Xbox Series X|S 版『VALORANT』のオープン ベータが開始— 単なる移植ではないコンソール向けのこだわりを探る

Xbox Series X|S 版『VALORANT』のオープン ベータが、Game Pass メンバーに大きな特典が用意されているコンソール版正式リリースに先駆けて開始されました。今回、Xbox Wire はライアットゲームズのロサンゼルス スタジオでプレイする機会を得られましたが、本作が単なる移植でないことは明瞭です。開発チームにより、このモダン クラシックなチーム シューターは Xbox 向けに入念に作り直されています。

詳しくない方のために説明すると、『VALORANT』は伝説的な PC 用タイトル『Counter-Strike』のような対戦型シューターの流れを汲んでいます。しかし、ミリタリーをテーマとした同作とは異なり、『VALORANT』の舞台は近未来の地球であり、プレイヤーは特定の文化、地域、風貌を持つ多彩なエージェントから選んで操作することになります。武器に加え、それぞれが戦術的なスキル (アビリティ―) を有しており、情報収集、エリアの強化、敵位置の把握、防衛ラインの突破、サイトの制圧など、さまざまな用途に使うことができます。

『VALORANT』は、精密な射撃とアビリティーの創造的な使用による、ダイナミックなアクションと戦術的な思考の巧みなミックスを特徴としています。そのすべてが高度なスキル ベースであると同時に高度に戦略的なシューターでもあり、2020 年に Windows PC でリリースされて以降、『VALORANT』のコミュニティは活気にあふれ、ゲームは進化し続けています。

ライアットは、このタイトルを Xbox で提供するための努力を惜しみません。主としては、Windows PC 版で好評を博した絶妙なバランスの再現です。開発チームは、マウスとキーボードによるオリジナルの操作をゲームパッドでの入力にコンバートするための試行錯誤をくり返しました。そして、恐らくこの点において画期的なのが、「フォーカス」モードと呼ばれる新機能です。

PC 版では、腰だめ撃ちがメインの射撃モードで、照準を覗きながらの狙い撃ちが、サブ的な補助モードとなっています。開発チームはこれをコンソールで正確に再現するために、複数の調整やゲームパッドの感度を試しましたが、完全に納得できる組み合わせは見つかりませんでした。腰だめ撃ちでは同じような感覚が得られず、同様の可能性の幅を持てないことで、プレイヤーの表現力が全体的に弱まってしまっていたのです。

「フォーカス」は、腰だめ撃ちによく似た機能を持っていますが、より感度が下げられた新しい射撃モードです。これによりプレイヤーは、カメラと照準の両方で速さが求められるとき (角を曲がるときや避けるときなど) は腰から撃つことができ、正確に調整されたヘッド ショットが必要なときはフォーカス モードを利用することができます。エージェントのアビリティーの一部が新しい入力操作に合わせて調整されるなど、全体にわたってさまざまなチューニングが施されていますが、そのすべてが開発チームの最優先事項である、オリジナルのダイナミックなテンポとプレイヤー メカニクスの表現力を再現するために機能しています。

コンソール間でのクロスプレイは可能ですが、Windows PC とコンソール間でマッチングできないことは注目すべき点です。これはおもに、コンソールへの移植に際して必要であった操作性の変更を踏まえて、タイトルの競争力の純粋さを維持するためです。ただ、Windows PC とコンソールのクロス プログレッション (進行状況の同期) は共有されるため、Windows PC でスキンをアンロックしても、コンソールでアンロックしても、インベントリは引き継がれることになります。バトル パスも同様に、両方のバージョンで進行状況が維持されます。

コンテンツに関しては、Xbox Series X|S 版『VALORANT』は Windows PC 版のローンチ以降に提供されてきた内容と 1:1 の連続性を保っており、すべてのマップ、武器、モード、キャラクターが収録されています。さらに、Game Pass メンバーであれば、これまでにリリースされたすべてのエージェントと、新たに追加されたすべてのエージェントが初日にアンロックされます。このゲームでは登場以来、数え切れないほどのアップデートと微調整が行われてきましたが、Xbox では初日に、その洗練された内容をすべて楽しむことができるわけです。

Xbox Series X でプレイすると、『VALORANT』は Xbox コントローラーでの操作がすぐに手に馴染みます。本作のメイン モード (「アンレート」と名付けられています) では、2 チームがポイント制の 5 v 5 形式を取り、6 つのマップで攻守を交代しながら対戦します。『Counter-Strike』同様、プレイヤーは各ラウンドの開始時に武器やアーマー、アビリティーを購入することができ、最大限に効果的なロードアウトを実現するには、この購入フェーズでの慎重な戦略が不可欠となります。

本作のパンチの効いたカラフルな映像は、リビングのテレビ画面でも違和感なく、まるで絹のように滑らかなフレームレートで動作してくれます。最も重要なのは、このゲームを Xbox のコントローラーで、走って銃を撃つときからフォーカス モードに切り替えて試合の流れを左右するクラッチ ヘッド ショットを決めるときまで、最高の感触のままプレイできることです。

『Counter-Strike』と同じように、『VALORANT』もその一見シンプルなメカニクスと構造は裏腹に、非常に奥深い戦略性を備えています。FPS (一人称シューター) をプレイしたことがあれば誰でもすぐに楽しめるゲームですが、その表面下には多くの要素が隠されています。24 人の現行キャラクターの能力や特異性を把握し、15 種類の個性的なマップについて知り、勝利に必要なマッスル メモリー (身体で覚える動き) と戦略的な攻略の両方を体得するには、本作を極めるための継続的で、献身的なゲームプレイが求められます。

実際、『VALORANT』のコンソール版のリリースは、この継続性を続けるためのライアットの希望を物語っています。エグゼクティブ プロデューサーのアンディ ホー (Andy Ho) 氏は、以下のように述べています。「私たちはスタート ラインに立ちつつありますが、本作ではサービス終了日を考えていません。プレイヤーの皆さんに、このゲームのプレイにつねに価値を感じてもらえるように、どこまでも果てしなく手をかけていきたいと考えています」

『VALORANT』は、Xbox Series X|S 版のオープン ベータが開始されています。オープン ベータと正式リリース版で、Game Pass メンバーはすべてのエージェントがアンロックされます。

※この記事は米国時間 2024 年 7 月 26 日に公開された “VALORANT’s Xbox Series X|S Open Beta Begins Today ? Here’s Why It’s No Simple Port” を基にしています。