Xbox Series X|S 版『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』が再び呼び起こす「もう 1 ターンだけ」の感覚

グランド ストラテジー ジャンルのゲームで、こんなにスムーズにプレイに入り込めたのはいつ以来でしょうか。それほど、Xbox Series X|S 版『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』は遊びやすい作りになっています。もちろん、過去の本シリーズの経験も多少役に立ちましたが、本作がいともたやすく私を貿易、外交、戦争といったストラテジーの世界へと引き込んでいく様は、感心すると同時に恐ろしくもあります。途中でコントローラーを置くのが本当に難しいのです。

この遊びやすさにひと役買っているのが、本作を Xbox ワイヤレス コントローラーで快適にプレイできるように、すべてがしっかりと作られている点です。ゲーム内のアクションホイール (RBボタン) を使えば、出会った指導者や、技術や社会制度といった研究分野をすばやく参照できます。ゲームではこれらの画面を頻繁に行き来することになるため、すべてのメニュー間をスムーズに移動できるのは非常に重要になります。

ワールドマップの移動も同様です。マップの隅から隅まで滑らかに移動し、多くの隠された場所を見つける操作は、コンソールでも非常に快適でした。マップを拡大 / 縮小して、ユニットや建造物の細部をじっくりと観察することも簡単にできます。本作の世界は、前作のカートゥーン的な方向性から脱却し、建造物やユニットが塗装されたミニチュアに似せられているなど、すべてがより現代的に洗練されています。ちょうどコンソール上でボードゲームをプレイしているような感覚です。

「ターン (コントローラーの Y ボタンに設定されていて多用することになります)」の読み込みも驚くほど速く行われます。これは、数十ものユニットが画面上でいっせいに動くゲームの後半でも変わりません。過去に何らかの「シヴィライゼーション」シリーズをプレイしたことがある方なら、すべての文明がターンを終えるのを待つのがいかに大変かおわかりになると思いますが、本作ではありがたいことに AI プレイヤーが格段に賢く、ゲームエンジンも Xbox Series X|S 向けによりパワーアップしているようで、そのようなストレスはなくなっています。

これらの改善点以外にも、『シヴィライゼーション VII』を前作から際立たせている素晴らしい新要素がいくつかあります。そのひとつが、「指導者」と「文明」を分け、多様な特徴を組み合わせられるようになった点です。これによりプレイ (およびリプレイ) 方法の幅が飛躍的に広がり、世界を制するための戦略を自分なりの考えで練ることが可能になっています。

たとえば、あるプレイで私は「ハリエット タブマン」を選択しました。エジプトの強力な「メジャイ」ユニットと組み合わせて彼女の諜報能力を活用したいと考えたのです。そして、このタブマンをゲームの第 3 フェーズである「近代」に登場させることができると、「アメリカ」文明が解除されて別のプレイで使用できるようになります。この新要素が、個人的に大ヒットでした。『シヴィライゼーション VII』では、ゲームをどのように進めるかの柔軟性が高められていて、何か新しいことを試すことが推奨され、その行いの報酬として、後でプレイできる追加の文明が解除されるのです。この奥深さについてはまだ表面をなぞっただけですが、リプレイ性が非常に高いことは明らかです。

先述したもうひとつの画期的な要素は、「時代」のシステムです。ひとつの文明を選んでゲームの最後までプレイするのではなく、「古代」、「探検の時代」、「近代」の各時代の開始時に文明を変更できるようになりました。これもまた、従来の「シヴィライゼーション」のプレイ方法を大きく変えるもので、最初からやり直すことなく、1 回のゲームセッションでより多くのことを体験できるようになっています。

なお、次の時代の文明を選んでも完全にリセットされるわけではありません。引き継ぐことのできる一連の「レガシー」を選ぶことができるのです。選択できるレガシーボーナスの数は、前の時代で達成した「マイルストーン (世界遺産の建造や敵対国からの土地の奪取など)」の数によって決まります。

これらを達成することで、次の時代の文明に投入できる属性ポイントが付与されます。これもよく出来ていて、『シヴィライゼーション VII』の多くの部分と同様、一連のクエストを通じてゲームの基本的な進め方、すなわち特定の目標の達成に集中できるようになっています。“シヴィライゼーション: RPG” とでも呼べそうな作りですが、本作ではイノシシの皮を 12 枚集めるのではなく、「世界の七不思議」を建造することが求められます。

次の時代に突入する際には、好みの助言者のガイダンスに従って、「レガシーパス (経済、軍事、文化、科学)」を変更することもできます。つまり、科学を原動力とする「古代」を経て、「探険の時代」には戦争に明け暮れる国家となり、最後は文化の天才として「近代」をプレイすることができるのです。くり返しになりますが、このように達成可能な特定の目標を与えながら、一方で新しいことを試し続けるように促すという点で、これらもすべて前述したことにつながっています。

過去のプレイ経験から言って、「シヴィライゼーション」シリーズのゲームに集中し続けるのはなかなか大変な仕事です。しかし、今回の『シヴィライゼーション VII』では (開発元の) Firaxis Games が解決策を見つけたようです。あれもこれもと手を出して、どっちつかずの方針になるのではなく、先ほどのレガシーパスのうち一つに集中することで、勝利への道筋を分かりやすくしてくれています。

「シヴィライゼーション」シリーズの新作はいつも、グランドストラテジーというジャンルに新たな時代をもたらすと同時に、すでに確立された方式をさらに発展させる革新的な方法を提案する一種のステートメントとなっています。今回も、レガシーボーナス、ダイナミックな「時代」システム、指導者と文明を自由に組み合わせられる柔軟性など、Firaxis Games は『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』に信じられないほどの奥深さをもたらしました。「もう 1 ターンだけ遊びたい」というあの癖になる感覚が再び呼び起こされ、Xbox Series X|S で何時間も夢中になること請け合いです。

※この記事は米国時間 2025 年 2 月 11 日に公開された “Sid Meier’s Civilization VII on Xbox Reignites That ‘Just One More Turn’ Feeling” を基にしています。