アクション RPG の中でも、最高の瞬間を味わうために厳しい試練を課すゲームと言えば、まずは「モンスターハンター」シリーズが挙がりますが、「モンスターハンターストーリーズ」シリーズもその例外ではありません。最下位ランクのモンスターに挑み、何度も打ちのめされながらも攻略法を学んで、ようやく倒したらすぐ拠点に戻り、倒したモンスターの素材で新しい武器やかっこいい防具を作って次は少しだけ強いモンスターに挑む……ということを繰り返します。その戦いは厳しいものですが、そのぶん得られる達成感は大きなものです。「モンハン」の真髄は、その奥深いシステムをより理解しようとする者にこそ開かれています。
『モンスターハンターストーリーズ 3 ~運命の双竜~』は、冒頭から「これまでと少し違うぞ」と強く印象づけてきます。実際にプレイを始めた最初の 1 分で、私が操作する主人公のライダー (ハンターではありません。その説明は後ほど) は断崖を猛スピードで駆け下り、崖端から飛び降りたところでオトモン (ライダーのパートナー) であるリオレウスに空中キャッチされ、そのままきらめく湖の上を滑空していく――これは私がこれまで見てきた「モンハン」作品の中でも屈指の美しさを誇る導入部であり、プレイヤーに「さあ、この威厳ある生物を操ってみろ!」と投げかけてきます。今回のリオレウスは、討伐すべき敵ではなく、仲間として登場します。これは『モンスターハンターストーリーズ 2』の冒頭――リオレウスのタマゴを抱えて歩き回る展開――とは対照的です。今回の導入部分は、本編シリーズのスピンオフという立場から抜け出しし、独自の面白さを証明しようとする並々ならぬ気概が伝わってきました。

新たな物語の幕開け
「モンスターハンターストーリーズ」シリーズは、本編シリーズの伝統的な高速で容赦ない三人称視点アクションを捨てて、ターン制バトル システムを採用しています。これは『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』、『ポケットモンスター』など、モンスターがたくさん登場する名作 RPG の流れを汲むものです。モンスターを討伐する「ハンター」ではなく、モンスターと絆を結んで共に戦う「ライダー」として、相棒のモンスター (オトモン) たちと冒険を繰り広げます。
3 作目となる本作は、『~ストーリーズ1』と『2』の出来事から長い年月が経過した世界が舞台となっています。主人公は冒険の舞台となる国「アズラル」の後継者です。序盤のストーリー ミッションで、隣国「ビュリオン」の王女エレーヌと出会い、行動を共にします。両国は戦争寸前の状態にあり、プレイヤーは両王国の要求をどう解決し、いかにして争いを止める方法を模索することに。その一方で、石化現象と呼ばれる現象が生態系を脅かし、モンスターを凶暴化させ、中には絶滅の危機に追い込まれる種も現れ始めています。

主人公は、モンスターの生態を調査し、その保護を目的として結成されたライダーのチーム「レンジャー」の一員でもあります。王族としての責務とレンジャーとしての使命のあいだで葛藤する主人公の姿は、前作よりもシリアスで力強い物語を紡ぎ出しています。もちろん、過去作のストーリーを知らなくてもまったく問題ありません。そのまま世界へと飛び込みましょう。
アズラルの世界
冒険の舞台は、『モンスターハンターストーリーズ 3』で初登場のエリアです。物語の起点となるアズラルは活気に満ちた広大なエリアで、まるでジブリ作品を彷彿させるかのような自然が広がっています。ゲーム開始時には、基本的な移動をすぐ可能にするオトモンが揃っているのも嬉しいポイントです。相棒の「レウス」は無限に飛び続けることはできませんが、上昇気流に乗って高度を稼ぐことで、長距離を素早く移動することが可能です。フィールドではモンスターが自由に徘徊しており、戦うか見過ごすかはプレイヤー次第となっています。
本作のターン制バトル システムは、基本的には非常にシンプルで理解しやすいものです。ジャンケンのグー、チョキ、パーのような三すくみ (パワー、テクニック、スピード) で、どの技がどれに勝つのかが決まっています。特筆すべきは前作よりチュートリアルが格段に充実している点でしょう。モンスターの攻撃タイプや属性攻撃といった詳細なメカニズムや、いつ戦略を切り替えてくるかという行動パターンの兆候も、しっかり学べるようになっています。ただし、手厚いガイドがあるからといって簡単だと勘違いしてはいけません。ターン制の見た目とは裏腹に、緻密に設計されたシステムが機能しており、あらゆる戦闘において万全の準備が求められます。実際に私も、ストーリー ミッションを進める中で、「あと1ミッションだけなら強引にいけるだろう」と高をくくった結果、遭遇した新たな「凶異モンスター」にあっけなく叩きのめされました。このゲームは、じっくりと時間をかけて世界を探索し、オトモンをレベルアップさせ、しっかりと戦略を練ることが確実な勝利への近道となっているのです。

