リマスターで蘇る『トニー・ホーク プロ・スケーター 3+4』の色褪せない魅力

10 代の頃、クルマの運転やギターの奏法など、さまざまなことに挑戦しましたが、その中で唯一、不可能にも思える山として立ちはだかっていたのがオーリーというスケートボード トリックでした。練習を重ね、何度もこぶを作ったり擦りむいたりして、ようやくできるようになったものです。そこからショービットに進み、ときどきマニュアルも成功させ、階段の上からのオーリーで着地できるようになり、縁石でグラインドもできるようになりました。しかし、キックフリップは今でもコツをつかめないままです。

スケートボードは、忍耐力や “根性” など多くのことを私に教えてくれましたが、その中には周りの世界を違った視点で見るということもありました。普通の人には何もない駐車場に見えても、私には縁石グラインドのポイントが無限に見えたのです。「あの階段はオーリーで下りられそうだ」「あのレールは絶対無理」といったように。

「トニー・ホーク」シリーズはまさにこれで、実在するロケーションからインスピレーションを得て作り込まれてパークが用意されており、周囲の環境を調べながら自分だけのランを組み立て、夢のようなトリックをくり出せるようになっています。7 月 11 日に Xbox Series X|S、Xbox One、Xbox PC 向けに発売予定で、Game Pass でも発売初日からプレイ可能になる『トニー・ホーク プロ・スケーター 3+4』では、シリーズ史上もっとも精巧なパークの数々が、私たちを再びあの世界に連れ戻してくれます。全体的なクオリティとプレイアビリティが大幅に向上し、これまで以上に楽しいゲームに仕上がっています。

開発元の Iron Galaxy は、じつに見事にこのゲームを蘇らせるという偉業を成し遂げました。Foundry (ファウンドリー)、Canada (カナダ)、Los Angeles (ロサンゼルス)、Suburbia (サバービア)、College (カレッジ)、San Francisco (サンフランシスコ)、Alcatraz (アルカトラズ) といったロケーションが一から作り直され、この上なく美しく生まれ変わりました。Foundry で溶けた金属が音を立てるピットの上でレール グラインドしたり、San Francisco ではウォーターフロント沿いにある世界屈指のスケート スポットが (ざっくりと) 再現された場所を滑ったり、Suburbia で幽霊屋敷をアンロックするといった奇抜な要素さえも、相変わらず最高です。これらはすべて、「トニー・ホーク」シリーズの名作だけでなく、スケートボードの世界へも多大なオマージュが捧げられています。

『トニー・ホーク プロ・スケーター 3+4』では、新たに「Waterpark (ウォーターパーク)」というパークが登場します。モハーベ砂漠を舞台にしたこのロケーションは、トニー・ホークとその仲間たちが幼少期に忍び込んではスケートボードをしていた、廃墟となったウォーター パークを直接インスパイアしています。間もなく伝説となるこのスケート スポットは、Iron Galaxy がいちから手掛けた非常に楽しいロケーションで、さまざまなプールの側面を攻略したり、ユニークなチャレンジ (アーケードの電源復旧など) に挑戦したり、巨大なウォーター チューブを滑り降りたりと、さまざまな楽しみ方ができます。ボウル状のスライダーをグラインドしたり、曲がりくねったウォータースライダーを滑走したり、すり鉢状のスライダーでループを決めたりと、どれも挑戦しがいのあるものばかりです。

実際のスケートボードと同じように、「トニー・ホーク プロ・スケーター」をプレイするにはある程度の練習が必要です。たとえるなら車輪の付いた格闘ゲームと言ってもよく、アナログ スティックを特定の方向に押しながらボタンを押すことで、さまざまなトリックをくり出せます。これらのトリックをいくつか繋げるとスペシャル メーターが溜まり始め、より高度なトリックに挑戦し、多くのポイントを獲得できるようになります。転倒するとメーターはリセットされます。

9,000 ポイント以上のコンボを繋いだのに着地をミスしたときなどは、かなりツラいものがありますが、幸いボードに戻るのは瞬時にできるので、次のコンボを決め始めることができます。個人的には、レールをグラインドしながらフリップ トリックを決めてスコアを稼ぐすのが一番楽しいのですが、ハーフ パイプでのバーチカル系のチャレンジは今でも苦手で、完璧を目指して日々精進しています。グラフィックも操作性もこれだけ素晴らしければ、何度チャレンジし直すことになっても全然構いません。

