『DOOM: The Dark Ages』のストーリーとサンドボックス ミッション、ロボット戦やドラゴン戦を体験

シリーズ 3 部作の第 3 弾となる『DOOM: The Dark Ages』を先行体験するにあたり、それなりに高い期待値がありました。違いはありますが、『DOOM (2016)』と『DOOM: Eternal』でこのゲームの基礎は築かれていたからです。この前日譚のストーリーと新しい中世 SF 的な美学によって、これまでとはちょっと異なる文脈になるかもしれないと思いつつも、id Software が何を用意しているのか、ある程度はわかっているような気でいました。

それが 3 時間後、私の期待はまるでアラクノトロンの肉片のように、木っ端みじんとなって吹き飛びました。

『DOOM: The Dark Ages』は、最近の id Softwar作品の中核をなす特徴である、手に汗握る戦闘、グラン ギニョール劇場のような素晴らしい演出美学、銃声に負けない耳をつんざく音楽をそのままに、『DOOM』というものを想像の遙か彼方に押し上げた完成度となっていたのです。

『The Dark Ages』の 4 つの異なるセクションをプレイすることができ、それぞれが異なる側面を見せてくれて、『The Dark Ages』がいかにワイルドであるかがわかりました。それぞれのセクションを順番に説明しましょう。

ストーリー ミッション


「ヒーローになる前、彼は神々と王たちの武器だった」

『DOOM: The Dark Ages』のオープニングで表示されるテキストにはそう書かれています。それは、このゲームにとって最高にかっこいいミッション ステートメントです。ゲームの序盤をプレイするだけで、その意味をいくつか感じとることができます。

このセクションでは、『DOOM』の最も馴染み深い形が披露されました。カットシーン (本作にはストーリーのためにカットシーンが追加されました!) では、デーモンに苦しめられた惑星アージャント ドヌール、そして疑わしいほど慈悲深い天使族メイカー、そして地獄のような脅威に立ち向かうために捕らえられたお馴染みの主人公が登場します。そこでショットガンとシールドを手渡され、ドゥーム スレイヤーが最も得意とすることをするように命じられます。

慣れるまでは、という条件付きではありますが、おなじみの感覚なのですぐに理解できるでしょう。ステージは相変わらず複雑に絡み合い、狭い通路や、俊敏な動きを活かせるよう設計された広々とした戦闘用アリーナまで、さまざまな場所が用意されています。銃はぞっとするほど強力で、特定の動きをすると体力や弾薬が回復するので、生き残るために戦う……という、攻撃こそが最良の防御である点はいつもどおりです。

しかし、さらに深く掘り下げていくと、『The Dark Ages』でどのように変化したかわかります。最もわかりやすいのがシールドでしょう。敵の攻撃が多くなり、避けるのと同じくらい攻撃をガードすることが必要となりました。しかし、これによって静的なゲームになったとは思わないでください。例えばブロックすることで、敵にシールド チャージして間合いを詰め広範囲のエリアに大ダメージを与えることができます。

さらにパリィはもっと優れており、特定の敵の攻撃には緑色のエフェクトが表示され、このときパリィを成功させると気絶させることができ、敵の防御を崩して強力な近接攻撃を与えるシールド チャージが可能となります。一部の戦闘では、パリィと攻撃のリズムが重要になっており、サイバーデーモンとの戦いを接近戦の殴り合いに変えます。それはとても爽快です!

しばらくすると、シールド ソーというさらに便利なアイテムが手に入ります。このシールドは、恐ろしく暴力的なキャプテン アメリカになったかのように投げることができ、弱い敵なら真っ二つに、大きな敵なら気絶させることができます。また、『DOOM』の古典的な秘密エリアを見つけるためにパズルを解くときにも使用します。

これでも新鮮味が足りないと感じるなら、アップグレード システムを紹介しましょう。これは昔ながらの RPG のステータス強化というよりも、地獄の軍勢に立ち向かうための選択肢の幅を提供することに重点を置いています。例えば、シュレッダー (レール スパイクを発射するフル オートマチック銃) を使って敵に弾薬を埋め込み、シールド ソーを敵にぶつけることで起爆させる能力を追加する、といったことができます。銃だけでなく、全体に新しい能力を追加できるのです。遠距離、近距離を問わず、すべての武器にアップグレード ツリーがあるので、どれほどすごいアップグレードが待ち構えているのかが見どころです。

これらをまとめると、『The Dark Ages』は「自分が超兵器になって戦う」というアイデアをどのように実現しているかおわかりいただけるでしょう。これは純粋なパワー ファンタジーであり、すべての敵を相手に一人で立ち向かう一騎当千のヒーローとして戦う体験を提供します。そして今の時点では、これは、超兵器がさらに巨大な超兵器に進化する前の話です。

メカ ミッション

『The Dark Ages』のトレーラーをご覧になった方は、巨大人型ロボットが登場することをご存知でしょう。アトランと呼ばれるこのメカは、地響きを立てて戦場に踏み込み、地獄最大の脅威に立ち向かいます。そして実際には、徒歩での体験を新しいものに変えるものなのです。

予想通り、『DOOM』でのアトランは、戦闘としては遅い動きですが、かなり強力というアプローチが採用されています。アトランは主に近接戦闘を得意とし、基本攻撃では巨大なデーモンにパンチを繰り出し、コンボ メーターを溜めることで、2 つの特殊技であるスタンニング ストンピングかノックアウト ブロウのいずれかを繰り出すことができます。

