『Minecraft Legends』の PvP モードが新たなアクション ストラテジー体験を実現する 5 つの工夫
Mojang Studios と Blackbird Interactive が手掛ける『Minecraft Legends』は、Principal Design Director のクレイグ リー (Craig Leigh) 氏によると、「普通のストラテジー (戦略) ゲームではない」そうです。先日、Xbox Podcast に出演したリー氏は、本作 (Xbox Series X|S、Xbox One、Windows PC、Steam、Nintendo Switch、PlayStation 4|5で日本時間 4 月 19 日発売予定) がストラテジー ゲームというジャンルに取り入れた独創的な工夫について、いろいろと解説してくれました。
「『思っていたゲームと違う。これはアクション ゲームだ !』といったことをよく言われるのが嬉しいですね」と、彼は話します。
複数のジャンルを融合させる場合、それを上手く機能させるために新しいアイデアが求められますが、とりわけ、先月の Developer_Direct で紹介された『Minecraft Legends』の 4v4 PvP モードでは、そのような工夫がなされています。開発者たちは複数の方法を考え出し、斬新な工夫によって PvP を革新させた点について、リー氏が話してくれました。
ファストトラベル
ストラテジー ゲームとは必ずしも結び付かないものですが、『Minecraft Legends』では、敵を倒すために必要なさまざまな活動をプレイヤーがバランスよく行えるように、ファスト トラベル (瞬間移動) システムを導入しています。基地の建設が重要な要素である一方、プレイヤーはラウンドに勝つために冒険し、探索し、資源を集め、敵を攻撃する必要もあります。そのため、基地を守るべき時には簡単に帰れるようにしました。
「ですので、もし皆さんが自分の基地から離れた場所にいるときに、基地が攻撃を受けていることを知ったら、ファスト トラベルが可能です」とリー氏は説明します。「『もう間に合わない!』と慌てふためいて走っている人を見たくなかったので、マップを開いて自分の基地をクリックすれば、「ヒュン」と一瞬で帰れるようにしました」
ファスト トラベルができるのは、プレイヤー キャラクターだけではありません。「自陣にいるときに攻撃を受けた際も、スポーン地点に移動してユニットを呼び出したり、ワールドの外で何もしていないユニットをすぐに自分の基地に呼び戻したりできます」と、リー氏。「『石ゴーレムは一体どこに?』と探し回る必要はなく、守備に呼び戻すだけでいいのです」
PvPvE
『Minecraft Legends』では、プレイヤーはラウンド中に多くの活動を行うことになりますが、NPC もなかなか忙しく動き回っているようで、うまく利用すれば相手の基地を破壊するための手助けになることもあるようです。
「本作で一番驚かれるのは PvP だと思いますが、PvE の要素も少し入っているんです」と、リー氏は明かします。「PvP にはピグリン (ストーリー キャンペーンに登場する敵) も登場し、マップの上を自由に行動します。PvP モードは昼と夜のサイクルで進行するのですが、ピグリンは両方のチームを攻撃し、さらに時間帯が夜であれば、より激しく襲い掛かります。そこで、「ピグリンが攻撃してくる夜間のタイミングに合わせて作戦を練り、ピグリンたちが壁を壊して敵の本拠地に侵入するのをあえて待つ」といった戦略が生まれます。敵チームだけでなく、ピグリンも駆け引きの相手になっているわけです」
Ping システム
資源を共有しながら様々な活動を行い、さらに複数の前線での攻撃を支えるためにも、『Minecraft Legends』の PvP では、コミュニケーションが重要な鍵となります。ありがたいことに、開発チームはそのための絶妙な手段も用意してくれています。
「Ping システムもあるんです」と、リー氏は話します。「資源を共有するため、協力は本当に重要になります。そこで、Ping システムで『レッドストーン ランチャーを作りたい』と言えば、チームは『よし、レッドストーンを貯めよう』と同意が返って来ます。あるいは、『石炭が欲しい!』と言えば、『よし、石炭を貯めよう』、といった具合です。ボイス チャットを使うのもいいですが、資源をチームで共有する以上、基本的な指図をより簡単に伝えられるような仕組みを取り入れたかったんです」
試合時間
ストラテジー ゲームをやり込んでいる人であれば、非常に長い時間をかけて膠着状態を脱しながら勝利を目指す、といったマルチプレイヤー対戦の遊び方にも慣れていると思います。『Minecraft Legends』は、同様の体験を、より遊びやすい試合時間の中で提供することを目標としており、自動生成されたマップで、プレイするたびに新鮮な体験が楽しめるようになっています。
「非常に苦労したのですが、試合時間は 20 分から 30 分に収まるように設計しています」と、リー氏は話します。「奇襲を仕掛ければもっと早く勝てるかもしれませんし、両チームが石垣や巨塔で砦を作ることにしたら、もう少し長くかかるかもしれません。戦略次第といったところもあります」
「ただし”14 日間にわたるブルーチーム包囲網” のような状況を起きやすくしたくないので、長い試合でも 30 分程度で終わるように、入念にバランスを調整しています。古い考えかもしれませんが、昼休みの合間や昼食を食べたりしながら 2 試合くらい遊べるようにしたかったのです」
クロス プラットフォーム対応
元来、ストラテジー ゲームは PC の独壇場ですが、『Minecraft Legends』はすべての主要ゲームプラットフォームで同時に発売される予定です。そのため、誰とでも、どのプラットフォームでも遊べるだけでなく、特定の機種で遊ぶことで不利にならないように配慮されています。
「どのプラットフォームでプレイするかに関係なく、できるだけ多くのプレイヤーが一緒に遊べることが、真に重要だと考えたんです」と、リーは明言しました。
「どこで遊ぶかを問わず、発売日には、どのプラットフォームでも、まったく問題なく PvP で遊べます。その際、キーボードとマウスでプレイしても、コントローラーでプレイしても、有利不利がないように設計しています。このゲームはFPS ではないですし、クロス プラットフォームで遊ばれる以上、それが本当に重要だと考えたので、それを意識したゲーム デザインになっています」
そして、プラットフォームや地域を超えた膨大な数のプレイヤーが一緒にプレイするということは、開発者でも予想できないような PvP の戦略が生まれてくるということです。
「特に、PvP で皆さんが考え出すとんでもない戦略を見るのが楽しみですね」と、リー氏は締めくくりました。「開発側がすべて考え尽くしたと思っていても、必ず思いもよらないようなことをやってみせるプレイヤーが現れるからです。私たちが PvP で勝てるのは (発売後) 1 時間くらいで、その後は皆さんが考え出した新しい戦略にコテンパンにされるのでは、などとチーム内でもよく話しています」
『Minecraft Legends』は、Xbox Series X|S、Xbox One (Xbox Game Pass で発売当日から提供)、Xbox Cloud Gaming (Beta)、Windows PC (PC Game Pass で発売当日から提供)、Steam、Nintendo Switch、PlayStation 4|5 で日本時間 4 月 19 日に発売予定です。
※この記事は米国時間 2023 年 2 月 7 日に公開された “5 Ways Minecraft Legends Twists PvP into a Brand New Action-Strategy Experience” を基にしています。