概要
- 近日発売予定の『Call of Duty: Black Ops 7』に登場するマップの制作過程について、Treyarch デザイン ディレクターのマット スクロンス (Matt Scronce) 氏とシニア プロダクション ディレクターのエール ミラー (Yale Miller) 氏に話を伺いました。
- Treyarch は、プレイヤーの自然な学習を促す “3 レーン” のマップ設計思想に従い、「Call of Duty」シリーズで非常に緻密かつ魅力的なマルチプレイヤー マップを作り上げてきました。
- 『Call of Duty: Black Ops 7』は、 Xbox Series X|S、Xbox One、Xbox on PC、ROG Xbox Ally ハンドヘルド デバイス、Xbox Cloud、Battle.net、Steam、PlayStation 5、PlayStation 4 向けに 2025 年 11 月 14 日に発売予定です。Xbox Play Anywhere に対応し、Game Pass Ultimate と PC Game Pass で発売初日からプレイ可能になります。
「遮蔽物となる箱は大事です」
これは先日の「Call of Duty: Next」で、デザイン ディレクターのマット スクロンス (Matt Scronce) 氏とシニア プロダクション ディレクターのエール ミラー (Yale Miller) 氏が話した際に、筆者が特に気に入った発言のひとつです。同配信では、近日発売予定の『Call of Duty: Black Ops 7』に登場するマップの制作過程や、適切に配置された (箱などの) 遮蔽物がマップ全体の流れのバランスをとるためにいかに重要であるかについてじっくりと語られました。
長年にわたり、Treyarch は「Call of Duty」シリーズで「ニュークタウン」をはじめとした非常に緻密かつ魅力的なマルチプレイヤー マップを数多く生み出してきました。マップ制作の秘訣のひとつに、それらのマップが “3 レーン”、すなわちふたつのサイド レーンとひとつのセンター レーンで両陣営のスポーン地点を繋ぎ、プレイヤーが自然に学習できる流れを作り出すという設計思想が挙げられます。Treyarch は長年をかけてこの手法に磨きをかけており、近日登場する「Black Ops 7」のマルチプレイヤーでもその進化を見ることができます。
「すべてのレーンに意図がなければなりません」とスクロンス氏は説明します。「たとえば、このレーンに建物などの強いポジションがある場合、恐らく反対側にも強いポジション、別の建物などが必要になると思います。日本が舞台の新マップのひとつ「都心」はその好例で、路地を見下ろすふたつの強いポジションがあります。路地そのものは少々危険なため、そこでは動き続けると同時に、味方に正面の両側を警戒してもらいたいと感じるはずです」

最初にも触れましたが、バランスの取れたレーンを作るには遮蔽物の配置も重要な要素であるとスクロンス氏は話します。「遮蔽物がないと無防備です。ゴミ箱でも木箱でも岩でも、その遮蔽物を使って戦えるとしたら、相手側にも別の遮蔽物を用意して、真正面から交戦できるようにしたいですよね」
先日の『Call of Duty: Black Ops 7』マルチプレイヤー ベータでの「都心」の体験は、スクロンス氏の説明の多くを裏付けるものでした。ビルに挟まれた街路――街中を舞台にしたどのマッチでも、そこが両陣営入り乱れる最大の危険地点のひとつであると感じました。路地裏や店舗、アパートなどを通って自然と両陣営がそこに集まっていくのです。本作のマルチプレイヤー マップのひとつひとつに、チョーク ポイントやレーンほか、さまざまな要素を考慮した膨大な手間がかかっていることは明らかです。マップを「完成」としてリリースするタイミングを見極めるのは、さぞかし難しいことでしょう。
「難しいですね。開発チームはどのマップにも思い入れがあり、いつまでも調整を続けたいと思っていますから」とミラー氏は語ります。「だからこそ、ベータのような取り組みが私たちにとって非常に重要なんです。チームやコミュニティ全体がマップ上でどのようにプレイしているか、じっくりと観察できますから」
Treyarch がマルチプレイヤー マップをリリースする準備が整ったと感じられるまでには、開発チームによりスタジオで膨大なプレイ テストが行われます。それは、プレイヤーに最大限楽しんでもらえるマップ、すなわち公平でバランスが取れており、平均的なプレイヤーが学習して上達でき、マップ全体を見渡せるような唯一の強ポジションや搾取スポットが存在しないマップを作り上げたという確信が得られるまで続けられます。
「もうひとつの大きな課題は視界です」とミラー氏は付け加えます。「屋内、屋外、視線の方向など、膨大な作業が必要になります。たとえば、建物の裏に誰かが隠れていて、そこに通路を見下ろす出入り口がある場合、反対側にいる人は彼らを見ることができるか? そこを通り抜ける道は理にかなっているか? さらに、視覚効果や追加の遮蔽物といった要素を重ねていくたびに、視界も変化していきます。何かを整えながら問題のある箇所を探すのは、まるで木を削りながら、できるだけ滑らかに仕上げていくような作業です。何度プレイを重ねても、大きな欠けやくぼみが見当たらなかったら、かなりよい状態にあると感じるのです」
「Call of Duty」シリーズは、「ハイジャック」や「キャリア」など非常に見栄えがするマップが登場してきたことでも知られますが、それらの魅力のひとつに、視覚的なランドマークがしっかりと配置されていることがあります。数マッチでマップに自然に馴染めるだけでなく、プレイヤーがスポーン時に “今どこにいるか” を把握できなければなりません。それによって味方に自分の位置を知らせ、助けに来てもらうことができるからです。
「だからこそ、ベータが私たちにとって非常に大事なのです」とミラー氏は語ります。「私たちが検討している箇所があったとして、コミュニティの反応はどうか? ベータ後には確実にマップに変更が加えられます。今回もすでに開発チームでは議論していますね」
「これはデザインとプロダクション (制作) 間の話し合いです」とスクロンス氏は付け加えます。「デザインに任せていたら、(マップ作りは) 終わりませんから。「Call of Duty: Next」の配信中、オフィスに戻って配信を見ていたレベル デザイン ディレクターと話していたら、『あ、これは直したほうがいいかも……』と言われたんです。私たちは、プレイヤーからのフィードバックを基に、すでに実装されているマップに変更を加えることもよくあります。時間があり、マップがよくなると感じたら、その変更に全力を尽くすんです」
「Black Ops 6」のマルチプレイヤーを際立たせている要素のひとつに、プレイヤーがマップ内を移動するための新たな手段「オムニムーブメント」の導入があります。360 度全方向へのダッシュ、スライド、ダイブを可能にするこの機能は、ここ数年のマルチプレイヤーの中でも、非常に大きな変化をもたらしたと言えます。「Black Ops 7」では、オムニムーブメントの改良版に加え、ウォール ジャンプが新たに追加され、マッチにおける高低差の概念やスピードがさらに増しています。マップの制作に際し、これらの新しい特徴的なゲームプレイ要素はマップ構築のどの段階で影響してくるのでしょう? 最初の構想からなのか、それとも制作の後半なのか?

