『Avowed』の戦闘におけるプレイヤーの自由な選択

概要

  • Avowed』の戦闘と選択肢の自由度を深く掘り下げます。
  • ゲームプレイ ディレクターのゲイブ パラモ (Gabe Paramo) 氏とシニア コンバット デザイナーのマックス マッツェンバッハ (Max Matzenbacher) 氏が、ゲームの戦闘システムを作り上げる過程について、詳しく語ります。
  • 『Avowed』は、2025 年 2 月 18 日に Xbox Series X|S、Windows PC、Steam、Battle.net で発売予定です。また、Game Pass Ultimate および PC Game Pass では発売初日からご利用いただけます。現在、Xbox ストア、Battle.net、Steam で予約注文を受け付けています。『~Premium Edition』では、最大 5 日間の早期アクセス、プレミアム スキン パック 2 つ、『Avowed』デジタル アートブック & サウンドトラックへのアクセスが提供されます。

船を降りて『Avowed』の最初のオープン ゾーンである「Dawnshore」に足を踏み入れた瞬間、これは楽しい冒険になるだろうと確信しました。港町「Paradis」は、魅力に溢れています。崩れたレンガの建物、商品をアピールする商人たち、話をしたがらない泥棒の一団など、すべてが生き生きとしていました。 最初に筆者がしたことは、より良い景色を見るために鐘楼の頂上まで登ることでしたが、そこで鳥の巣の中に隠れている金貨を発見しました。このゲームは私がここに行くかもしれないことを予測していたのです。この冒険は記憶に残るものになることでしょう。

プレイヤーの選択が最優先される『Avowed』では、スタジオのモットーである「Your Worlds, Your Way (あなたの世界で、あなたのやり方を)」に則り、ゲーム内のほぼすべての行動にプレイヤーの選択が反映されます。複雑なセリフの選択から、「Eora」の「Living Lands」を探索するためキャラクター ビルドまで、すべてがプレイヤーの選択によって決まります。戦闘もプレイヤーの選択という枠組みの中にあり、私は最近開催された『Avowed』のメディア向け体験イベントで、それを詳細に体験することができました。

私は、12 種類近くの武器を試したと思います (強力な銃のアーキバスが私のお気に入りになりました。詳しくは後ほど)。斧や弓、ハンマー、杖、さらには魔法書まで、自由に切り替えることができる柔軟性はとても素晴らしいもので、ゲームは私に実験を奨励しているように感じました。「戦争の英雄」という主人公の初期設定が、あくまで提案のように感じられたのです。

シニア コンバット デザイナーのマックス マッツェンバッハー氏は次のように語ります。「私は本作のそれをオープンなクラス システムと表現したいと思います。クラス システム制のゲームでは、使用できる武器や選択できるアビリティが制限されていることがあります。しかし、『Avowed』におけるクラスはあくまで指針であって、プレイヤーが従うべき道しるべのようなものです。プライマリ武器とセカンダリ武器にいろんな装備ができ、いつでもどのツリーからでもほぼすべてのアビリティを使えます。例えば、メテオ ストームのような魔法使い向けの能力をいくつか取り入れ、さらに戦士向けの能力も追加することも可能です。プレイヤーは自分のクラスを構築する機会が与えられるのです。いくつかの指標をお見せしますが、その中には『Pillars of Eternity』 (2015年に発売されたObsidian Entertainment による RPG) の要素が反映されています。さらに、より細分化されたサブ クラスもありますが、本当に好きなものを構築することができます。

「戦闘アクションの柔軟性は、常に私たちの目標でした」と、ゲームプレイ ディレクターのゲイブ パラモ氏は付け加えます。「武器に関しては、一撃で倒せる短剣からリロードに時間がかかるアーキバス、両手で扱う巨大ハンマー、片手剣、片手ピストル、そして杖など、さまざまな武器が用意されています。また、片手武器を左右それぞれに装備して、両手武器として使うシステムも用意されています。

