『Super Meat Boy 3D』3 次元で “肉迫” するアクションへ: Sluggerfly が懐かしさと新しさを両立させた工夫とは

Super Meat Boy 3D』を開発中の Sluggerfly CEO、ドミニク プラスマン (Dominik Plaßmann) です。
Super Meat Boy』は、インディー開発チームが何を成し遂げられるかを示してきた、先駆者であり、象徴であり、ロールモデルです。小さな奇妙なゲームが、大きなインパクトを与えられることを証明しました。このゲームは音楽でいうパンクロックそのものでした。ハイテンポで、荒削りで、独特のユーモアと奇妙なキャラクターたちが登場したのです。

2008 年に Flash ゲームとして始まったこの作品は、2010 年にはインディー界隈のサクセス ストーリーの代名詞となり、多くのゲーム開発者の道を開き、インスピレーションを与えました。そして今、その刺激を受けた後世の開発者たちも、自らのサクセス ストーリーを語っています。だからこそ、私たち 7 人の小さなインディー開発チームである Sluggerfly が、このフランチャイズの次なる作品『Super Meat Boy 3D』を引き継ぐことになったのは、ごく自然なことだと感じています。

高い評価を得た 3D プラットフォーマー『Hell Pie』や、その歯ごたえのある操作性、奇抜で大げさなユーモア、そして「インディー魂」で称賛された『Ben and Ed』シリーズを開発したチームとして、『Super Meat Boy 3D』の開発に携わり、Team Meat のトミー レフェネス (Tommy Refenes) 氏と緊密に協力できることは、大変光栄で、刺激的な日々を送っています。

レフェネス氏は次のように語ってくれました。「数年前に『Hell Pie』をプレイして、とても気に入りました。Sluggerflyが 3D 版の『Super Meat Boy』に興味を持ってくれたらと願っていたのです。驚いたことに、彼らは Meat Boy のファンで、『Super Meat Boy 3D』を手がける可能性を大いに喜んでくれました。その熱意は、彼らの仕事ぶりにはっきりと表れています。彼らが成し遂げた 2D から 3D への移行は、私が初めて『メトロイドプライム』をプレイしたときの感動に匹敵するものです。彼らは見事にやってのけてくれました。」

インディーゲーム界の伝説的な IP の一つに携わるチームとして選ばれたことは、信じられないほど身が引き締まる思いで、興奮すると同時に、大きなプレッシャーも感じていました。このブランドの価値を損なうことなく、どうすれば革新性をもたらせるだろうか、と。

私たちのゲームは、そもそも『Super Meat Boy』が 3D プラットフォーマーとして成立するのかを探るプロトタイプから始まりました。これまで 2D でしか存在しなかったフランチャイズにこれほど大きな変更を加えるにあたり、Meat Boy のゲームを Meat Boy たらしめる核心部分を失わないことが極めて重要でした。この 3D への変換で特に顕著な違いが現れたのは、カメラの動き、奥行きの感覚、そして操作性でした。スピードと動き、そのどちらも犠牲にすることなく、3D で本当に再現できるのか? 3 次元になるということは、必然的にあらゆる要素の複雑性が増します。

管理すべき「カメラ (プレイヤーの視点)」があり、理想を言えば、それが操作の邪魔になってはいけません。3D ゲームではプレイヤー自身がカメラを操作することも多いですが、Meat Boy のハイスピードな動きでは、その手法はうまくいかないとすぐに分かりました。ダイナミックカメラやプレイヤーが操作するカメラでは、Meat Boy に求められるスピードについていけなかったのです。それは解決策となるどころか、より多くの問題を生んだため、複数の選択肢を試した結果、カメラを固定し、スピードと動きそのものに、より集中できるようにしました。

3 次元化がもたらす複雑性の増加という点では、プレイヤーの感覚にも課題が生じます。うまく工夫しなければ、すべてがキレを失い、どこかフワフワしたように感じられてしまうのです。プロトタイプ制作期間があったおかげで、チームは水平方向の動き、特にトレーラーでもあったように、多用される壁走りの実装に取り組み、そしてより広い意味で、プレイヤーが自分の位置と動きを完全にコントロールできていると感じられるような移動方法の実現に時間を費やすことができました。

『Super Meat Boy 3D』がシリーズの魂を捉え、体現するためには、タイトで反応性の高い操作性が不可欠です。キャラクターの動きに対するプレイヤーの知覚と密接に関わるのが、操作性そのものです。プレイヤーのあらゆるアクションは、垂直方向だけでなく水平方向にも発生するようになりました。空間的な奥行きが加わることで、正確さや状況認識の感覚が失われがちです。これを防ぐため、私たちはプレイヤーの自由度と、操作を補助する仕組みとの間でバランスを取る方法を構築しました。3D では正確さを維持するのが格段に難しくなるため、角度を固定したり、移動方向を制限したりといった小さなルールを設けることが非常に役立ちます。

そのひとつが、開発の途中でトミーが提案してくれた、スティックによる 8 方向移動です。これにより操作に有用な骨格が加わり、動きの予測がつきやすくなると同時に一貫性が生まれ、ハイスピードでステージを駆け抜けるような操作に対応できます。また、ステージに関しては、当初の有機的なレイアウトではなく、ステージ設計全体を通して 45 度の角度を用いることが非常に重要だと分かりました。これは、特に高速で移動する際に、プレイヤーがキャラクターの動きを予測し、計画する助けとなります。プレイヤーがミスをしたときに、それがゲームのせいではなく自分のせいだと分からせるためのもう一つの工夫が、小さくも便利な「地面の円」の追加です。これは地面における現在位置を示すもので、特に Meat Boy が高くジャンプしている時や、足場から遠く離れている際に、空間認識を大いに助けてくれます。

Sluggerfly、Headup、そして Team Meat のメンバー一同、皆さんが慣れ親しんだ Meat Boy の新たなバージョンを楽しんでくれることを心から願っています。私たちは『Super Meat Boy 3D』において、シリーズの伝統に敬意を表することに心血を注ぐと同時に、それを大胆で新たな領域へと押し進めてきました。皆さんにプレイしていただき、Meat Boy が次にどこへ着地するのかを見届けるのが待ちきれません。

今すぐ Xbox Store で『Super Meat Boy 3D』をウィッシュリストに追加し、2026 年初頭に Xbox Series X|S および PC 向けにリリースされる際に、何度も何度も死ぬ準備を整えておきましょう。Game Pass では発売初日からプレイ可能です。

※この記事は、米国日時 6 月 9 日に公開された ““Meat” the Future in Super Meat Boy 3D: How Sluggerfly Balanced Nostalgia and Innovation ” を基にしています。