「両方あり得ると思いますが、通常は最初から考えます」とスクロンス氏は語ります。「たとえば、ベータにあった「ブラック ハート」のようなマップには、グラインド ピットを飛び越えるためにウォール ジャンプを使う場所があります。ですので、新しいメカニクスは当然検討されます。すべてがうまくいくのは、全員が同じ目標を意識し、それに向かって進んでいるときだと思います。実際にプレイしてみて『ああ、ここでこんなことができたら面白いのに……』と思うマップもあります。ウォール ジャンプを使う場所ではないかもしれないけれど、もしかしたらこっそりと活用できるかもしれない。『ここでジャンプできるよ』とベニヤ板を置いておき、開発チームが形を整えていくこともあります」
「さまざまなマップを検討したり議論しているときは、紙でのデザインが始まる前から“そのマップの意図”を考えるんです」とミラー氏は付け加えます。「広いマップにしつつ、接近戦もできるようにするのか? その意図は? たとえば、側面攻撃ルートを探して動き回るようなマップにしたいのか、それとも優れた遮蔽物を見つけて陣取り、真っ向から撃ち合うようなマップにしたいのか、といった感じです」

すべてのマップを同じようにプレイしたいプレイヤーなどいません。要は、オムニムーブメントやウォール ジャンプといった新機能を取り入れるかどうかではなく、各マップの個性を際立たせるためにどう活用できるかということです。
「デザインに関しては、ベータからも学ぶことがあります。当然、コミュニティはマップを上手く使う想定外の方法を編み出しますので……私たちは調整を加えるわけです」とミラー氏は言います。
前述の通り、Treyarch は先日実施された「Black Ops 7」マルチプレイヤー ベータから得られた重要な知見を基に、ローンチに向けて主要な改善とアップデートの実装を開始していることを明らかにしています (ベータ パッチノート参照 ※英語サイト)。そのひとつには、「Black Ops 7」のマルチプレイヤーでは、スキルの考慮が最小限に抑えられるオープン マッチ メイキングがデフォルトとなることがあります (ベータでテストされた「オープン モッシュピット」と同様です)。また、プレイヤーたちがマッチ間により繋がれるように注力していることや、ロンチ時には常駐ロビーが利用可能になる予定であることも述べられています。これらの詳細と確定した変更点は、数週間以内に発表される予定です。
最終的に、マップが競争的で公平、かつ楽しいものになるようにすることは、開発チームが制作において絶えず追求する理念の一部であるとスクロンス氏は語ります。
「日がな『ニュークタウン』に籠もるにせよ、夜通しランク マッチにふけるにせよ、どちらの陣営にいても公平な戦いだったと感じて終われるようにしたいんです」
『Call of Duty: Black Ops 7』の発売を目前に控え、Treyarch は長年にわたって最高クラスのマルチプレイヤーを作り上げてきた経験のすべてを最新の「Call of Duty」に注ぎ込んでいます。開発チームの輝かしい実績と、私たちが最近ベータでプレイした内容から判断するに、今年のマルチプレイヤーは間違いなく最高のものになりそうです。11 月 14 日が待ち遠しくてたまりません。
『Call of Duty: Black Ops 7』は、 Xbox Series X|S、Xbox One、Xbox on PC、ROG Xbox Ally ハンドヘルド デバイス、Xbox Cloud、Battle.net、Steam、PlayStation 5、PlayStation 4 向けに 2025 年 11 月 14 日に発売予定です。Xbox Play Anywhere に対応し、Game Pass Ultimate と PC Game Pass で発売初日からプレイ可能になります。
※この記事は米国時間 2025 年 10 月 27 日に公開された ““Every Lane Needs a Purpose” – How Treyarch Crafts Multiplayer Maps for Call of Duty: Black Ops 7” を基にしています。