『インディ・ジョーンズ/大いなる円環: 巨人の教団』DLC – 初体験レポート

こんな文章を書くことになるとは思ってもみなかったのですが――バチカンの秘密を探るのに、私は “非常に” 長い時間を費やしました。そして、同様のことをしていたのは、私だけではありませんでした。

昨年の『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』の発売以降、MachineGames がインディの冒険のために用意した大理石のホールや謎めいた部屋に、プレイヤーたちが夢中になっているという話をよく耳にしていました。(インディ・ジョーンズの) ゲームとして初の本格的なオープン エリアであれば、そこに隠されたすべてを目にしたいという衝動は至極当然なものですが、それだけが理由ではありません。

世界でも有数の名所が再現され、そこが秘密で満たされることで、親しみやすさとファンタジーが絶妙に調和し、「大いなる円環」のバチカン部分には、オリジナル映画の本質ともいえる面白さを捉えた素晴らしい雰囲気が生まれているのです。

インディ・ジョーンズ/大いなる円環: 巨人の教団』DLC の一部をプレイしてわかったのは、私のようなバチカン好きは、最初に「大いなる円環」本編を楽しんでプレイしたとき以上に、さらに楽しめるということです。

「バチカンのような場所では、経験値や能力のアップグレード以上のご褒美を用意したいとつねに考えていました」と、リード ゲーム デザイナーのジーク ヴィラント (Zeke Virant) 氏は話します。「細部までこだわった環境と世界のリアリティこそが、このエンターテイメントの重要なカギです。システィーナ礼拝堂内を舞台にした壮大なセット ピースがなくても、十分に楽しめるとは思います。しかし、システィーナ礼拝堂はもとから素晴らしい場所であり、本作ではそれをリスペクトしようとしています。プレイヤーが、システィーナ礼拝堂のありのままの姿に感動できるように、です」

「DLC の舞台をローマにしたのは、あらゆる種類の探索に適した、本物の空間を作っていくための手法のひとつです。解き明かすべき秘密が隠されているように感じられ、興味を惹かれると同時に、迷い込んでしまうほど細部まで作り込まれている場所といえば、多くの方がローマを思い浮かべるでしょう」

「ネタバレは避けますが」とクリエイティブ ディレクターのアクセル トルヴェニウス (Axel Torvenius) 氏は付け加えます。「バチカンは、ゲーム本編のバックストーリーの多くにおいて非常に重要な場所なので、物語の観点からもこのロケーションを選ぶのは理にかなっていました」

「巨人の教団」は、ゲーム本編の出来事の渦中に展開する長編の新クエストです。本編をクリアーしていなくてもプレイ可能で、こちらを先にプレイしても本編のネタバレにはなりません。本編をクリアー済みの場合は、バチカンへファスト トラベルするだけで開始できます」

「私たちはいつも、今あるストーリーラインと物語性をより深く掘り下げる方法について考え、アイデアを練っていました。その可能性を探る一案として、ストーリー DLC の追加がありました」とトルヴェニウス氏は説明します。「プレイヤーには、インディが『大いなる円環』でくり広げる魅力的な冒険について、より深く知ってもらいたいと考えています。このゲームには、本編のキャンペーンでは語り尽くせなかった多くの物語的な深みがありますが、「巨人の教団」のストーリーは絶対に逃したくなかったものです。この DLC は独立した章であり、非常に複雑なサイドミッションのように楽しめると同時に、本編のキャンペーンの体験と理解も深めるものです。私たちにとって、これはまさに Win-Win の関係なのです!」

エリアを探索していくと、新たなキャラクターであるリッチ神父 (と、おしゃべりなペットのオウム) に出会うことができます。彼は、長らく失われていた教皇の秘密の手がかりを発見したと信じています。巨人にしか似合わない伝説の騎士の兜が、バチカンの未完成部分の地下に埋まっているかもしれないというのです。もちろん、インディにとっては抗えないほどの衝撃です。

すぐに問題の建物にたどり着き、周囲にいる黒シャツの警備要員たちをこっそりとすり抜けたり、倒したりして、冒険が始まります。そして、「巨人の教団」は手加減しません。思いのほか豪華な装飾が施された広間に巨大な蛇の像が飾られており、すぐに新しい巨大な謎解きに直面することになります (インディの嘆き節が聞こえてきそうです)。

