概要
- 一撃、受け流し、そしてフィニッシャーに至るまで、人間の身体を制御しようともがく AI「R.E.A.C.H.」の葛藤を反映した、シネマティックな演出に特化した独自の戦闘システムを体験してください。
- 丹念に手描きで制作されたドットアニメーションにより、従来のピクセルアートを超越したサイバーパンク スリラーの世界に没入しましょう。
- 『REPLACED』は Xbox Series X|S および Game Pass Ultimate にて好評配信中です。
『REPLACED』における戦闘システムの定義を始めたとき、私たちはあるひとつの言葉に立ち返りました。それは「重み」です。
多くのピクセル アート (ドット絵) ゲームでは、主人公は羽のように軽く、二段ジャンプを駆使したり時速 100 マイルの速さでダッシュしたりします。しかし、本作の主人公「R.E.A.C.H.」は、平均的な人間の体に閉じ込められた AI です。限界まで追い込んでも、そこにはつねに物理的な制約がつきまといます。だからこそ、本作の体験は地に足のついた、リアリティのあるものとなっているのです。
私たちは、いわゆるパワー ファンタジー (圧倒的な能力を持ったキャラクターが登場する物語) を避けたいと考えていました。R.E.A.C.H. にとって戦闘は決して楽しむものではなく、あくまで生き残るための手段であるというコンセプトを貫いたのです。そのため、戦闘において R.E.A.C.H. は目の前の脅威を倒すために最も効率的な方法を見出そうとします。
死の舞踊
私たちにとって大きなインスピレーションとなったのは、「バットマン: アーカム」シリーズでした。あの作品が戦闘をリズミカルでタイミング重視のダンスへと昇華させた手法に感銘を受け、その流れるような感覚を 2D 空間で再現したいと考えたのです。単なるボタン連打ではなく、戦術的な思考と状況判断が報われるようなゲーム体験を目指しました。
私たちは意図的に、R.E.A.C.H. の旅の始まりを少し「鈍く」設計しました。これはリスクを伴う決断でしたが、プレイヤーに彼の進化を肌で感じてほしかったのです。R.E.A.C.H. のアクティビティのアップグレードは、メイン クエストとサイド クエスト両方の重要なストーリーと連動しており、これによって機械学習の概念を自然に表現しています。つまり、R.E.A.C.H. が自身の身体や周囲の世界に慣れていくにつれ、戦闘はよりスムーズで奥深いものへとなっていきます。
すべては「ハクスリー ガン」を中心に展開します。これはフェニックスコーポレーション製の武器で、銃とバトン (警棒) の形態を切り替えて使うことができます。旅の途中で入手するガジェットとハクスリー ガンの機能を組み合わせることで、R.E.A.C.H. はやがて以下の主要な戦闘をマスターしていくことになります。
- 近接攻撃とゲージ: 資源が乏しい世界では、むやみに弾をばら撒くような真似はできません。近接戦闘にリアリティを持たせるため、ハクスリー ガンのバトン モードを武器として扱いました。攻撃を成功させるとモメンタムのゲージがアップし、その流れに乗れば乗るほどアクションの速度がアップしていきます。
- キネティック チャージ: 近接戦闘と遠距離戦闘の橋渡しとして、ステーションの皮肉なエンジニアである「ヨーヨー」が R.E.A.C.H. の銃にキネティック コイルを仕込みました。バトン モードの近接攻撃でエネルギーを溜めて、そのエネルギーで強力なチャージ ショットを放つという “攻めと溜め” の戦術的な循環が生まれます。
- プレシジョン カウンター: 「バットマン:アーカム」シリーズのリズミカルなパリィのように、敵に対して戦術的に使い分ける必要がある回避とカウンターを実装しました。ダメージを回避し、その場の勢いを掴むことで、戦況を一気に覆すことができます。
