『Avowed』- 驚くべき自由度で自分だけの冒険を選択できるその仕組み

お知らせ:

2025 年 2 月 19 日 (水) に発売、そして 2 月 14 日 (金) にアーリー アクセスの開始を予定しておりました『Avowed』につきまして、日本語、および韓国語のローカライズが Obsidian の品質基準に達していないことから、両言語版の提供を延期することを決定いたしました。

各地域のストアにて、ゲーム本編は引き続き提供開始されますが、日本語言語データにつきましては、1 か月後のアップデートでの提供を予定しています。

この度の延期に伴い、本タイトルの発売をお待ちいただいている国内の皆様に多大なるご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。引き続き、何卒ご理解と変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


概要

  • 『Avowed』では、クエスト、キャラクターとのやり取り、戦闘において信じられないほどの自由度をプレイヤーに提供し、没入感の高いファンタジー RPG 体験を実現しています。
  • 『Avowed』での選択は、キャラクターの関係、クエストの結果、ゲーム全体の進行に影響を与えます。
  • 『Avowed』は 2025 年 2 月 19 日に Xbox Series X|S、Windows PC 用「Xbox アプリ」、Battle.net、Steam にて発売予定であり、Game Pass で発売初日からプレイ可能です。

「Your worlds, your way (あなたの世界、あなたのやり方)」は Obsidian Entertainment (以下、Obsidian) の単なるモットーではなく、彼らのプレイヤーに対する考え方を表しています。プレイヤーのあらゆる活動の中に自由が存在し、クエスト、地域、戦闘などのデザインに反映されているのです。それによって “Obsidian の RPG” は素晴らしいものとなり、そもそも “Obsidian の RPG” の言葉の意味がすぐにわかる理由にもなっています。

2025 年 2 月 19 日のファンタジー RPG 『Avowed』の発売に先立ち、Xbox Wire ではこの開発チームに取材を行い、プレイヤーにこれほどのレベルの自由度を提供するプロセスについて詳しく伺いました。また、同社の哲学が本作でどのように、より推進されているかについても伺いました。

「選択できることや、行動を取る、取らないの結果は、それが予測されているかどうかに関わらず、集落全体、個々の人々、集団の人々と、基本的にあらゆる将来に影響を与えることになります」とリージョン ディレクターのベルト リトガー (Berto Ritger) 氏は言います。

それは、本作の最初の地域である「Dawnshore」で船を降りた瞬間に明らかになりました。ゾーン全体が目の前に広がり、探索されるのを待っています。古い家屋を回って戦利品を見つけたり、地元の人々と話してサイド クエストを受けたりと、目に入るあらゆる場所で世界と関わる機会がありました。「Paradis」の港町から、まだ一歩も外に出る前のことです。

クエストのひとつに、「Xaurips」の一団によって入植者の女性が家から追い出されるというものがありました。このクエストだけでも、さまざまな結末があります。彼女の家で真っ向から Xaurips と戦うこともできますし、もっとステルスにプレイして現場を偵察し、発見したことを報告することもできます。そして、Obsidian のデザインによる多くのクエストと同様に、彼女からさらに情報を引き出そうとすれば、奥底にもう少しだけ隠されているものも……。このクエストでは Xaurips との予想外の精神的なつながりを得る結果となりますが、これこそ、「関与すればするほど見返りがあるべき」という Obsidian の哲学を何よりも体現するものでしょう。

「つねに、プレイヤーが発見できるものをできるだけ多く残すようにしています」とナラティブ デザイナーのケイト ダラーハイド (Kate Dollarhyde) 氏は言います。「世界が簡単に解き明かせてしまう状態でプレイヤーの手にわたることは、発見できるものが少なくなり、多くの謎が失われるを意味します。何が起きているのか、どのようにクエストを進められるのかがわかるよう、体験を理解しやすくしたいとは思いますが、正解が毎回明らかになることは望んでいません。これは、私たちデザイナーとプレイヤーの皆さんとの対話のようなものです。私たちは、皆さんと話をするための場を提供し、私たちと同じくらい皆さんにも話し合いに参加してほしいと思っています。そのためのツールを提供しつつも、皆さんが望むようにプレイできる余地を残しています」

ゲーム内の選択をデザインする際、ナラティブ チームはそれらを短期、中期、長期の要素に分類します。短期的な選択には、会話中に下される決定が含まれ、その結果、NPC が新しい情報を明らかにしたり、クエストを終了する新しい方法を提案したり、否定的な反応を示したりすることがあります。中期的な選択は、クエスト全体にかかる結果に影響を与える可能性があります。長期的な選択は、複数のクエストやゲーム全体にわたるイベントに影響を与えます。「重要な経路 (クリティカル パス)、地域のストーリー、サイド クエストをデザインする際は、つねに短期、中期、長期の選択について考えています。それらすべてがどのように連携するかを理解しようとすると少し複雑になりますが、幸いデザインは経験の積み重ねですので」とダラーハイド氏は付け加えます。