着地トリックは、楽しさのほんの一部に過ぎません。各パークには、S・K・A・T・E の文字をすべて見つけるといった収集要素から、パーク中に仕掛けられた過激なジャンプの着地、観客をハラハラさせるものまで、さまざまなチャレンジが散りばめられています。どのパークにもやることが大量にあり、プレイヤーを飽きさせません。また、トニー・ホーク本人によるナレーションでゲームの遊び方を丁寧に解説してくれる、詳細なチュートリアルも用意されています。初めてプレイする方はもちろん、遊び方を復習したい方もぜひチェックしてみてください。

『トニー・ホーク プロ・スケーター 3+4』には、現実のスケーターと同様の特性を持つ、膨大な数のプロ スケーターが登場します。たとえば、バートの達人であるトニー・ホーク (Tony Hawk) は、驚異的なスピン コントロールで凄まじいエアーをくり出すことができます。かたや、かつて驚異的なフリップ トリックを披露したロドニー・ミューレン (Rodney Mullen) であれば、それらのトリックを遥かに素早く決めることができます。

ゲーム内で自分のプレイスタイルに合ったレジェンドを見つけることが、本作を攻略するための第一歩です。個人的には、全体的にバランスの取れたステータスを持つエリック・コストン (Eric Koston) が扱いやすく、ほとんどのパークでどんなアプローチでもそれなりに上手くこなせました。堀米雄斗、ライッサ・レアウ (Rayssa Leal)、ノラ・ヴァスコンセロス (Nora Vasconcellos) など、新進気鋭のスケーターも多数登録されているので、自分のアプローチに合ったスケーターがきっと見つかるはずです。今回の体験版では利用できませんでしたが、製品版では自分だけのスケーターを作成する機能も用意されています。

「トニー・ホーク」シリーズはスケートボードの世界への入り口であるだけでなく、パンク ロック、ハードコア、メタル、ヒップホップ シーンにまたがる多くのアーティストのショーケースでもありました。音楽はつねにスケートボードと切り離せないものであり、多くのミュージシャン自身もスケートボードと関わり合ってきました (例としてイアン・マッケイ 〈Ian MacKaye〉 がすぐに思い浮かびます)。本作のサウンドトラックも例外ではなく、Motorhead (モーターヘッド)、The Faction (ザ・ファクション)、Gang of Four (ギャング・オブ・フォー) のような過去のゲームに登場したアーティストに加え、Idles (アイドルズ)、Thee Oh Sees (ジー・オー・シーズ)、Fontaines D.C. (フォンテインズ DC) といった近年のオルタナティブ ミュージシャンも織り交ぜられ、公園でスケートボードをしながらヘッドフォンで聴くような感覚で自然に融合しています。

『トニー・ホーク プロ・スケーター 3+4』は、スペシャル メーターを溜めながら理想的なランを考え出したり、豪快なコンビネーションを発見し、ときには「いったい今のはどうやったんだ?」と自問したりと、コアとなるゲームプレイのループが今なお新鮮で遊びごたえがあるところが気に入っています。トリックをうまく決められるようになるまで何度もトライしたくなる根気があるゆえに、もっとプレイしたくなるし、7 月 11 日に発売予定の製品版が待ちきれません。

トニー・ホーク プロ・スケーター 3+4』は、 Xbox Series X|S、Xbox One、Xbox PC 向けに Microsoft Store にて現在予約受付中で、スマート デリバリー、Xbox Cloud、Xbox Play Anywhere に対応しています。Microsoft Store で『トニー・ホーク プロ・スケーター 3+4 – デジタルデラックスエディション』を予約すると、3 日間の早期アクセス、ドゥーム スレイヤーとレヴナントのプレイアブル スケーターとテーマ別のスケート デッキ、スケーター作成の限定アイテム、追加楽曲のサウンドトラックが手に入ります。さらに、予約購入者と Game Pass メンバーは「トニー・ホーク™ プロ・スケーター™ 3+4 – Foundry体験版」もいちはやくプレイできます。

[Xbox Wire Japan 編集部追記] 日本の堀米 雄斗 氏を含む、追加スケーターの詳細は、『トニー・ホーク プロ・スケーター 3+4』日本公式サイトのこちらの記事をご覧ください。また、Tony Hawk’s Pro Skater の公式チャンネルでは、堀米氏の特別インタビューも公開されています。

※この記事は米国時間 2025 年 5 月 8 日に公開された “Tony Hawk’s Pro Skater 3 + 4 Remastered Makes Me Feel Young Again” を基にしています。