『Warhammer 40,000: Space Marine 2』 – 13 年前に発売されたゲームの続編を制作するということ、そしてさらなるシリーズ作品へとつなげること

2011 年に発売されたサード パーソン シューター『Warhammer 40,000: Space Marine』は、時間の経過とともに評価が高まった珍しいケースのゲームです。同様のタイプのゲームが乱立する中で登場しましたが、ミニチュア ゲーム会社「Games Workshop」によって作られた超暴力的なユニバースを忠実に描く姿勢が評価され、徐々にカルト的な人気を獲得していきました。しかし、当初予定されていた続編はお蔵入りとなり、1 作目リリースから 10 年以上経ってもシリーズが再始動する情報はほとんどありませんでした。

そんなとき、Saber Interactive が思いがけず続編を発表しました。『Warhammer 40,000: Space Marine 2』の登場は、ファンにとって喜ばしいことです。1 作目から 100 年後が舞台で、オリジナルのヒーローであるタイタス大尉の活躍を描くものです。真のオールドスクール シューティング ゲームでありながら、非常に現代的なアイデアも盛り込まれており、1 作目でプレイヤーが愛した要素はもちろん、このシリーズを存続と繁栄をさせていくための新たなアイデアが融合しています。

しかし、Saber Interactive は本作ならではの難題に直面しました。それは 13 年前に発売されたゲームの真の続編を作るには、どのようなアプローチが必要なのだろうか、という点です。クリエイティブ ディレクターのオリバー ホリス (Oliver Hollis) 氏に話を聞き、『Space Marine』の世界を復活させるためにどのような方法を取ったのかを知ることができました。

「最初のステップは、皆がその 1 作目について、どのような思い出を持っているかを調べることでした」とオリバー氏は説明します。一般的に、私たちが若い頃に遊んだものについては、少し美化された思い出になります。なので、私たちは皆が『Space Marine』のどこを愛していたのかを調べました。それでわかった 1 作目の重要な点は、『Space Marine』の止められない力を体現すること、カバー システムがないこと、そして大量のダメージを与えることで回復できること、でした」

「それから私たちは改めて1作目『Space Marine』をプレイしてみたのですが、こうしたイメージとは完全には一致しませんでした。この十数年でゲームは大きく進化しています。どうすればみんなの思い出を受け継ぎつつ、現代のゲームのレベルに引き上げることができるのか、私たちは考えました」

答えは無数にあります。『Space Marine 2』は、遠距離戦闘の雰囲気に関しては 1 作目とかなり似たものになり、ボルターは爽快感のある音を立てて撃つことができました。スペース マリーンは重みを持った動きをして、敵は次々と現れては同じくらいの速さでやられていきます。Saber Interactive は、アクション ゲームのメカニクスに対して新たな要素を加えました。それは改善された近接攻撃、パリィ、フィニッシャー ムーブなどです。超人的な兵士としてプレイしているような感覚を味わいつつ、ゲームの難易度を上げるための調整も加えられています。

「私たちは常に、スペース マリーンを操ることで最強戦士になったような状況を味わえるようデザインしています。ゲーム開始時には倒しやすい敵が登場し、一度に 20 体の敵を相手にしてこれを倒すことできます。次からはプレッシャーを少し高めて敵が 50 体、60 体、100 体と少しずつ増えていきます。そして、スペース マリーンを 2 人追加します。2 人と一緒に戦うことで、さらにプレッシャーが高まり、3 人で 200 人の敵と戦うことになるのです」

Saber Interactive は、その膨大な数に対して自身の経験を活かしています。1 作目ではオークの群れが登場しましたが、ティラニッドの侵攻に切り替えることで、チームはさらに大きな規模に進むことができました。

「『Space Marine 2』開発チームは、私たちにとって大成功を収めた『World War Z』も手がけており、自社の独自エンジン Swarm Engine を導入しました。最初に本作を Games Workshop に提案したとき、『World War Z』のシーンを見せながら、「これがティラニッドで動いている状況を想像してみてください 」と言ったのです。すると、彼らはすぐに乗り気になりました」

