『Alan Wake 2』の拡張パック『レイクハウス』では、ホラーをさらにパワーアップ。『Control』との関係がさらに深まる

「Xbox Partner Preview」では、10 月 22 日に発売される『Alan Wake 2』の拡張パック第 2 弾『レイクハウス』のゲームプレイを初公開しました。FBC (連邦操作局) エージェントのキラン エステベスとなり、ゲーム本編のコールドロン湖にある研究施設「レイクハウス」を探索します。真のサバイバル ホラー体験であると同時に、「Remedy Connected Universe」の新たな扉を開くものとなりますが、多くの疑問も残しています。幸いなことに、アランのホラー物語におけるこの魅力的な拡張パックについて、開発チームに話を聞くことができたので、そのとき知り得た情報をまとめてお届けします。

ゲーム本編をクリアしていれば、『Alan Wake 2』の物語は完結していることは明らかです (結局のところ、「ループではなくスパイラル」ですから)。 そのため、拡張パックはどういう物語にするべきか、Remedy は非常に難しい判断をしなければなりませんでした。『Alan Wake 2』におけるストーリーの前後どちらかに物語を追加すると、慎重に作られたストーリーが分断される危険性があります。そこで開発チームは、予期しなかった方法で物語を追加しています。

「この『レイクハウス』は、ゲーム本編におけるもう 1 人の主人公であるサーガのストーリー序盤と並行して起こっており、エステベスがレイクハウスを訪れる物語が描かれます」とリード ライターのクレイ マーフィー (Clay Murphy) 氏は語ります。「サーガとエステベスが出会う頃には、この拡張パックのストーリーはすでに発生しているのです」

ゲーム ディレクターのカイル ローリー (Kyle Rowley) 氏は、「最初に『ナイト スプリングス』と『レイクハウス』のコンセプトを思いついたとき、両作品はかなり異なるトーンになるとわかっていました」と付け加えます。「拡張パック第 1 弾となる『ナイト スプリングス』のエピソードは、クレイジーな “もしも” のシナリオを描き、『Alan Wake 2』のメイン体験からかなり劇的な方向転換をするような、かなりユニークなアイディアでまとめあげたものでした。なので、『レイクハウス』では、再びホラーの側面を強調したかったのです」

「Xbox Partner Preview」で公開になったゲームプレイ映像を少し観ただけでも、それは明らかです。『Alan Wake 2』のメイン ストーリーでは、シュールでコミカルなシナリオから、刑事サスペンス、本格的なホラーへと、展開がシフト チェンジしていきます。『レイクハウス』はその最後のポイントである「ホラー」をさらに強化しているようです。ゲーム中の照明は暗く、敵は逃げ足が早く、恐怖がたっぷり待っている展開となっており、ゲーム本編における「老人ホーム ヴァルハラ」シークエンスに近いホラー レベルと言えるでしょう。本編をプレイした人なら何が待ち受けているか理解できそうです。

さらなる注目点として、『レイクハウス』は『Alan Wake 2』の物語になっているだけでなく、Remedy の別タイトルともつながっています。それは『Control』です。キラン エステベスはゲーム本編にも少し登場しますが、ここでは連邦操作局のエージェントとしての彼女の役割や、それに伴うさまざまな恐怖について、詳しく知ることができます。

ローシー氏は続けます。「『Alan Wake 2』はサバイバル ホラー ゲームですが、『Control』の世界にもプレイヤーを恐怖に陥れるような要素がかなりあると感じたのです」

『レイクハウス』がこの世界にとって何を意味するのかが明らかになるほか、トレーラーの最後には『Control』で重要な役回りだったディラン フェイデン (『Control』である主人公ジェシー フェイデンの弟) が登場し、予想以上に強いつがなりがあることを示唆しています。Remedy は今のところディラン フェイデンについて何も言及していませんが、『Control』とのつながりは単なる表面的なものではないようです。

コミュニケーション マネージャーのミーカ フッテン (Miika Huttunen) 氏は、「ディランによく似ていますよね。レイクハウスを隅々まで探索する価値があるかもしれません」と説明してくれました。

