『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』が Xbox One、Xbox Series X|S、Windows PC 向けに本日 2025 年 2 月 21 日 (金) 発売されました。
オープニングクレジットでミュージカルナンバーが始まった瞬間、私は確信しました――シリーズ史上、最も壮大でぶっ飛んだ体験が待っている、と。画面にはベルベットの縁取りがついた豪華な紫のコートを身にまとい、激しく動き回る「嶋野の狂犬」こと真島吾朗。そして、その周りを取り囲むのは海賊のクルーたち。彼らは海の素晴らしさを歌い踊り、まるでミュージカル映画さながらの華やかさです。
本作には、まだまだ驚きが満載なので、ネタバレを避けつつ、序盤のハイライトをいくつか紹介していきましょう。
リッチ島に降り立った狂犬
ある日、真島が目を覚ますと、なぜか「リッチ島」の海岸に流れ着いています。この島は少数の住民がひっそりと暮らす小さな島です。しかし、真島は多才なキャラクターですから、地元の人々からすぐに受け入れられます。彼らのさまざまな事情やもめ事に巻き込まれ、あれよあれよという間にとある船の船長の座につきます。
リッチ島は、「龍が如く」シリーズらしく、数々のミニゲームやアクティビティが楽しめる場所でもあります。一例として、序盤の目玉である「ゴロゴロキッチン」を紹介します。これは真島が手に入れた食材を使って料理を作るミニゲームで、タイミングよくボタンを押すことで料理の出来栄えが変わります。作った料理は回復アイテムとしても活用できるので、うまく活用したいところです。

海戦と宝探し
『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』では、海賊アクションの醍醐味である海戦や宝探しがふんだんに盛り込まれています。
海を探索していると、突如として敵船が襲いかかってきて、水上戦が勃発。強力な大砲や速射ミニガンを駆使して戦います。戦闘に勝利すると拾えるパーツや購入したパーツを集めて、装備を強化していくことができます。強敵が出現する後半に備え、早めの準備が肝心です。
また、船での戦闘にはRPG のような成長要素もあります。戦闘を重ねるごとに仲間の経験値が蓄積され、仲間はそれぞれ成長します。中には戦闘を有利に進めるユニークなスキルを持つ仲間もおり、時には真島からプレゼントを贈ることで士気が上がります。休憩も必要で、思いやりが欠かせません。仲間たちにはスキルや感情があり、静的な舞台の小道具というより、個性豊かなキャラクターたちなので、『龍が如く0 誓いの場所』のキャバクラ経営を思わせるこのシステムは、プレイヤーが仲間に愛着を持てる作りになっています。

海での戦闘はテンポがよく、陸上でのエンカウンター戦に似ていますが、船の操縦を駆使する分、やや難易度が高めです。しかし、こなすたびに小さな報酬が得られるので、やりがいがあります。
宝探しでは、「ボスラッシュ」形式の戦闘が繰り広げられます。クルーと共に小島へ上陸し、海賊の手下たちと連戦した後、その島のボスを倒せば宝を獲得できます。報酬には真島の能力を強化するアイテムや大量の現金が含まれています。
“海の”嶋野の狂犬
本作で真島は新たな戦闘スタイル「パイレーツスタイル」を習得します。二刀のカトラスを操り、軽攻撃と重攻撃を組み合わせたコンボを繰り出すほか、広い範囲を攻撃する「カトラスブーメラン」、遠距離から攻撃できるピストルや敵を引き寄せるワイヤーフックを駆使できます。さらに、敵海賊団との戦闘を制すると「呪神」を召喚できる「呪神楽器」を手に入れることもあります。呪神召喚は、バイオリンを弾くと、巨大なサメが登場するなど、シュールかつ豪快な演出が見ものです!
おなじみの「狂犬スタイル」も健在です。パイレーツスタイルでなく、狂犬スタイルで戦闘に挑むと、スピーディーな肉弾戦やナイフさばき、影分身によるコンボ強化など、真島らしいバトルが楽しめます。

マッドランティスへの道
物語が進むと、真島たちは「マッドランティス」という島へと向かいます。個人的に、筆者はここがシリーズ屈指のお気に入りのロケーションになりました。巨大な洞窟内に、沈没したタンカー群を再利用した秘密の歓楽街が広がっています。
カラフルなネオンサインと目に刺さるような投光器と燃え上がる樽が薄暗い洞窟を照らし、怪しい住人たちが酒を飲み交わし、カードゲームに興じ、時には喧嘩を始める。そんな光景が広がっても、誰も気に留める様子はありません。マッドランティスを歩くと、神室町や蒼天堀の最も陰鬱な場所でも感じられないような、なんともいえない不安感があります。
ここには「コロシアム」も存在し、真島と仲間たちが他の海賊団と戦い、名声と報酬を手にすることができます。リッチ島、ネレ島、ハワイと並ぶ 4 つのメインエリアの一つであり、それぞれにユニークなアクティビティや設定がありますが、その中でもマッドランティスは、ひときわ強烈な個性を放つ、まさに“悪の巣窟”です。

極道としてのスピリット
『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』は、海賊アクションと宝探し満載のユニークな冒険でありながら、シリーズの核心にあるスピリットをしっかり受け継いでいます。
真島は自分が何者なのか覚えていませんが、新旧の仲間たちとの出会いや再会、海賊としての冒険と真島自身のドラマが絡み合い、真島を一人前のボスへと成長させていきます。その中で、父親としての苦悩や、愛する者を守ることと自由を与えることの葛藤、そして「男とは何か?」というシリーズの根源的なテーマにも触れています。

もちろん、コメディとしても文句なしに面白可笑しい一作です。キャラクターたちはどんなにナンセンスなシーンでも真顔で対応するので、それがまた絶妙に笑いを誘います。例えば、ある宝探しの最中、真島が巨大な熊と素手で殴り合うシーンで、熊のパンチを見た真島は、「クラシックなグリズリーの右フックだったな」と、ボクシング解説者のように分析します。
こんなシュールなギャグが圧倒的な物量で随所に散りばめられつつ、シリアスで胸が熱くなるような物語もバランスよく織り込まれています。
『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』は Xbox One、Xbox Series X|S、Windows PC で本日 2025 年 2 月 21 日 (金) より発売中です。本作は「龍が如く」シリーズの中でも特に一風変わったゲームであり、まるでおかしな夢のようなマッドな体験を提供しつつ、シリーズのコアスピリットをしっかり受け継いでいる傑作です。
今から真島と一緒に大海原の冒険へ漕ぎ出せるのが楽しみです!
現在、無料の体験版がダウンロード可能ですので、気になった方はぜひプレイしてみてください!
※この記事は米国日時 2 月 20 日に公開された “Like a Dragon: Pirate Yakuza in Hawaii is a Swashbuckling Spectacle With Unexpected Heart” を基にしています。