『アサシン クリード シャドウズ』 – 対照的な2人の主人公が切り拓く新時代の戦闘システム

「アサシン クリード」シリーズで大きく進化してきた要素があるとすれば、それは戦闘システムでしょう。シリーズ初期では、屋根の上を忍び歩きしたり、油断した敵を巧みに茂みへと誘い込んだりと、フランチャイズのトレードマークともいえるステルスでの戦い方が確立されました。しかし、その後のシリーズでは、派手な登場や激しい肉弾戦が中心となり、より直接的な戦闘アプローチが導入されました。これまでのシリーズでは、どちらかの方向性に重点が置かれていましたが、最新作の『アサシン クリード シャドウズ』では両方のスタイルを爽快かつシームレスに楽しむことができます。

先日行われた先行試遊会にて、Xbox Wire 編集部は『アサシン クリード シャドウズ』を数時間プレイする機会を得ました。主人公の奈緒江と弥助のプロローグ ミッションをプレイし、2 人の対照的でありながらもお互いを補うような戦闘スタイルはとても魅力的だと感じました。また、シリーズとして初めて日本を舞台とし、安土桃山時代をモデルにしたオープンワールドを自由に探索することができます。そこで私たちが発見したのは、過去のシリーズを尊重しながらも、「アサシン クリード」をさらに進化させるゲームとなっている、ということでした。

忍び寄るか、正面突破するか。選択はプレイヤー次第

『アサシン クリード シャドウズ』をプレイしてまず感じたのは、主人公 2 人の戦闘スタイルがそれぞれ際立っている点でした。奈緒江と弥助は双方で独自の戦闘スタイルを持っており、どちらのキャラクターでプレイし始めたとしても、すぐにその違うがわかるはずです。これは 2 つの全く異なるプレイスタイルを明確に区別しているだけでなく、2 人のキャラクターにそれぞれの物語や個性に合った戦闘スタイルとなっています。以前から「アサシン クリード」ではこういったアプローチが採用されていましたが、これほど強烈に表現されたことはありません。

奈緒江は典型的な「アサシン クリード」スタイルのキャラクターであり、静寂と闇に身を隠したときに最も力を発揮します。彼女は屋根や木々を軽々と移動し、素早くかつ残忍な暗殺を行うための「隠し刀」を持っています。また、高い場所に素早く登るための「鉤縄」、注意をそらしたりステルス攻撃を行ったりするための「煙玉」、そして投げナイフである「クナイ」も装備しています。奈緒江はいざとなれば接近戦でも戦うことができ、刀や鎖鎌も扱うことができますが、彼女の真骨頂はおなじみの暗殺者スタイルでしょう。彼女がこのスタイルを駆使するととても格好く、オープンな場所で敵に囲まれた場合は少し弱々しく思えますが、すぐに奇襲へ転じることができます。

弥助の戦闘スタイルは奈緒江と対照的で、地上戦や接近戦に重点が置かれています。重い刀や剣捌き、薙刀 (射程内の複数の敵に強力な攻撃を繰り出す) やポルトガル製の「火縄銃」を装備し、奈緒江のステルスとは真逆な戦闘スタイルです。弥助は物陰に身を隠す必要はなく、目の前にあるものすべてをなぎ払って突進するのみ。いざとなればアサシンらしく高い場所に登ることはできますが、彼の真骨頂は、やはりその「力」にあります。

何よりも素晴らしいのは、どちらかのキャラクターをメインにする必要を感じなかったことです。『アサシン クリード シャドウズ』では、いつでも自由にキャラクターを切り替えることができるので、どちらか一方の主人公に固執する必要性はありませんでした。過去作主人公でいう、クラシックなステルスキャラクターのエツィオやアルタイルのようなスタイルが好きであれば、奈緒江をメインにすることもできますし、エドワードやエヴォールのような、よりパワフルなスタイルがお好きなら、弥助を使うとよいでしょう。そのように、どちらかお気に入りの主人公にこだわってプレイすることも可能です。

2 人のキャラクターの切り替えが可能なことで、「アサシン クリード」のゲームではこれまでほとんどできなかったタイプのロールプレイも自然に行うことができます。私は当初、洗練されたステルス アサシン スタイルを好んで、奈緒江としてミッションに挑みました。しかし、キャラクターを深く知るようになってからは、クエストの物語内容やキャラクターの能力に基づいて、どちらでプレイするかを選ぶようになりました。

例えば、ある場面において奈緒江を選び、より慎重な姿勢を取ることで、私は戦闘を完全に回避することができました。このとき、弥助であれば全く同じ会話でも戦闘が巻き起こるであろうことは想像に難くありませんでした。また別の場面では、隠し賭場にいる人物を見つけるために弥助として行動を取りました。奈緒江の長所であるステルスを駆使した救出より、弥助が火縄銃を構えて突入したほうが楽しそうに思えたからです。

2 人の主人公を切り替えながら物語を進めていくのは非常に便利で、プレイの流れをほとんど寸断することはありませんでした。キャラクターを変更すると、その場所ですぐにキャラクターが切り替わります。建物を登る場面や特定のキャラクターと会話する必要があるシーン、砦に乱入して戦闘をするときなど、切り替える前にやっていたことをすぐに再開できます。

そうしているうちに、『アサシン クリード シャドウズ』が織りなす物語に自分自身がしっかり絡み取られ、夢中になっていることに気づきました。自分の思いのままに主人公を変更できるという選択肢があるおかげで、プレイヤーそれぞれにとってパーソナライズされた体験と感じやすくなるのでしょう。続きがプレイできる日を楽しみにしています。

アサシン クリード シャドウズ』は、Xbox Series X|S で 3 月 20 日に発売予定です。

※この記事は米国日時 1 月 23 日に公開された “Assassin’s Creed Shadows: How Two Protagonists with Contrasting Combat Respect the Evolution of the Series” を基にしています。