物語が進むにつれ、R.E.A.C.H. はより手強い脅威に遭遇することになるので、装備のアップグレードが必要となります。採掘用外骨格を身にまとった「ターマイト グラント」に対しては、装甲破壊用の強化版ピッケルが有効でしょう。近接戦闘を回避するスナイパーに対しては、ハクスリー ガンに内蔵されたデフレクト シールドが攻略の鍵となります。高度な訓練を受けたフェニックス コーポレーションの部隊を相手にするなら、ハイテクなショックウェーブ範囲攻撃のアップグレードで、敵陣を突き崩しましょう。敵の防御を粉砕し、隙を作った先にあるのは『REPLACED』の真骨頂である、手描きアニメーションによる独自のフィニッシャーです。

強烈で圧巻、そして達成感
ゲーマーや開発者仲間からよく聞かれるのが、「なぜ 3D モデルを使った簡単な手法ではなく、フレーム単位のアニメーションという複雑な方法を選んだのか」という質問です。答えはシンプルで、そのほうが圧倒的によく見えるからです。3D モデルで試作したときはどうしても質感が期待外れで、ノイズが多い仕上がりになってしまいました。私たちはゲームの世界に統一感を持たせ、すべてが独自のビジュアルを備えているようにしたかったのです。
フィニッシャーは、こうしたこだわりを象徴する集大成です。これらは単なる定型のアニメーションではありません。ゲームのあらゆる要素がこの瞬間に噛み合い、特定の感情を呼び起こすように設計されています。R.E.A.C.H. が「フェニックス トルーパー」を地面に叩きつけるときも、「ターマイト グラント」の武器を素早く奪い取るときも、独自のカメラワークとユニークなライティングの変化を駆使して、プレイヤーが自らのアクションと躍動感と衝撃を肌で感じられるようにしました。パリィのチャンスを逃せば、その一撃は痛烈なダメージとして今後の生存率に響くでしょう。逆にフィニッシャーを決めたなら、ゲームプレイ的にも視覚的にも、それに見合う達成感を感じられるはずです。
このアプローチにより、プレイヤーは常に感情のジェットコースターに乗っているような体験をすることになります。「危なかった!」という冷や汗から、「勝った!」という達成感まで、その振り幅を存分に味わってください。
エモーショナルな衝撃
戦闘と物語の融合は、私たちのチームにとって最大の課題のひとつでした。R.E.A.C.H. を取り巻く世界は、リアルで複雑かつ血の通ったものでなければなりません。このコンセプトを実現するには、独自のアニメーション、背景で交わされる会話、そして緻密な映画的演出が不可欠でした。しかしそのこだわりによって、ゲーム内のほぼすべての戦闘が、単なる作業ではない価値のあるものへと昇華されたのです。
ボス戦に関しては、戦闘前にプレイヤーの感情を揺さぶるための工夫があります。例えば、R.E.A.C.H. は「ターマイト」のリーダーであるベンと交渉し、最後まで平和的に問題を解決しようと試みます。しかし、ベンの執拗な態度によってプレイヤーは残酷な戦いへと追い込まれ、この冷酷な世界にさらなる暴力の連鎖が刻まれることになります。本作の主要な悪役の一人である「コミッショナー」の場合、ある時点でプレイヤーが「こいつを今すぐ、この手で仕留めたい」と切望するように仕向ける演出を徹底しました。もちろん、これは特定のキャラクターの運命にも影響を及ぼします。
つまり、私たちはプレイヤーを無理やり戦闘に引きずり込みたかったわけではありません。自らの意志で、強い動機と熱量を持って、戦いの渦中へと突き進んでほしかったのです。

今すぐ『REPLACED』を体験しよう
『REPLACED』は私たちにとって情熱を注いだ作品であり、技術的にも大きな挑戦でした。ようやくこうして皆さんに作品を届けられることを、心から誇りに思います。私たちは、ピクセル アート ゲームであっても、最新のシネマティックな体験に勝るとも劣らない「魂」と「重み」を持てることを証明したいと考えました。戦闘を含むゲームのあらゆる要素が、人間になろうとする機械の物語について少しでも多くを語れるよう、全力を注ぎ込みました。
『REPLACED』は、Xbox Series X|S および Game Pass Ultimate にて好評配信中です。
※この記事は米国時間 4 月 14 日 に公開された “Replaced – How Sad Cat Studios Crafted a 2.5D Combat System With a Cinematic Soul” を基にしています。