『Age of Empires II: Definitive Edition』を懐かしのゲームに変える拡張「ローマの帰還」が登場

この 20 年間、『Age of Empires II』は一貫してこの偉大な RTS (リアルタイム ストラテジー) シリーズの礎のひとつとみなされてきました。シリーズ 1 作目からの多数の技術的な改良、個性的なユニット、画面上の戦士を誤って投獄しないようにするための門の追加などが評価され、『Age of Empires II』は、私たちがロールプレイするのを愛して止まないゲーム内の文明と同じく、忘れ難い時代の到来を告げました。

とはいえ、画期的な続編には必ずすべての始まりとなった起源の作品があるもので、初代の『Age of Empires』が置き去りにされることにはなりません。最新の拡張である「ローマの帰還」では、初代のゲーム内容の不可欠な部分を独立型のコンテンツとして『Age of Empires II: Definitive Edition』に組み込み、さらにファンにはたまらない新要素を追加しています。

「文字通り、『Age of Empires』のゲーム内容を『Age of Empires II』の中に組み込んでいます」

『Age of Empires II: Definitive Edition』のエグゼクティブプロデューサーであるアーネスト ユエン (Earnest Yuen) 氏は、シリーズ 1 作目の拡張版である『Age of Empires: The Rise of Rome』を彷彿とさせるこの拡張コンテンツの制作が決まったその最前線には、疑いなく『Age of Empires』のコミュニティーの存在があったと語ります。

「この拡張コンテンツは、これまでにないタイプの拡張コンテンツです」とユエン氏。「文字通り、『Age of Empires』のゲーム内容を『Age of Empires II』の中に組み込んでいます」

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2 つのローマ

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「ローマの帰還」には、初代『Age of Empires』に登場した 16 の古代文明と、新登場の 1 つの文明、そしてまったく新しい 3 つのキャンペーンが含まれます。『Age of Empires II: Definitive Edition』のボルト　オンではなく、リメイク版の 2 作目には入っていない独自のルールと文明で運用される個別のコンテンツとなり、その 2 つを簡単に切り替えられるようになります。

文明の独自性に関しては例外が 1 つあります。「ローマの帰還」は当然、ローマの文明なしには成立しませんが、面白いことに、この拡張では 2 つの異なるローマの文明がゲームに導入されます。この拡張でプレイできるローマの文明は歴史の初期に焦点を当てていますが、『Age of Empires II: Definitive Edition』で追加された帝国は、実際にはローマの歴史の後期をカバーしており、このゲームのためにゼロから制作されたものなのです。

この時代は西暦 395 年頃まで遡り、ゴート、ケルト、ブリトン、ペルシアおよび中世初期の他の文明と同時代となります。『Age of Empires』チームの専門家によれば、この時点でローマはかつての栄光の影が崩れかけ、兵士の給料を支払ったり、国内を効果的に強化したりすることができなくなったと考えられていました。

「ローマは1日にして成らずと言いますが、1 日にして滅びることもありません」とユエン氏。「歴史が好きな方には、ローマの文明の初期と後期の違いを体感してもらえると思います」

1 作目の『Age of Empires: Definitive Edition』でもエグゼクティブ プロデューサーを務めたユエン氏は、本作では 20 年前の作品の究極のアップデート体験の再現を目標にしたと語ります。そのためには、より優れたグラフィックを最新のシステムで動かしつつ、オリジナルと同じような感触を保つ必要がありますが、それを実現するのはチームにとって非常に困難な作業だったそうです。

「初心者には本作が実際にどのようなものか理解してもらい、ファンにはもう一度このゲームを楽しんでほしかったのですが、実現するまでには多くの学びがありました」とユエン氏は話します。「そこで分かったのは、初代の『Age of Empires』の熱烈なファンにはとても喜んでもらえる一方で、新しいプレイヤーに参加してもらうのは難しいということでした。オリジナルの内容には古典的な部分もあり、この 20 年の間に進化した他の優れた RTS ゲームに慣れてしまっているプレイヤーもいるからです」

そういった気付きを得たことで、制作チームの焦点は、ファンの記憶に残るゲームの決定版を作ることへと変わり、必ずしも癖のあるオリジナル版を忠実に再現することにこだわらなくなりました。現在では 2 つの作品を統合したような形になり、それぞれのゲームの個性を残しつつ、より快適でオールラウンドな体験ができるように最適化されています。

「初代の『Age of Empires: Definitive Edition』をリリースしたとき、そのゲームには門があり、文明にフォーメーションがあることを覚えていた人もいましたが、じつはそのようなものはまったくなく、『Age of Empires II』にだけある要素でした」とユエン氏は話します。「でも、『Age of Empires II: Definitive Edition』のエンジンになったことで それらの要素を加えることができるようになったんです」

「オリジナルの内容そのままの決定版を作り直すのではなく、皆さんのアタマの中でこのゲームの決定版を作り上げたいのです」とユエン氏は言います。「そしてその根底には、初代の『Age of Empires』ファンが安心して楽しめるようにしたいという考えがあります」

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公式 D3 ルールセット

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「ローマの帰還」拡張には、ベトナムの『Age of Empires』プレイヤーによって作られ、長期にわたって運営されている非公式のルールセットをゲーム内に実装した、まったく新しい D3 ゲーム モードも収録されています。このルールセットでは、プレイヤーは青銅器時代まで 1 つの軍事ユニットに制限され、それにより速攻戦術が抑えられ、すべての文明が同等のレベルに保たれます。また、新石器時代後期の東南アジアの文明であるラックベトも新たに導入しています。

「この 25 年間、ベトナムのファンは初代の『Age of Empires』を存続させてきました」とユエン氏は話します。「彼らは今でもローカル トーナメントを開催し、オンラインでストリーミング配信しています。これまでずっと同作をプレイし続けてくれたコミュニティに敬意を表したかったのです」

D3 ルールセットは、『Age of Empires』プレイヤーが互いに競い合う人気の方法として長く存在していましたが、実際のゲーム内では制限がなく、ほぼ紳士協定でした。それが今回、公式のモードとして採用されたことで、プレイヤーはそのルールセットを使ってゲームをセットアップできます。誰もがそのルールを遵守しなければならないことで、オンライン プレイにおいて、より快適で信頼性の高い D3 体験が可能になりました。

「これが国際的に広まり、ベトナムのファンも、世界中の人とこのルールセットでプレイできるようになるのが理想です」とユエン氏は語ります。

従来の『Age of Empires』ファンに喜んでいただける要素はたくさんありますが、本作は、何年も前からそのクラシックなゲームを楽しんでいる人だけを対象としたものではありません。快適かつ今風に、RTS に慣れているかどうかに関係なく、初心者も魅了できるように作られています。『Age of Empires』は、時代を超えて誰もが楽しめるゲームであり、今まで以上に手を伸ばしやすくなっています。

「このシリーズはもう 25 年目になり、世代を超えて親しまれています」とユエン氏は言います。「子どもの頃にプレイしたファンが、今また自分の子どもと一緒にプレイしているのは素晴らしいことですよね。『Age of Empires』のことをリアルタイムのチェスのようなものと評する人もいますが、本当にその通りだと思います。そのように人が楽しみ、考え、チェスは時代を超えていますから」

5 月 16 日に Xbox Series X|S および PC 向けに登場した「ローマの帰還」拡張で、ぜひ再び『Age of Empires』をお楽しみください。

※この記事は米国時間 2023 年 5 月 15 日に公開された “The Return of Rome Expansion Turns Age of Empires II: Definitive Edition Into The Game From Your Nostalgic Memories” を基にしています。