
『SAND LAND』はこれまでの「漫画原作によるゲーム化」とは一線を画す
Summer Game Fest 2023 で『SAND LAND』が発表され、そのジャンルが「アクションRPG」であると聞いたとき、まったく違うゲームを想像していました。30 分ほどゲームを体験して、これは典型的な漫画やアニメのゲーム化とは違うものだと確信しました。
「ドラゴンボール」の作者であり、ポップでスタイリッシュなイラストでも有名な鳥山明先生の漫画をベースにした『SAND LAND』は、魔王の王子という呼び名とは裏腹に、思いやりの心を持ったベルゼブブの物語を描いています。人間や悪魔などが暮らすこの世界では、水の供給が底をつき、残りのほとんどは貪欲な国王によって買い占められています。ベルゼブブの目的は、国王を倒して乾燥した世界に水を取り戻すことです。
今回プレイした内容は、荒れ果てた砂漠の町から広々とした探検可能なエリアを横切り、太陽が照りつける崖っぷちを通り抜けて、放浪する盗賊や恐竜の群れが住む隠しルートへと入って……という内容でした。徒歩で砂漠を歩き回ることもできますし、小型ジープで疾走することもできます。そのジープで目的地まで行けますが、道中にいる盗賊の戦車を盗んで、それに乗っていくこともできます。
一般的なRPGとは異なる──という点は、アクション部分にも反映されています。ギアやスキル ポイントを獲得していくスタイルですが、アクションは流れるようにスムーズです。乗り物からの戦闘は、主に軽攻撃と重攻撃の2種類があり、そこに魔法攻撃やダッシュを組み合わせることで、さまざまな効果を連鎖させることができます。戦闘では囲まれることが多いので、相手を倒すのと同じくらい回避行動や距離感を意識しなければなりません。スピード感が増すのは乗り物での戦闘で、これは本作に不可欠な要素だと感じました。道中、徒歩で倒してきた通常種よりはるかに大きな恐竜に出くわしましたが、戦車 (もちろんこの戦車は盗んだもの) の高火力弾ならすぐに倒せそうでした。私がゲームをプレイしている間にはたどり着けませんでしたが、本作には乗り物のカスタマイズが用意されています。徒歩から乗り物への戦闘切り替えは、ゲームの進行における重要なカギになってきそうです。
漫画をできるだけ忠実に体験できるよう、原作にある様々なアイデアをゲームに入れ込みながら、テンプレートに当てはまらない新しい体験を感じることができました。『SAND LAND』において最もエキサイティングな要素は、まるで予測できない展開と言えるでしょう。『SAND LAND』は Xbox Series X|S で発売予定です。
※この記事は米国時間 6 月 22 日 に公開された “Sand Land Isn’t the Manga Adaptation You Expect” を基にしています。