武器をいろいろ使ってみたところ、私は呪文書に強く惹かれるようになりました。呪文書は魔法武器で、自分のクラスが魔法系でなくても呪文を発動させることができます。剣を片手に持ち、もう片方の手で呪文書を持つという組み合わせは、戦闘で面白い結果を生み出すだろうと感じました。ゲーム中はさらに多くの呪文書を発見でき、すでに所得した呪文を強化するか新たに呪文を学ぶかを選択できると聞きました。例えば、呪文書から習得した「Fan of Flames (炎の扇)」をアビリティ バーに追加し、巨大なハンマーを振り回しながら、装備とは関係なく炎を放つこともできます。

パラモ氏は、「最大のユニークな要素は、すべての要素がどのように組み合わさっても、プレイヤーを制限しないことだと思います。プレイヤーに究極の柔軟性を提供し、スキル ツリーから選択した能力、発射する武器、回避行動など、アクションを素早く切り替え、実行できるようにしました。これらの多くの要素は他のゲームでも扱われていますが、私たちは独自に組み合わせているのです」と語ります。

『Avowed』では、ゲームの世界で集めたリソースを利用してユニークな武器を強化 (改造) することができます。冒険心や探究心の強いプレイヤーには、より強力な武器や装備をアップグレードするのに必要なツールが与えられます。隅々まで探索するのが好きな私にとって、冒頭で述べた鐘楼の頂上にあった鳥の巣のように、自分の好奇心がどれほど報われるのかを体験して興奮しました。また、こうした隅々を探検することで、『Avowed』の世界が本当に開けてきたのです。私の好奇心や戦闘へのアプローチが報われただけでなく、世界を自分が好きなように探検する自由が結びついていたからです。

「エンチャント システムや武器のアップグレード システム、そしてパッシブ アビリティを持つユニークな武器があり、プレイヤーはそれらの武器を強化することができます。これにより、プレイヤーはメカニック面を深く掘り下げ、考えられる最大のダメージを最小限に抑えたり、選択したプレイ スタイルを改善したりすることができます」とパラモ氏は説明します。「プレイヤーが考えを変えて別のことを試したい場合、あるいは後で気に入った別の武器セットを強化するために別の能力を選択したい場合など、柔軟に対応できるリスペック システムも用意されています」

「技量システムは、『Pillars of Eternity』のコンセプトから着想を得ており、特定のクラスに限定して求められる技量はないという点に着目しました。つまり、特定の武器を使ったり、特定の武器を最適化したりするためには、特定の技量を上げる必要があるのです」とマッツェンバッハ氏は付け加えます。「すべての技量はすべてのプレイヤーとビルドが利用可能であるため、よりダメージ重視したり、より生存力を高めたり、あるいは武器攻撃やアビリティの使用に使えるリソースをより多く持ったりなど、プレイ スタイルを拡張するために技量を活用することができます」

このため、プレイヤーの選択と試行を評価しながら、これらの武器のバランス調整をどのように行うかが問題となりました。 マッツェンバッハ氏とパラモ氏は、まずこれらの武器を最も基本的な構成要素に分解し、そこから調整を加えていったと説明しました。例えば、大型の武器はより多くのスタミナを消費しますが、より大きなダメージを与えます。小型の武器の場合、スタミナ消費は少ないですが、気絶させるのに適しています。強力な攻撃呪文を唱えるのにかかる時間やエッセンスのコストにも、同じルールが適用されます。呪文が強力であればあるほど、より多くのコストがかかります。

パラモ氏は次のように説明します。「選択肢と結果は、対話の中だけでなく戦闘においても存在します。プレイヤーが装備を選択するたびに、それに伴う結果が生まれるのです。例えば、両手持ちの巨大ハンマーを選択すれば大きなダメージを与えられますが、攻撃速度が遅いため敵の攻撃を受けやすくなり、スタミナも消費します。このような選択のひとつひとつにおいて、プレイヤーはどのようにこのシステムに注力するかを決定し、武器や装備を選択した結果を生み出しているのです」