その結果、画面上には何百もの敵が出現するようになりました。次から次へと押し寄せてくる敵をチェーン ソードやマルチメルタ、あるいは昔ながらのガントレットで倒しまくるゲームとなったのです。Saber Interactive は、1 人のキャラクターとしてプレイしながらも、ミニチュア ゲームならではの本格的な戦争に参加しているような感覚を、本作でも味わえるようにしたのです。

ご想像の通り、『WarHammer 40,000』の生みの親である Games Workshop は、Saber Interactive が今回どのようなゲーム デザインにするのかその方向性について大きく関わっており、オリバー氏と開発チームは『Warhammer』ファンが羨むような会話を交わしてきました。

「Games Workshop は、信じられないほど私たちに協力してくれて、最初の段階で一部のスタッフに直接連絡することを許可してくれました。特に『Space Marine』の生みの親であるジェス グッドウィン (Jes Goodwin) 氏に会うことができ、彼はすべての装甲がどのように機能するのか、装甲の各ポートの役割などについて、細かく説明してくれました」

Games Workshop とは開発中も連絡を取り合い、スペース マリーンの武器のバランスの取り方や、『WarHammer 40,000』の世界でコンピューターを起動させるために必要な手続き (多くの儀式、焼香、供物など) についても、開発チームに教えてくれました。そして、新たな物語を作るための重要な要素も教えてくれました。「これはプライマリスのゲームだ、と聞かされていたのです」

プライマリス スペース マリーンは、新たに強化されたスペース マリーンで、2017 年にリリースされたミニチュアゲーム第 8 版から導入されています。つまり、1 作目の『Space Marine』が発売されたときは、まだプライマリスは考案されていなかったはずなのです。タイタスが (非常に暴力的に) プライマリスになるまでの道のりは、ゲーム全体のメタファーとなっています。こうした要素も含めて、『Space Marine 2』は 1 作目からより大きく、より強く、より現代的なものになったのです。

本作が現代的な最新ゲームになったおかげで、より長い期間遊べるようにデザインされました。キャンペーンだけでなく、PvPモードもありますし、3人協力プレイ用に設計されたまったく新しい「オペレーションズ」もあって、どれも拡張の余地があります。

Saber Interactive はすでにアップデートのロードマップを発表しており、開発チームが発売後のことをよく考えていることは明らかです。PvP については、新たなカスタマイズ オプションが時間の経過とともに登場する予定があり、その中には 2 つのチームのうちの 1 つをケイオス スペース マリーンにする機能も含まれるようです。

「人々は悪役を演じることが大好きです。私たちがケイオス スペース マリーンを作ったのは、PvP を機能させるためのツールとしてだけでなく、人々がケイオス スペース マリーンをプレイするのが好きだからです。我々はこれまでに多くのシステムを追加で構築しており、ここで拡張を止める理由はありませんでした」

さらに、オリバー氏は PvE をさらに発展させる計画を持っているようです。「オペレーションズは確実に私たちが引き続き拡張を検討できる部分です。第二次世界大戦の映画だったら、誰も知らないところで行われていた奇妙な作戦を題材にしたものが公開されています。戦争のことを考えると、そうした語られていない物語がたくさんあるはずなのです」

しかし、ファンにとって重要なことは、Saber Interactive がこのゲームを単なる待望の続編ではなく、シリーズの再生だと考えているのか、ということです。

「このゲームを本当に信じています」とオリバー氏は熱く語ります。「本作は本当にしっかりとした作品になっています。将来のストーリーをサポートするための技術やシステムをたくさん構築してきたので、うまくいけば、そのまま次回作に移行することも可能です」

「『Space Marine』シリーズの次回作まで、あと 13 年もかからないことを期待しています。その間、『Space Marine 2』は自ら進化する運命にあるようです。皇帝もお喜びになることでしょう」

『Warhammer 40,000: Space Marine 2』は、Xbox Series X|S向けに『~Gold Edition』、『~Ultra Edition』、そして通常版が好評発売中です。

※この記事は米国時間 9 月 5 日 に公開された “Warhammer 40,000: Space Marine 2 – Making a Sequel to a 13-Year Old Game (and How It Could Lead to More)” を基にしています。