『Jusant』は言葉を使わずに感動を伝える── Don’t Nod が生み出したひとつの答え

読者の皆様、こんにちは。本日、Xbox Games Showcase にて、私たちの新しいメディテイティヴ アクション パズル クライミング ゲーム『Jusant』を公開できたことを大変嬉しく思います。

お気づきかもしれませんが、このゲームはこれまでの Don’t Nod タイトルとはまったく異なり、ゲーム中に会話が存在しません。『Jusant』は、これまでとは異なる方法で物語をプレイヤーに伝えます。それはいったいどのようなものなのでしょうか。ここでは、言葉なしでこの感動的な物語を伝えるいくつかの方法を紹介したいと思います。

『Jusant』のストーリー テリングの中で、最も一般的な方法の 1 つは環境です。計り知れないほど高い塔の下からスタートし、周囲には乾燥した土地と荒涼とした平原が広がっています。人里離れたこの場所は何なのか? その目的は何なのか? 誰が、どのように住んでいたのか? その答えは塔の上にあるのかもしれません。そして、その答えに興味を持ったクライマーのあなたは、塔の頂上を目指すことになるでしょう。

塔の上には、風化した道や壁など、文明の痕跡が残されています。それは、この場所がどれほど古いのか、どれほど長い間放置されていたのか、前の住人がどのようにこの建物を行き来していたのかを示しています。これらの痕跡をよく見ると、通路は人々がよく通っていたことや、壁はたくさんの人が登ったことなど、昔の生活様式がよくわかります。

その他、古い家具や壊れた装置、朽ちた帆船などといった過去の名残は、この塔に住む文明の時間がまるで止まってしまったかのような錯覚さえ覚えます。また、人が長年寄り付かなかった場所を探索すると、フレスコ画や祭壇、さらには世界やその伝承に関する詳細な情報を記した手紙を読むことができるなど、見どころが満載です。

塔を登っていくと、さまざまなバイオームを発見することができます。砂漠や山、洞窟など、私たちも知っている環境や自然を取り入れることによって、この奇妙な世界を少しでも親しみを感じてもらえるようにしたいと思いました。しかし、この縦長の世界では、それぞれのバイオームが特定の目的を持っています。バイオームを探索することで、人々がどのように生活していたのか、また何をきっかけに立ち去らなくてはならなかったのか、より理解できるようになります。ゲーム中には、さらに探索をしたくなるような要素も用意されています。

『Jusant』の世界は平和でスロー ペースですが、ゲームの難易度は少し高めかもしれません。これは、塔を登り切ったときに達成感や誇りを感じてほしいからです。そこで、この過酷な旅を助けてくれる、水でできたもう 1 人のキャラクター Ballast が登場し、自然の大切さを改めて強調します。この仲間は、道を開き、その道の自然を目覚めさせ、タワーの歴史に関する手がかりを明らかにする能力を持っています。Ballast との関係は調和的で、安全に頂上を目指すためにはお互いが必要です。言葉がなくても、ゲームプレイと彼らの相互作用の両方で共生を感じさせようとしましたし、Ballast と物理的に交流する可能性を与えることは自然だと感じました (Ballast は撫でることができます!)。

最後に、音楽についても解説しておきましょう。音やメロディに大きな意味があり、物語に重要なアイテムや構造物と特別な関係があります。 Guillaume Ferran 氏による穏やかで雰囲気のあるサウンドトラックで、これを表現しようとしました。音楽はキャラクターの感情を表現し、ムードを伝えるのにも役立ちます。それと同時に、皆さんの感情を呼び起こし、この変化する塔を昇ることに夢中にさせたいと考えました。

また、音楽は 2 人のキャラクターの関係がどのように変化していくかを表現しています。そのため、クライマーと Ballast の両方にテーマを設け、両者を融合させることで、両者がいかに補完的であるかを表現しています。音楽は常に強力な物語ツールであり、このゲームでも中心的な位置を占めるようにしています。

Don’t Nod から発売予定のメディテイティヴ アクション パズル ゲーム『Jusant』は、今秋に Xbox Series X|S で発売され、Xbox Game Pass でプレイできるようになる予定です。待ち遠しいですね!

※この記事は米国日時 6 月 12 日に公開された “How Don’t Nod Tells an Emotional Story Without Words in Jusant” を基にしています。