私のプレイ スタイルは、「戦争の英雄」に強力なアーキバスとチャージ能力を組み合わせました。これにより、私は前方にダッシュして目の前の障害物をすべて粉砕することができます。しかし、何度も使用しているうちに、この武器が敵のスタン ゲージを大幅に増やせることに気が付きました。完全にスタン状態の敵を攻撃すると、大ダメージを与える特殊攻撃が発動します。この能力と、装填が遅いものの強力な武器を組み合わせることで、特に熊や巨大な蜘蛛など、私が遭遇した中でも手ごわい部類の敵に対して非常に効果的な戦術が生み出せました。

選択肢は敵にも適用されるようになっており、敵も環境を最大限に活用して最適な攻撃方法を見つけ出すように設計されています。Sporelingsや Skeleton、Xaurips (この世界の爬虫類人) まで、すべての敵には基本的なコマンドに加えて、独自の戦闘ルールを持っています。これが面白い点は、これらのコマンドがプレイヤーと敵の双方の移動におけるパルクール要素に反映され、遭遇がより挑戦的で楽しいものになっています。

パラモ氏曰く、「AI は崖や岩棚をパルクールで登り、プレイヤーに近づく方法を知っています。そして、敵はプレイヤーがより高い場所から狙おうとしていることにも気づいています」と説明します。「そうした場面に敵は適応し、近接戦闘に特化した敵であっても、あなたを攻撃しようとするでしょう。そして、もしあなたに近づけなかった場合は、より遠距離の攻撃に切り替えてくるはずです。そうすれば、あなたは彼らの特性を利用して、簡単に倒すことができなくなります」

このようなシナリオは、Xaurips の大群と戦っているときに何度も経験しました。彼らが高い岩棚まで散らばり、矢で私に攻撃を仕掛けてきます。彼らを追い詰めるために崖を登っていくと、彼らはバックフリップでさらに高い岩棚まで登っていきます。私はこれにうんざりして、呪文書を装備し、炎を放ってこの追跡に終止符を打ちました。敵が自身の生存を意識していると同時に、私に対して優位に立とうとしている様子を見るのは、本当に楽しかったです。

パラモ氏は続けて、「プレイヤーが様々な場所へジャンプすることで、AI はこれまでとは違った動きを見せます」と続けます。「本作にはステルス要素があり、プレイヤーは特定の草むらに潜むことで、よりステルス的なアプローチを取ることができます。また、プレイヤーや敵が破壊できるオブジェクトや、遠距離攻撃に使用できる爆発する樽などもあります。これにより、敵と遭遇したときは優位に立てて、気づかれていない敵をステルス攻撃した際には、ダメージ ボーナスが得られます」

 マッツェンバッハ氏は、「ゲーム内には環境との相互作用もあります」と付け加えました。「例えば、地面に水たまりがある場合、ショック魔法を使用すると何かしらの反応をするかもしれません。プレイヤーや敵に影響を与えるトラップや危険物が仕掛けられており、それらを誘発することで相互作用が起こる場合もあります。空間のレイアウトや構造だけでなく、敵に対して組み合わせて活用できる要素もあります」

『Avowed』には、キャラクターを思い通りに成長させたり、装備や仲間を自由に選択できたり、ダイナミックな戦闘ができたりなど、興味をそそる要素がたくさんあります。Eora の世界で数多くの刺激的な瞬間が訪れるのは間違いありません。Obsidian Entertainment は、プレイヤーの選択に自由を与えることに長けたスタジオです。『Avowed』は、このコンセプトを証明する新たな大作となるでしょう。これまでの発表やプレイ体験から、本当に特別な作品になっていくと思います。そして、『Avowed』の世界を冒険できることを心待ちにしています。

Avowed』は、2025 年 2 月 18 日に Xbox Series X|S、Windows PC、Battle.net、Steam で発売予定です。また、発売初日に Game Pass Ultimate と PC Game Pass で利用可能になります。現在、Xbox ストア、Battle.net、Steam で予約注文を受け付けています。『~Premium Edition』では、最大5日間の早期アクセス、2 つのプレミアム スキン パック、『Avowed』デジタル アートブック & サウンドトラックへのアクセスを提供しています。

※この記事は米国時間 11 月 21 日 に公開された“How Player Choice is Infused into Avowed’s Approach to Combat”を基にしています。