詳しいネタバレは避けますが、これは水の流れを操る複数段階の謎解き (本編とは異なる種類の謎解き) で、その複雑さにも妥協はありません。いわゆる脳トレのようなパズルで、本編に登場するほとんどのパズルよりも解くのに時間を要しますが、決してストレスが溜まるものではありません。

難易度は、MachineGames にとって重要な懸念事項でした。彼らは、新規プレイヤーがゲームを進めながら自然にコンテンツを楽しめるようにすることと、本編をすべてクリアーした後に戻ってくるプレイヤーも満足できるものにするというバランスを取るために、巧妙な解決策を考案しました。

「いつ『巨人の教団』をプレイし始めても、プレイヤーに一貫した手ごたえを感じてもらえるようにすることが重要です」とヴィラント氏は説明します。「そこで、この DLC では敵の難易度を調整する新しいシステムを実装しました。これは本編のストーリーの進行度に基づくもので、プレイヤーがストーリーを進めているほど、DLC の敵もより強くなるのです」

「そして本編と同様に、『巨人の教団』の謎解きは、さまざまなプレイヤーとその好みに対応できるように設計されています。謎解きの全体的な難易度は、本編と同じように調整することができ、少しだけ手助けが欲しいプレイヤーは、インディのカメラを使って段階的にヒントを得ることが可能です」

しかし、この DLC は謎解きに特化した拡張コンテンツではありません。水の難問を突破すると、地下に隠された巨大な遺跡へと放り込まれ、古代の機械や崩れかけた石造物、そして頼れる鞭を駆使して移動する、冒険プラットフォーム ゲームへと変貌します。タイトルにある巨人と橋の上で遭遇し、その橋が足元で崩れ落ちるシーンなどは、まさに往年の「インディ・ジョーンズ」の映画のセット ピースを彷彿とさせます。

DLC の方向性を決定づけているのがこれで、この拡張コンテンツでは、ワイルドな新機能を追加することよりも、コアとなるゲーム体験をさらに発展させることに重点が置かれています (ただし、新たなタイプの敵が登場することは明言されており、戦闘好きには嬉しいところです)。

「バランス的、コンテンツ的にこの DLC をゲーム本編のミニチュア版のようなものにするために、本編を徹底的に再検証しました」と、トルヴェニウス氏は語ります。作り込まれたシネマティック、新たな敵、新たなロケーション、セット ピース、緊張感とどんでん返し、そして終盤に隠されたサプライズ。本物の「インディ・ジョーンズ」の冒険に必要なすべてが詰まっています! 本編全体を振り返って最高の瞬間をピックアップし、本当にうまくいった部分をさらに発展させることができたのは、ある意味、幸運であり、贅沢な体験でした」

「巨人の教団」は、地下を探検するだけのゲームではありません。この拡張コンテンツでは、すぐにバチカン市国を離れて 1930 年代のローマの街路へと足を踏み入れ、デジタルな旅を楽しむことができます。本編のストーリーにまつわる謎に新たな背景が加わり、邪悪な目的のために暗躍するカルト集団が登場します。また、新たなボート セクションや、壮大な宮殿を舞台にした謎解きも登場します。

まとめると、この DLC は単に新しい要素を付け足すのではなく、既存のゲームをより深く掘り下げる手法であると言えます。これはストーリーについても同様です。

「『巨人の教団』では、ネフィリム会の謎と、バチカン内外でのその歴史により深く迫ります」とヴィラント 氏は話します。「この DLC では新たな秘密のエリアと新たな敵が登場し、独立した章でありながら、物語の中心となる部分にさらなる深みをもたらします。本編のストーリーでお馴染みのキャラクターも登場します」

「これは独立した新たな冒険ですが」とトルヴェニウス氏は付け加えます。「本編のトーンや雰囲気に完璧に馴染むようにすることが、私たちにとってつねに最優先事項でした。『大いなる円環』で展開される壮大な冒険のシームレスな延長線上にあるのです」

本作の背後にある哲学は明確です。もしあなたが私と同じように、『大いなる円環』を終えて「もっとプレイしたい」と思っていたなら、『巨人の教団』はその願いを叶えてくれます。博士の自慢の、あの帽子を頭にかぶるのは、二度目も同じくらい心が踊るものです。

※この記事は米国時間 2025 年 8 月 21 日に公開された “Indiana Jones and the Great Circle: The Order of Giants DLC – First Hands-on” を基にしています。