Obsidian は、プレイヤーによってはこれらの目標を見つけるのが難しすぎる場合があることをくり返し学習し、少しずつヒントや参照、提案を増やしていきました。ただし、プレイヤーにとって選択が個人的なものであると感じられるようにするには、プレイヤーがみずから選択したように感じさせる必要があります。Obsidian は、プレイヤーには誘導されているように感じてほしくないのです。これは、プレイ テスト、経験の積み重ね、そして細かい配慮を通して実現されるバランス調整です。

「結果に関して言うと、すべての選択と結果が完全に予測できてしまうと、新鮮さが失われるため、必ずしも面白いとは言えません」とゲーム ディレクターのキャリー パテル (Carrie Patel) 氏は言います。しかし、まったく予想外のことが起こるように感じられても嫌な場合があります。プレイヤーには物語の主人公として、結果や結末が自業自得であると感じてほしいのです。特に大きな選択とその結果は事前に予想できるように、多くの積み重ねや内部テストを通して調整しています」

さらに、個々のキャラクターや小さい集団のキャラクターに深く影響を与える個人的な選択もあります。「仲間があなたに対してどう感じているか、彼らがあなたと一緒にいるかどうかに影響する選択もあります」とリトガー氏は話します。「彼らは、あなたがサイド クエストやメイン ストーリーのクエストをどのようにプレイするかにも反応します。それらのクエストには、メイン ストーリーの展開と直接結びついているものもあります。彼らは、あなたがクエストで特定のことをどのように決定するかに反応し、意見を述べます」

『Avowed』で出会う 4 人の仲間は全員「Living Lands」の出身で、ストーリーが進むにつれてパーティーに加わっていきます。彼らは何が起こるか、あなたがどのような選択をするかに興味を持っているため、あなたの旅に同行し、手を貸してくれます。今のところ、私は「Kai」という青い肌の 「Aumaua」しか仲間にしていませんが、彼はよく Living Lands について必要な情報を教えてくれ、一緒にいる間に場所やキャラクター、生き物、歴史的な出来事について話してくれました。元兵士である彼はタンクとして優秀で、パーティーの被弾を防ぎ、敵の攻撃を引きつけ、焼夷弾を巧みに扱います。他の仲間や、彼らとどのように関わるのかについて知ることも、本作が発売されたときの楽しみのひとつです。

ご想像の通り、『Avowed』の登場人物は (仲間であろうとなかろうと) ただのステレオタイプな英雄や悪役ではありません。彼らは道徳的にグレー ゾーンにいる複雑なキャラクターたちです。この複雑さにより、彼らと関わるときにさまざまな選択が与えられ、純粋に善か悪かはっきりと決まることはほとんどなくなります。

「その舞台で生きている人々の物質的なリアリティーが、語られる実際の物語に作用します」とダラーハイド氏は言います。植民地帝国が辺境の島にやって来て、「やあ、来ましたよ。ここは私たちのものです」と言ったら、どのように見えるでしょう? キャラクターやクエスト、コンテンツをデザインする際に、私たちはそれらを見て『これはどんなタイプのキャラクターか?』とか『この人の特徴は?』などと言うことはしません。重要なのは、彼らが何を信じているかです。彼らが何を望んでいて、何が彼らの望みに影響を与え、彼らが何をしようとしているのか。その信念や必然性のほうがはるかに重要なのです」

「選択と結果において、宇宙の熱的死に影響を与えうるプレイヤーの行動の全てが対象、というわけではありません。ですがいずれもが信じられる形に整っていることが必要なのです」とパテル氏は付け加えます。「結果の大きさと、その結果が現れる時間の範囲に関する多様性が重要です。信じられ、かつ驚きのある形で、それらの結果を実現する方法を見つけることが体験を新鮮に感じさせ、掘り下げることで何が出てくるか見てみようという気にさせるのです」

プレイヤーにこのレベルの選択をもたらすために役立っているのが、『Avowed』内での「Eora」世界のデザイン手法です。冒険はオープンワールドではなく、大きな一定のゾーンで行われます。これにより、Obsidian はプレイヤーが冒険のどの時点にいるかを把握し、そのゾーン内で非常に細かい、より高いレベルの選択と結果を実現することができるのです。

「これは (選択のための) よいペース配分のメカニズムだと思います。プレイヤーが次のことに移る前に、大体何をしたかがわかるわけです。これらのゾーン内は非常にオープンな構造で、ほぼ何でも好きなことができますが、いつどこにでも行けるような連続したエリアではありません」とリトガー氏は言います。

Obsidian は、時間をかけてこれらの経験を積み上げ、それに応じたペース配分を実現しています。また、デザイナーが各エリアの本質を理解することで、各地域で一貫性のある、テーマに沿ったストーリーを提供できるように徹底することができます。それぞれのゾーンの抱える問題は何か? 主要人物は誰か? 彼らの目的は何か? どのような選択が提示されるのか? ゾーンは特に、このピントを維持するのに役立ちます。

