『九日ナインソール』: 「タオパンク」の世界はどのように作られたのか

『九日ナインソール』は、東洋の伝統の哲学的な深みと神話の豊かさと、未来的なサイバーパンクの世界を融合させたものを目指し、5 年ほど前に開発が始まりました。この融合は、最終的に私たちが「タオパンク」と呼んでいるものです。本稿は、私たちが『九日ナインソール』を作った経緯と理由をまとめたものです。

調和の追求

まず、比較的新しい概念であるタオパンクとは何かを定義することは容易ではありませんでした。実際、これは思っていた以上に困難な作業となりました。この 2 つのジャンルは全く異なる世界であり、ただ無理やり結びつけても本物らしくなるわけではありません。両方の要素を本当に体現したものを作り上げるには、しっかりとした基盤を築く必要がありました。ゲームのあらゆる側面、すなわち神話や世界構築からキャラクターやアート スタイルまで、すべて対して私たちが目指す融合バランスを調整する必要がありました。

この課題に取り組む中で、私たちは自分たちのリズムを見つけました。道教の哲学的な考え方に共鳴するような舞台を作りながら、サイバーパンクの荒々しいエネルギーも取り入れたのです。しかし、息をつく間もなく、新たな課題が浮上しました。それは実際のゲームプレイ内容です。戦闘システムの設計は、私たちが直面した大きなハードルのひとつとなりました。

戦闘の流れを習得

開発当初は、全体的なゲームプレイについて『Hollow Knight』のようなクラシック インディー タイトルからのインスピレーションを得ていましたが、それはすぐに『九日ナインソール』のトーンに合わないことがわかりました。他の素晴らしいプラットフォーマーの道をたどることは、私たちが達成したいこととは一致しないのです。

ゲームのコアとなるアイデアに立ち返ったとき、ようやく新たな方向性を見出すことができました。その頃、偶然にも『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』の弾きシステムに出会い、深く共感しました。攻撃的な戦闘に重点を置くのではなく、道教の哲学に根ざしたシステム、つまり相手の力を逆手にとるシステムを取り入れたらどうだろうか?と思ったのです。攻撃をかわし、体幹を維持したプレイヤーに報酬を与えるシステムです。この転換は、私たちにとってまったく新しい道を切り開くものでした。

しかし、防御を重視した 2D アクション ゲームを開発することは、それ自体が新たな挑戦でした。2D ではあまり使われてこなかったメカニクスであり、これを完成させるには数え切れないほどの試行錯誤を重ねました。幸いなことに、そうした数多くの失敗と改良の末、最終的にすべてがうまく機能するようになりました。

道を見つける

それから、すべてが少しずつ形になっていきました。私たちは 1980 年代から 1990 年代の日本のアニメや漫画のファンなので、「AKIRA」や「攻殻機動隊」といったサイバーパンクの古典が、アート開発の重要なインスピレーションとなりました。これらの作品は、『九日ナインソール』のビジュアル スタイルに大きな影響を与え、未来的なテクノロジーと神聖な芸術を融合させることで、ノスタルジックでありながら新鮮な感覚を生み出しました。

オーディオ デザインについても同様です。私たちはサウンドスケープ (音風景) を際立たせたいと考え、伝統的な東洋の音と現代の楽器を融合させ、他に類を見ないサウンドを作り出しました。この組み合わせにより、『九日ナインソール』は他のゲームとは一線を画するアイデンティティを獲得し、古代のルーツに根ざしながらも未来的な雰囲気を同時に醸し出すことに成功しました。

すべてをまとめ上げていく中で、テーマも膨らんできました。自然とテクノロジー、生と死の意味といったテーマが自然にストーリーに組み込まれていったのです。不思議なことに、『九日ナインソール』そのものが独自の道を切り開いていくような感覚があり、私たちはその声に耳を傾けて開発していきました。最終的に、私たちは神話とテクノロジーというレンズを通して深い哲学的なテーマを探求し、このジャンルで際立つストーリー体験を作り上げることができました。

待ちきれない旅

振り返ってみると、『九日ナインソール』の制作は信じられないほど素晴らしい旅でした。そして今、この世界を皆さんと共有できることを楽しみにしています。敵の攻撃を弾くことに重点を置いた戦闘、サイバーパンクにインスパイアされたアート、物語に織り込まれた哲学的なテーマなど、『九日ナインソール』には皆さんの興味を引く何かがあるはずです。

『九日ナインソール』は 2024 年 11 月 26 日に発売され、Game Pass では発売初日からプレイ可能となります。この爽快な 2D アクション アドベンチャーで私たちと一緒に冒険し、その世界をぜひご自身で発見してください。

※この記事は米国時間 9 月 27 日 に公開された“Nine Sols: How We Brought a Taopunk World to Life”を基にしています。