世界にはモンスターの巣が点在しており、そこに卵が隠されています。これが新たなオトモンを収集する主な手段であり、何が手に入るかは毎回のお楽しみです。レアな卵が入っている巣もあれば、複数の卵が入っている巣もあります。中には、あなたが持ち去ろうとする卵を守るためにモンスターが飛び出してくることもあるでしょう。この仕組みは前作から引き継がれたものですが、少なくとも序盤ではよりシンプルに表現されています。曲がりくねった洞窟の迷路を走り回る必要はありません。モンスターに見つかるまえにサッと立ち去るだけです。これも新規プレイヤーにとってスムーズな体験を提供するため、システムをうまく整理した一例と言えるでしょう。
生態系の管理
卵を集めれば集めるほど、厩舎にいるオトモンの数は増えていきます。これまで同様、不要なオトモンを野に帰すことができますが、本作ではさらに優れた新システム「里孵し」が導入されています。
これにより、意図的に特定のモンスターを特定のエリアの生態系に組み込むことで、そのエリアの生態を変化させることができます。例えば、ゲーム序盤のエリアでリオレイアを放つと、付近を探索することでリオレイアの姿を見かけるようになります。さらに多くのリオレイア放つとそのエリアにおける生態系ランクが上昇し、より強力な卵を見つけられるようになるのです。これまでは強力な卵が見つかるかどうかは純粋な運任せでしたが、本作ではお目当てのモンスターが住みやすい環境を整えることで、実質的に強力な個体を設計できるようになりました。これはじつに見事な仕組みで、プレイヤーの戦略的な思考を実現してくれるのと同時に、「自分の大好きなモンスターを強化したい」という願いも叶えてくれます。

さらにモンスターは変異する可能性もあり、より強力な亜種が誕生することもあります。実際に私がリオレイアを野に放ち続けたところ、リオレイア亜種 (桜火竜) が解放され、さらにランクをあげていくことでプレイ開始からわずか数時間のうちに、その種の最強形態である「紫毒姫リオレイア」を解放することができました。
それだけではありません。本作では生態系がモンスターの属性にも影響を与えるという、シリーズ初の刺激的な新要素が加わっています。ゲーム序盤で、私は緑色で二属性を持つアンジャナフを発見しました。特徴的な火属性攻撃に加え、予想外の雷属性の能力まで繰り出す個体だったのです。モンスターたちの本質的な魅力を損なわず、これほど興味深い進化を遂げさせている点には驚かされます。独自のアイデンティティや愛らしさを保ちつつ、本編である「モンスターハンター」シリーズの持つ奥深さに肩を並べるほど進化したのです。本作はまさにそんな一歩を踏み出したと感じさせてくれました。

本作をもって、『モンスターハンターストーリーズ』はもはやメイン シリーズの風変わりな親戚のような存在ではなくなりました。これはひとつの作品として見事にデザインされた本格的な RPG です。鮮烈な新世界と、冒険の幕開けから明確な目的を与えてくれる新たな物語となっており、もはやあなたは世界をさまよう名もなきライダーでも、また別の伝説の影に隠れる存在でもありません。あなたは一国の後継者であり、名高いライダーであり、「私はここにいる。準備はできている」ことを体現するレンジャーなのです。そしてその姿は、このゲームそのものを体現しているかのようです。
『モンスターハンターストーリーズ 3 ~運命の双竜~』は Xbox Series X|S 向けに 3 月 13 日に発売されます。
本作が発売されるまでのあいだは、Xbox Series X|S 向けに好評配信中の『モンスターハンターストーリーズ 1+2 ダブルパック』をプレイしておきましょう。
※この記事は米国時間 2 月 12 日 に公開された“Monster Hunter Stories 3 is Ready to Step Out of the Shadow of the Mainline Series” を基にしています。