲーム体験となり、リスクとリターンのバランスを常に求められるゲーム内容となります。

さらに、レミの必殺技「モビライズ」で、範囲内にいる自身や味方を回復できるエリアを作ることができます。このようなとき私は、古典的な役割であるタンクのように、多くのダメージを一身に受けるプレイをしました。吸血鬼の多くは弾丸だけでは倒せないので、複数のモンスターとの戦闘では、ショットガンとステッキから紫外線ビームを発射する武器に持ち替えたこともありました。

吸血鬼の巣 (精神的な空間で、突破すると大きな報酬が得られます) をクリアし、セーフ ハウスをアンロックすると、安全な港、新しいファスト トラベル ポイント、追加ミッションが得られます。しかし、街中で注目を集めることは、島の吸血鬼の関心を高めることにも繋がります。屋敷に近づくと周囲に雷が鳴り響き、プレイヤーを殺すために送り込まれたミニ ボス、ルークが出現しました。ルークはとても残忍で、近接攻撃を得意としています。こちらがある程度『Redfall』の戦闘をマスターしたところに、こうした試練が与えられるというわけです。なんと素敵な演出でしょうか。

ルークを倒して得た経験値で C4 爆弾をアップグレードしつつ、効果範囲ダメージや落下ダメージを受けない「ブーム ジャンプ」を使えるようにしましたが、これは主に敵の気を引いているあいだに背後へ回る手段として使いました。屋敷の敷地に入ってからは、能力を組み合わせて庭でできるだけ敵を一掃して、曲がりくねった廊下ではステーク ランチャー (ほとんどの吸血鬼を1発で倒せる杭を撃つランチャー) で、はぐれた敵を倒しにかかりました。

このようにレミをソロでプレイするとアクション満載のゲーム体験となり、リスクとリターンのバランスを常に求められる内容となります。しかし、デヴィンダーでプレイすると、同じミッションでもまったく違う雰囲気になるのです。


デヴィンダーでプレイする


デヴィンダーは、映画「ゴーストバスターズ」の 4 人を 1 つにまとめたような存在です。スペングラーの科学的専門知識、スタンツの超常現象オタク知識、ゼドモアのクールな態度、そしてヴェンクマンのウィットに富んだところと、すべてを兼ね備えています。彼のキットは、超常現象を発見し記録するために作った発明品を中心に展開されており、その超常現象を生み出している敵を倒すためにも、アップグレードをくり返さなければなりません。

デヴィンダーのキットは、レミのものとは全く異なります。彼の「アーク・ジャベリン」は中距離攻撃の武器で、杭と効果範囲を組み合わせた攻撃として機能し、電気を流して敵を無力化します (吸血鬼はその雷に打たれて完全に死ぬこともあります)。必殺技である「ブラックライト」は、超強力な紫外線ビーム兵器です。吸血鬼のいるエリア全体をほぼ瞬時に石に変えることができ、窮地を脱するときなど非常に有効です。

そして、ここからがデヴィンダーでプレイする際で一番面白い点です。彼のツール セットの最後の 1 つは、「トランスロケーター」という注意を逸らすための装備です。この「トランスロケーター」は、『Dishonored』における「Blink」に近いものとなっており、装置を投げて先へと瞬間移動できる、という機能が備わっています。そのため、私の行動の大半は屋根の上で過ごすことになり、アーク・ジャベリンで静かにウォッチャー (監視カメラのような役割を果たす吸血鬼の形態) を倒しながら、大きな集団に遭遇すればすり抜けるように移動を続けました。

デヴィンダーは、映画「ゴーストバスターズ」の 4 人を 1 つにまとめたような存在です。

レミと同じように、途中吸血鬼の巣を破壊したのですが、ガンガン突っ込んで周りの警備を倒すのではなく、教会の屋根を慎重に登り、忍び込んで個別に対決するよう心がけました。その結果、遠距離戦闘に適した武器を持つデヴィンダーであれば倒すのに苦労したはずのルークを相手にすることもなく、安全な攻略を行うことができました。

手入れの行き届いた屋敷の敷地も、デヴィンダーがいれば違った展開になります。レミは正面玄関から入ってブラッド ミストを浴びてしまいましたが、デヴィンダーの場合はトランスロケーターを使って裏庭から忍び込みました。同じゲームなのに別の開発者が作ったものをプレイしているような感覚になり、重厚なガン ファイトだけでなく、これにパズルのレイヤーを追加し、どのように挑戦するかがプレイヤーに委ねられることで生まれるさまざまなチャレンジが用意されているように感じました。

私がデヴィンダーをプレイして一番気に入ったのは、そうした性能面のことではなく、彼がその過程でどのようにストーリーを語るか、という点でした。パラ サイエンティストであるデヴィンダーは、怒りや恐怖、そして勝利への渇望ではなく、対象を観察することで気づく魅力によってこれらすべてを表現していました。新しいタイプの吸血鬼に出会うたびに、デヴィンダーはその生物行動学について語り、「ウォッチャー」や「シュラウド」といった名前をつけていきます (こうした反応から、デヴィンダーは吸血鬼の分類法を作成するグループのメンバーであることは明らかです)。デヴィンダーと一緒にプレイすることで、吸血鬼の疫病に関するドキュメンタリーを観ているようでもあり、アクション ストーリーのようでもありました。


協力プレイ + 新キャラクター


もちろん、他の 2 人のキャラクター、レイラとジェイコブがいれば、この体験も変わってくるはずです。また、今回はソロ プレイでの話でしたが、どのキャラクターも協力プレイを想定したアビリティを備えています (参加者が増えれば、当然その分戦うべき敵の数は増えます)。レミはブリボンをアップグレードして近くにいればチーム全体を回復させることができるし、デヴィンダーは「カラー コメンタリー」で味方のダメージをアップさせることができます。私はこれらの異なるツール セットを組み合わせたときにどのように機能するのか、ソロでプレイしてしまった今、非常に興味があります。

Arkane の伝統であるプレイヤーの表現に対するオープンな姿勢に、少し序盤をプレイしただけでもソロ プレイと協力プレイの双方を盛り上げる魅力があると感じました。その他のキャラクターも試してみたいですし、『Redfall』が他にもどのような要素を備え、プレイヤーに可能性を示してくれるのかを、もっと深く掘り下げてみたいと思っています。

※この記事は米国時間 3 月 22 日 に公開された “Character-Full: Why Your Choice of Redfall Hero Will Make All the Difference” を基にしています。