これらのゾーンの美麗な見た目も、このアプローチの恩恵を受けているようです。探索できるものがより濃密で、より実在感のあるものになっているからです。この世界に配置されたキャラクターの多くに、そこにいる具体的な理由があるように感じられ、無意味に感じられるセリフはありません。どの低木も、NPC も、家も、そこに存在する理由があるように感じられました。

「オープンワールドのゲームでは、ペース調整が非常に難しくて」とダラーハイド氏は付け加えます。「プレイヤーがいつどこにいて、何をしているのかはわかりません。ただ、先述のゾーンが順番に発生することで、重要な経路上でプレイヤーがどのコンテンツから来たのかがつねにわかります。どんなサイド クエストを完了したかはわからないかもしれませんが、ゾーンにおける (コアな) 体験を終えたことはわかるわけです」

こうした多様な結果に対応する選択のデザインが、『Avowed』のような “Obsidian の RPG” の素晴らしさを実現するための魅力的な一面と言えます。それは、プレイヤーが遭遇する “ことのない” 膨大な数の選択と結果。そして、本作のデザイン チームはそれをまったく問題視していません。これは、昨年の別の体験レビューでも体験したことです。

そのときは神託者「Sargamis」との会話をどこまで進められるのかに興味があったのですが、ネタバレを避けると、熱中するあまりに、非常に馬鹿げた死を与えられてしまいました。なにより重要なのは、それが全く必要のない不幸だったことです。Obsidian は、単に好奇心旺盛なだけの私に、より多くの会話とより多くのストーリーで応えてくれました。私はこのアプローチの背後にあるロジックについて、もっと知りたくてたまらなくなりました。

「そのような秘密や体験を見つけたプレイヤーは、あなたと同じ喜びや驚きを感じると思います」とパテル氏は言います。「RPG が特別であり、“私たち Obsidian の” RPG が特別なのは、たくさんのコンテンツを作っているからです。どのプレイヤーも、同一の体験をすることは確実にないことはわかっています。何かを見つけたときに、『これを見つけたのは自分だけなのでは?』と思えるのが RPG の楽しさであり、やりがいのある部分でしょう」

開発チームは、できるだけ早い段階からそういったアイデアに取り組み、その限界に挑戦する時間を確保することで、付け足しだと感じさせないように徹底してきました。『Avowed』での遊び方を根本的に変える、中核となるような選択肢を用意することは、彼らが本作を作り上げるために必要な要素でした。

「デザイナーとして私は、大多数の人々が目にすることのない、ほんの一部の人しか出会わないであろうものを作るのが好きです。その少数のプレイヤーの中に、ひとりかふたり、それを本当に気に入って驚いてくれる人がいるんです」とダラーハイド氏は付け加えます。「そして、彼らはそれを他の人に伝えたくなり、そのゲームをプレイしてそれを見逃した仲間と楽しいひとときを過ごせるのです。私は Reddit やフォーラムなどを覗いて、人々が何に興奮しているかを見るのが大好きなんです。それがゲームを作る上でもっとも楽しい部分ですので」

Obsidian の目的は、さまざまな感情を探求し、プレイヤーが選んだ方法でゲームのさまざまな側面に深く関わる機会を提供すること。世界についてより詳しく知るための幅広い会話であれ、単にスリルを味わうための戦闘参加であれ、『Avowed』では戦闘、探索、Living Lands での会話と、いつでもプレイヤーが好きな行動に集中できるように作られています。

すなわち、『Avowed』は今年、もっとも深く没入できるパーソナライズされたゲーム体験のひとつを提供しようとしているということです。本作では、プレイヤーの決定が重要となり、プレイごとに本当にユニークな体験が楽しめます。Obsidian の細部へのこだわりと、この素晴らしい RPG を特徴付けている選択と結果の心尽くしの組み合わせにより、Eora と Living Lands への旅は必ずや忘れられないものになることでしょう。


Avowed』は 2025 年 2 月 19 日に Xbox Series X|S、Windows PC 用「Xbox アプリ」、Battle.net、Steam にて発売予定であり、Game Pass では発売初日からお楽しみいただけます。Xbox 版とBattle.net 版のいずれかを購入したプレイヤー、または Game Pass Ultimate か PC Game Pass のメンバーシップを持っているプレイヤーは、Xbox と Battle.net のアカウントをリンクすることで、Xbox と Battle.net の両方でプレイすることが可能です。

『Avowed』は現在、Microsoft Store、Battle.net、Steam で予約受付中です。「プレミアム エディション」には、最大 5 日間の先行アクセス権、2 つのプレミアム スキン パック、『Avowed』デジタル アートブックとオリジナル サウンドトラックへのアクセス権が付属します。

※この記事は米国日時 1 月 24 日に公開された “How Avowed Lets You Choose Your Own Adventure with Incredible Freedom” を基にしています。