湖へのダイビング

『Alan Wake 2』とのつながりに話を戻すと、エステベスはアランの事件とコールドロン レイクでの出来事について、FBC 内部の研究者に話を聞くためにレイクハウスにやってきます。しかし、彼女は答えを見つけるどころか、多くの疑問を抱くことになります。施設自体が恐ろしい変貌を遂げつつあることが明らかになったからです。「Alan Wake」シリーズの恐怖は、つねに現実とアートの交差点から生まれます。とくに注目すべきは、新しい敵のタイプとなる “Painted” です。

「この『レイクハウス』では、ゲーム本編に登場する敵とは異なる新しいタイプの敵を登場させたいと思っていました」とローリー氏は説明してくれました。「水をテーマにした敵で老人ホーム ヴァルハラにいる “Diver” や、コールドロン レイクの森とその周辺にいる “Taken Wolves” など、その敵が出現する場所やテーマを踏まえて登場します」

ローリー氏は続けます。「たとえば “Painted” は、レイクハウスにおいて重要な要素の 1 つである「絵」をテーマにしています。彼らは超自然的にペンキが塗られた表面から出たり入ったりすることが可能で、プレイヤーを追いかけながら大きなダメージを与えてくる破壊的な近接攻撃を持っています」

新しいプレイアブル キャラクターであるエステベスは、サーガやアランで慣れ親しんできたような能力を持っていませんが、この新たな脅威に対処するために必要な専門知識や装備を持っています。

「キャラクターとして、エステベスはコールドロン レイク周辺に存在する超自然的な力に精通しており、これまでのキャリアでこれに似た出来事を何度も経験しています」とマーフィー氏は説明します。

ローリー氏は、「サーガと同様、エステベスは FBC のエージェントであり、標準的な銃器の扱いには慣れています。とはいえ、今回の拡張パックでは FBC 専用の新しい武器を追加しました。エステベスの基本的な武器は、サーガの武器よりも少しダメージが大きいので、”Taken” は少し早く倒れます」と付け加えました。

また、『ナイトスプリングス』では複数のエピソードが収録されていましたが、『レイクハウス』はより一体感のある内容となっています。

「本編の大型ミッションのように、このミッションは伝統的なサバイバル ホラー ゲームのような構成になっています」とローリー氏は続けます。「プレイヤーが探索できる大きなオープン構造があり、そこで秘密を発見したり、危険な敵が存在したりしています。ゲーム本編同様、『レイクハウス』は物語全体の中で大きな役割を担っています。探索して、あちこちに散らばっている多くの物語オブジェクトを見つける価値は、間違いなくあります」

この拡張パックの主人公であるエステベス自身も、物語を豊かにする手助けをしています。ローリー氏はさらに付け加えました。「エステベスは FBC での経験を活かし、レイクハウスやその周辺で起きていることについてコメントし、その有力な情報をプレイヤーにメモとして提供でるよう、マップを調整しました」

『Alan Wake 2』をプレイ済みであれば、メイン メニューから直接『レイクハウス』に飛び込むことができますが、本作を初めて遊ぶプレイヤーのために、ゲーム本編の中に組み込まれるよう設計されています。『ナイトスプリングス』と同様、『レイクハウス』はゲーム本編の流れに合わせて組み込まれているので、プレイヤーはメイン キャンペーンをプレイしている最中、シームレスにこれらのミッションに遭遇することになります。『ナイトスプリングス』と『レイクハウス』の両方を加えることでゲーム体験が向上し、究極の『Alan Wake 2』のプレイが実現すると確信しています。

これは Remedy が拡張パックの使い手の名手だからこそできることです。本編とは別の形で構築するのではなく、ゲームの中に組み込むことで、その拡張パックが不可欠に感じられるようになっているのです。そして、ここで興味深いことに気が付きました。『Control』の 2 つ目の拡張パック『AWE』が、『Alan Wake 2』での出来事を予告する手段として使われていた点です。『Control』は続編が進行中で、すでにこれだけ多くの関連性が指摘されている今、『レイクハウス』も同じようなトリックを実行しているのでしょうか? フッテン氏は、この疑問については『レイクハウス』をプレイしてくださいとか言えないとのことです。

「フェイデン兄妹の物語が今後どのように展開していくのか、私たちも楽しみにしています」

『Alan Wake 2』の拡張パック第 2 弾「レイクハウス」は、Xbox Series X|S 向けとして 10 月 22 日に配信開始となります。

※この記事は米国時間 6 月 6 日 に公開された“Xbox Partner Preview | Alan Wake 2: The Lake House Amps Up the Horror – and the Connections to Control”を基にしています。