敵の攻撃を一発でも食らうとコンボ メーターがゼロに戻るので、攻撃と回避のバランスを取る必要があります。パリィ システムでおなじみのリズムで、攻撃を続けるためにはできる限り回避する必要があります。

そして、このすべてに慣れてきた頃、軌道投下でエンパイア ステート ビルほどの大きさのミニガンが届けられ、ステージの終わりに狂気じみた華やかさが加わるのです。最高にバカバカしいでしょう!? メカは、『The Dark Ages』のメイン ディッシュにおける付け合わせのようなものです。通常の歩行戦闘を補完するもので、場違いにならないギリギリの感覚で違和感なくミックスされています。

ドラゴン ミッション

ここでさらに予想外の展開となりました。次のミッションでは、サイバネティックなドラゴンを召喚し、重火器を装備したサドルに飛び乗り空へと舞い上がりました。このセクションでは、デーモンの艦隊から攻撃を受けている空中都市を守り、4 隻の空母を撃墜することが目標です。

あなたのドラゴンは回避装置とアフターバーナーを装備しており、自由自在に空を飛び回る獣で、思いのままに操縦することができます。巨大ロボットのように巨人を倒すのに十分な強さを備えていますが、その方法はかなり異なります。敵をロックオンした後、その周囲を旋回することができます。基本攻撃のダメージは少量ですが、回避行動が成功するごとに砲撃能力がチャージされ、敵を気絶させることができます。そして最後には、ドラゴンが恐ろしいフィニッシャーを繰り出すのです。

最初は、これはアトランのような別の楽しみがあり、異なる種類の戦闘を提供する手段であるように感じられます。しかし、旗艦になるとさらに踏み込んだものになっています。

各艦は特定の方法で撃破する必要があります。まず、ドラゴンの動きで様々な砲台を破壊し、その後にシールド ジェネレーターを破壊することで、着陸地点が開きます。右スティックをクリックするとドラゴンが着陸し、ドゥーム スレイヤーが飛び降りると、各艦が徒歩で進むための小さなステージであることがわかります。艦内の内部を縦横無尽に突き進み、中にいるデーモンを倒しながら艦のエンジンへとたどり着きます。このエンジンにシールド チャージを行って艦を破壊し、爆発の中をスカイダイビングしながらドラゴンに戻り、同じことを繰り返します。

この飛行と歩行のゲームプレイの組み合わせが、信じられないほど素晴らしい楽しさをもたらします。各艦はその構成を変えているので、単調なパターンに陥ることはありません。次に紹介するセクションがなければ、『DOOM』においてドラゴンが最も革命的な変化だったと紹介していたかもしれません。

サンドボックス ミッション

このセクションで、『The Dark Ages』は完全にその期待を裏切ります。先行体験版の最後 (かつ最長) のセクションでは、id software が考えるサンドボックス型オープン ゾーンに放り込まれ、好きなようにアプローチするよう指示されます。私の唯一の目標は、デーモンを吐き出す 5 つのポータルを閉じるということですが、それをどのように行うか、またどのような寄り道をするかは完全に私次第です。1 時間のあいだ、私は『DOOM』のゲームをこのような形でプレイしたことは一度もないと何度も思い知らされました。

期待通り、このサンドボックスのシーケンスには、さまざまなオプションの目標が用意されています。強固に防御された大砲を破壊したり、アップグレードに使える金塊を集めたり、その他にもさまざまな目標があります。ある場面では、どこかへ向かって走っていると、大聖堂ほどの大きさの触手が地面から飛び出し、攻撃を受けました。これは、あらかじめ決められたものでもなく、与えられた目標でもなく、ただ道中でいきなり出てきた隠された要素のひとつで、とても驚きました。

コアとなる目標自体にも驚きがあります。最初のストーリー ミッションでは、ポータルを閉じることは単にアリーナをクリアするだけの話でしたが、この場合はまったく同じではありません。あるポータルでは、私はダンジョンに移動させられます。そこではエネルギー源を見つけるためにパズルを解く必要があります。また別のポータルでは、敵のリーダーは一定数の信奉者を倒すまでは攻撃を受け付けない無敵状態であり、これに勝利すると永続的なアップグレードが手に入ります。ゲームを進めていくと、新しい銃を見つけ、装備を絶えず拡張し続けます。このシステムは休む間もなく、容赦なく独創的で、まるで id software が『DOOM』シリーズに新しいアイデアを取り入れる機会を待っていたかのようです。

そして、これこそが『DOOM: The Dark Ages』の先行体験から得た最大の収穫でした。これは『DOOM』そのものへの情熱だけでなく、『DOOM』がどのような存在になり得るかの熱意に満ちあふれた開発者の姿勢を感じさせます。新しいストーリー、新しい銃、新しいデーモンを期待していましたが、新しいジャンルまで加わるとは思いませんでした。このチームが他にどんな驚きを用意しているのか、今から待ちきれません。

『DOOM: The Dark Ages』は、Xbox Series X|S、PC (Xbox アプリ、Steam、Battle.net)、PlayStation 5、Xbox Cloud Gaming (Beta) で 2025 年 5 月 15 日に発売予定です。Game Pass なら発売初日からプレイ可能です。

※この記事は米国時間 3 月 31 日 に公開された“DOOM: The Dark Ages – Going Hands-on with Story, Sandboxes, Mechs, and Dragons”を基にしています。