『オーバーウォッチ 2』×『カウボーイビバップ』コラボの裏側

『オーバーウォッチ 2』と『カウボーイビバップ』、近未来を舞台にした 2 つの作品が新コラボ イベントで共演! Xbox Series X|S 対応タイトル『オーバーウォッチ 2』に、スパイク スピーゲルやフェイ ヴァレンタインを始めとする『カウボーイビバップ』シリーズのキャラクターたちが、キャスディやアッシュ用のスキンとして登場します。賞金稼ぎとしてクールに、そしてスタイリッシュにキメる彼らの姿は、両作品のファン必見です。
今回はコンセプト アーティストのダナ リーとアリソン ユーに、キャスディ用スキン「スパイク スピーゲル」とアッシュ用スキン「フェイ ヴァレンタイン」のデザインの裏側と、『カウボーイビバップ』と『オーバーウォッチ 2』の世界を融合していった経緯について聞いていきます。


『カウボーイビバップ』のコラボ スキンを作った感想は?


ダナ リー: とても興奮しました。私は『カウボーイビバップ』のファンで、スパイクのことが大好きだったので、このプロジェクトに関わることができて光栄でした。作品のことが好きすぎて、このプロジェクトに関わらせてほしいとチームにかなりアピールしたくらいですから。実際にプロジェクトへ取り掛かる前に、アニメ全 26 話と劇場版をもう一度観直しましたが、長い年月を経て観ると、より一層興奮するものですね。エピソードが終わるたびに、画面に歓声を送っていました。

アリソン ユー: 私は平成アニメ黄金期の大ファンなんです。『カウボーイビバップ』もその 1 つです。今回のコラボの話を聞いて、真っ先にアッシュの「フェイ」スキンを作らせてほしいと頼みました。フェイは、私の大好きな林原めぐみさんが声をあてた、クールで素敵なキャラ。フェイの性格はアッシュにピッタリでした。フェイとアッシュのデザインを融合できる機会をもらえて、とても幸せです。


コラボ スキンを制作するにあたり、参考にした『カウボーイビバップ』の要素は?


ダナ リー: スパイクの衣装を再現することが、私の目標でした。コラボ スキンのコートは、TV シリーズ最終話でスパイクが着ていたものを参考にしています。ガジェットのデザインには、当時のアニメに漂うレトロな雰囲気を取り入れました。武器のデザインは「ソードフィッシュII」がモチーフになっています。スパイクの特徴をさらに掴むために、彼が登場したすべてのシーンを分析、記録し、背景に描かれるレトロ スタイルなアートも秒単位で研究しました。

アリソン ユー: フェイのヘア スタイルと性格はアッシュにとても馴染みましたが、問題はボブのスキンをどう変えていくかでした。フェイは執事を持つアッシュと違い、誰かを引き連れることが普段ないので、ボブの立ち位置に合うものを探していく必要がありました。チームと話し合いを重ねて行きついた意見が、「レッドテイル」をボブにしたら素敵なのでは、というものでした。


『カウボーイビバップ』と「オーバーウォッチ 2」を融合するうえで大変だったことは?


ダナ リー: スパイクの要素を、そのエッセンスを保ちつつ『オーバーウォッチ』に溶け込ませる……このバランスを見極めるのが大変でしたね。スパイクの衣装はとてもシックでクールですが、そのまま『オーバーウォッチ 2』に取り込むと、シンプルになりすぎてしまうんです。各要素の重ね合わせと調整の際にクリッピングの不具合が発生して、一部要素をゲームに反映できなかったこともありました。この問題は大きな壁となりましたが、幸い技術チームとモデリング チームの助けもあり、なんとか解決できました。

アリソン ユー: 先ほどのとおり、ボブのデザインが一番難しかったですね。「レッドテイル」のデザインをボブに取り込むといっても、最初はデザインのディテールが頭に浮かんでいませんでした。上下衣装を用意して、ボブらしさを大きく残すのか、それとも「レッドテイル」のデザインを大きく反映するのか…といった構想を繰り返し練ることになりました。結局、ボブのデザインを「レッドテイル」に可能な限り似せて、より丸く無機質にする方向で落ち着きました。普通のボブと違って衣装がないということもあり、ボブのスキンとしてはかなり個性的になったと思います。

私と一緒にこのスキンの制作に取り組み、サポートしてくれたアート リードのダリル タンには、この場を借りて感謝したいです。ボブの案が固まるまで、彼は多くの時間をこのプロジェクトのフィードバックに割いてくれました。本当に感謝しています。


『カウボーイビバップ』のお気に入りのシーンやエピソードは?


ダナ リー: 私は登場人物の過去を描いたエピソードが特に好きですね。フェイの過去編は大のお気に入りです。 初めて観た時は涙がこぼれました。フェイがかつて家族と暮らしていた家やその部屋をきっかけに記憶が徐々に蘇っていく様には、胸が締め付けられます。記憶が少しずつ蘇っていくにつれて大きくなっていったであろう心の痛みに、私は深く共感するばかりでした。彼女がコールド スリープ前に関わっていた人間は、もう自分のそばにはいないという事実が判明した時は驚きましたし、胸にこたえました。

アリソン ユー: 私のお気に入りのエピソードは、エドが初登場する第 9 話「ジャミング・ウィズ・エドワード」ですね。エドが仲間に加わったおかげで、ビバップ号内の雰囲気がもっと明るくなったように感じます。エドがアインと一緒にいるシーンは、いつ観ても楽しいです。


ファンに注目してほしいスキンの小ネタなどは?


ダナ リー: 実は、キャスディがスパイクのスキンで被っているハットは、アンディ フォン デ オニヤテのハットを参考にしたものです。彼がスパイクと西部劇風の決闘で決着をつけて、最後にスパイクへ自分のハットを被せる回を参考にしました。あと、キャスディの腰にぶら下がっているのは、「ソードフィッシュII」のキーだったりします。機体の操縦にも使うあのキーがスキンにも付いていれば、きっと面白くなるではと思って加えました。『カウボーイビバップ』のファンも『オーバーウォッチ 2』のプレイヤーも楽しんでいただけるよう、こうしたディテールを作っていきました。スキンの製作過程の中でも、ディテール作りはとても楽しかったですね。

アリソン ユー: フェイのスキンには、特定のエピソード限定で出てくる彼女のアクセサリーが、ところどころに取り入れられています。たとえば、サングラスは第 3 話「ホンキィ・トンク・ウィメン」のものを、イヤリングは第 5 話「堕天使たちのバラッド」のものを参考にしています。あと、ボブのレッドテイルとしてのディテールには注意をかなり払いました。ヘアバンドや頭の形、色に至る細部まで、実際のレッドテイルに可能な限り合わせています。

『オーバーウォッチ 2』×『カウボーイビバップ』のコラボ イベントの開催期間は 3 月 26 日まで。キャスディ用「スパイク」、アッシュ用「フェイ」、マウガ用「ジェット」、ソンブラ用「エド」のレジェンダリー スキン 4 種類を『オーバーウォッチ 2』のショップで購入できます。また、Xbox Series X|S で『オーバーウォッチ 2』のオンライン マッチを重ねて、イベント チャレンジをクリアすれば、レッキング ボール用のレジェンダリー スキン「アイン」などの新報酬が手に入ります。