『Clair Obscur: Expedition 33』は Xbox Games Showcase で初披露され、フランスのベル エポック時代に着想を得たユニークなファンタジーの世界で繰り広げられる美しいビジュアルの RPG として、このニュースを予期していなかった人々を驚かせました。本作が Sandfall Interactive のデビュー作であるということも驚きです。不吉なペイントレス (Paintress) によって、特定の年齢にあるすべての人々が消え去る現象が繰り返される世界で、そのサイクルを止めようとする遠征隊の話が描かれます。
すでに少し情報は公開されていましたが、gamescom 2024 で公開されたデモ版で、さらに本作の詳細を知ることができました。トレーラーにも登場したギュスターヴ (Gustave) に率いられるパーティーと共に、2 つのエリアを探索しました。*「フライング ウォータース」 (Flying Waters) という名の幻想的な水中の王国 (きらびやかに光が動き、巨大なサンゴが生息する世界) に加えて、血のように赤い植物に覆われ、印象的な構造物が地平線に点在する「エンシエント サンクチュアリ」 (Ancient Sanctuary) も垣間見ることができました。
しかし今回、デモのメインディッシュとして注目すべきは戦闘システムです。このゲームでの戦闘は、クラシカルなターン ベース システムを軸に、リアルタイム入力が折々で発生します。ペルソナ シリーズからの影響を受けていると思われるような手触りで、近年のファイナルファンタジー シリーズのような趣も感じられます。なじみ深いシンプルな戦闘システムを元に、非常にスタイリッシュで爽快な手応えを得られる戦闘システムに仕上がっているのが印象的でした。
ゲームの流れをいくつかのセクションに分けて解説していきます。
探索とバトル前
『Expedition 33』では、エリアを自由に探索できます。1 人のキャラクター (パーティーの中からプレイヤーが選択) を操作して、特定の場所を訪れ、宝や謎、気になるオブジェクトを探すことができます。徘徊する敵と接触すると、バトルが始まります。そして敵から攻撃を受ける前に攻撃することができれば、バトル開始時のターンで有利になります。
自分のターン
バトルでは、自陣営と敵陣営のターンの順番が常にわかりやすく表示されるので、それに従って準備できます。いずれかのプレイヤー キャラクターのターンが来ると、洗練されたスムーズな UI で攻撃、アイテム、スキル、「フリーエイム モード」 (詳しくは後述) といったアビリティを選択できます。
スキルはキャラクターによって大きく異なっており、特殊物理攻撃、元素に関わる能力、能力値バフやデバフなどがあります。すべてのスキルで非常に重要なのがタイミングです。攻撃ごとに画面上に指示が出て、適切なタイミングでボタンを押すことで、スキルがより強力になったり、追加効果が発生したりします。
各キャラクターはまったく異なるアビリティを持ち、さまざまなプレイスタイルを楽しめます。ギュスターヴの腕は機械仕掛けで、他のアビリティをチャージし、それを放出して大ダメージを与えることができます。ルネ (Lune) は呪文を唱えて「元素の染み」 (elemental stains) を作り出し、それを消費することで追加効果を発揮できます。またマエル (Maelle) は、さまざまな剣術の構えをとることで、複数のアビリティを使いこなし、能力値の一時的な変更などが出来るようでした。
フリーエイム モード
「フリーエイム アビリティ」を使用して、自ターンを「フリーエイム モード」で始めることもできます。これは他の戦闘モードとは少し異なる仕組みで、キャラクターはピストルまたは魔力を使い、それをプレイヤーが自ら操作して敵を狙うことで、追加のダメージを与えることができます。これには様々な活用法があるようで、私が見た中では、デミナー (Demineur) という敵を浮遊機雷に取り付け、それをギュスターヴの銃で撃って爆発させることができました。この攻撃で、1 体ではなく敵全体にダメージを与え、回避能力の高いデミナーを、次の物理攻撃に対して弱体化させることができました。
相手のターン
敵のターンの間も目が離せません。『Expedition 33』では、敵の攻撃に関して、巧妙なリスク報酬システムが用意されています。タイミングよくボタンを押すことで多くの攻撃を回避またはパリィできますが、どちらを選ぶかで難易度は変わります。回避の入力受け付け時間は比較的長く、成功するとすべての被ダメージを無効にできます。一方で、パリィは成功させるのが難しいですが、うまく決まればダメージ無効化に加えて、威力のあるカウンターアタックを返せます。どちらも簡単に成功できるものではありませんが、厳しい局面でどちらを優先すべきかは明らかです。
ボスバトル
今回見たボスバトルは 1 戦―巨大なモンスター、ゴブル (Goblu) との戦闘だけでしたが、今後も重要な戦闘の中で、頭を使う場面がたくさん登場するであろうことが感じられました。ゴブルは一度にパーティーメンバー全体を攻撃できるため、回避やパリィがさらに重要となります。もちろん体力値も高く、プレイヤーの選択が大きな影響を与える要素となっています。
バトル後
スキルツリーは少ししか見ることができませんでしたが、『Expedition 33』の戦闘は、通常戦利品や経験値 (XP) 報酬を得て終わります。敵に与えたダメージの最大値、パリィや回避の成功数などの細かいデータも確認できました。バトルでまったくダメージを受けなかった場合は、さらにボーナスを獲得できます。被ダメージゼロでゲームを完走するという、難易度の高い遊び方が熟練のゲーマー向けにあると想像できます。これがパーティーの成長とどのように組み合わさっていくかは不明瞭ですが、興味をそそられます。
バトルシーンを少し見ただけでしたが、『Expedition 33』の戦闘は、初見時の印象のままに、間違いなくカッコよくて奥深いものでした。他のエリアや敵についても、他にどんなものがこれから見られるのか楽しみです。
『Clair Obscur: Expedition 33』は Xbox Series X|S 向けに 2025 年にリリースされ、Xbox Game Pass で発売初日からプレイできる予定です。
*[翻訳注] 本文中の固有名詞は開発中のものであり、その日本語訳も仮称です。
※この記事は米国時間 8 月 28 日 に公開された “Clair Obscur: Expedition 33 – A Detailed Breakdown of its Painterly RPG Combat” を基にしています。