『アーマード・コア VI ファイアーズオブルビコン』 はメカ ゲームを再構築して、新たなスケールを目指す

アーマード・コア VI ファイアーズオブルビコン』は、「シリーズのリブート」というよりも、いろんな意味で「シリーズの再構築」と言えます。『アーマード・コア V』発売から 11 年の間に、開発元のフロム・ソフトウェアはニッチなゲームを作る会社から、ワールドワイドのゲーム シーンにおける中心的存在のひとつへと成長しました。こうした背景から、本作は『AC』シリーズに新しいファンを堂々と誘導する試みがあるように思えます。本作は以前よりもずっと輝きを増していますが、フロムならではの高難易度メカ アクションが好きなのであれば、ある意味お馴染みの内容のようにも感じられるかもしれません。

自分好みにアセンブル (カスタマイズ) した機体で敵がたくさんいるアリーナに進み、敵の小型ロボットや大型のボス、同じような装備をした敵メカを圧倒し、資金や材料を集めて新しい武器や手足と内部パーツを移植し、より効率的にゲームを進行させていきます。

しかし、ゲームをプレイし始めて最初に気づいたのは、高速エレベーターから発射されるインダストリアルなメカ デザインについてではなく、見逃すことができないほどのそれを取り巻く世界でした。少なくとも私にとっての本当の変化は、その圧倒的なスケール感です。『ELDEN RING』のような真のオープン ワールドはないけれど、『アーマード・コア VI』には、あのゲームのような不思議な感覚がありました。

私が見たミッションは、広大な工業施設「グリッド086」を占拠している敵派閥「RaD」の拠点に潜入するというものでした。何十階もある巨大な工場は、見る者を驚嘆させます。その他、焦土と化した砂漠や氷の洞窟、都市全体といった他のレベルも見ることができました。この工場施設でのミッションは、巨大な空間の中で戦いを制していくことにあるようです。

これまでの『AC』シリーズにおけるミッションは、目的地から目的地へ移動することに重きを置いていましたが、本作では選択肢の要素を取り入れています。「グリッド086」は入り口が 1 つではなく、どのように進むか選択できるようになっています。正面のゲートに向かい、群がる警備メカを倒すのもいいですし、スラスターを使ってもっと高いところにある秘密の入口に行くのもいいでしょう。これはホンの一例で、もっとたくさんの入り口があるはずです。

そういった選択肢の追加は、全体として戦略のレベルを広げるものになっています。『AC』シリーズの核心は、軽快な近接攻撃、歩く砲台、ミサイル ランチャーを搭載したモンスター メカなど、常に自分が戦いたい仕様に合ったメカをアセンブルすることができる、という点にあります。自分なりの方法で各レベルにアプローチできることは、選択の可能性を深め、自分だけのメカを輝かせることができます。

しかし、アセンブルは両極端です。フロムの『ソウル』シリーズでは、キャラクターを作り上げたらそのキャラ特有の長所をうまく使いこなすことに挑戦することが多いようですが、『アーマード・コア VI』 ではもう少しの柔軟性を求めているようです。デモ映像では、強い敵が短い剣とライフルのコンボでさまざまな近接攻撃でプレイヤーを倒していくのが見えました。その後、チェックポイントからセーブ データをリロードして戦場に戻るのではなく、一度アセンブルのメニュー画面になって、新たにメカを組み直すことができるようになっていました。より効率的なダッシュをするために脚部を交換し、敵を効率的によろめかせるために肩に装備されていたミサイル ランチャーをフル装備の大砲に換装して、再度出撃します。

一度はこの敵に負けましたが、次の戦いではできるだけ敵の動きを封じつつ、危険な近距離攻撃がきたらダッシュで回避する、という設計思想が組み換えた装備によって具体化しました。『アーマード・コア VI』では、「やってみよう、またやってみよう」ではなく、化学実験のように、相手を倒せる正しい配合を見つけるまで、材料をいじり続けることが求められます。

『アーマード・コア VI ファイアーズオブルビコン』は、シリーズ ファンとして、とても期待しています。この作品は私が見逃していた『アーマード・コア』の基本的な部分と、それらを現代のゲーム機向けに肉付けした新しいアイデアが巧みにミックスされているように感じられました。

アーマード・コア VI ファイアーズオブルビコン』は、 8 月 25 日に Xbox Series X|S および Xbox One 向けに発売されます。

※この記事は米国時間 6 月 14 日 に公開された “Armored Core VI Fires of Rubicon Brings Mech Remixing to a New Level of Scale” を基にしています。