「Indie Selects」: ID@Xbox チームが選ぶ、個性が光る厳選 Xbox タイトル 5 作品!

夏がやってきました。ビーチブランケットを広げ、キャンプチェアを組み立て、バーベキューグリルの火を起こす――そんな季節にぴったりの、ID@Xbox チームおすすめの Xbox ゲームをご紹介します。素材にこだわったバーベキューのように、どれも個性豊かで味わい深いタイトルばかりです。

「Indie Selects」は、最近 Xbox で発売されたゲームの中から、Game Pass では遊べないものの、ぜひ注目してほしいタイトルを ID@Xbox チームが選出する月例企画です。今回は、5 月に発売された作品を対象に、チーム全員の投票によって選ばれ、米国では 6 月末に発表されました。

今回のラインアップには、海外ではまだ広く知られていないものの、日本ではすでに高い評価を得ている実力派タイトルも含まれています。ただし、規模の大小にかかわらず、独自のアイデアや挑戦が光る「インディー精神」あふれる作品であることから、ID@Xbox チームによって選出されました。それではご紹介します。

ファンタジーライフi グルグルの竜と時をぬすむ少女

『ファンタジーライフi グルグルの竜と時をぬすむ少女』は、生活シミュレーションと RPG、そしてタイムトラベルの要素が絶妙に融合した作品です。LEVEL5 が開発を手掛ける人気シリーズ「ファンタジーライフ」の続編となる本作では、14 種類の「ライフ (職業)」からひとつ選び、傭兵や王国兵士といった戦闘に特化した職業から、木こり、料理人、錬金術師といった採取や制作を得意とする職業まで、さまざまな道を歩むことができます (「ライフ」はゲームの途中からでも、好きなだけ変更できます)。そして最大の特徴は、単にレベルを上げるだけでなく、ふたつの時代を行き来しながら島を作り、復興していくという珍しい要素です。

私がハマったこのゲームの魅力は、なんといってもその圧倒的な自由度。一日中釣りだけをしてもいいし、もちろんダンジョンに潜ってもいい。朝に鎧を鍛え、夜にはケーキを焼くようなことも思いのまま。それぞれのライフには手応えと個性があり、好きなときに切り替えられるおかげで、どんなプレイスタイルでも縛られずに楽しめます。

システムの最適化や、ゲームの中の様々な仕様の効率的な組み合わせを研究するのが好きな私は、本作にすぐに引き込まれ、夢中になりました。それぞれのライフに独自のスキルツリー、装備、制作などの要素があり、それらが巧妙に連携し合っているのです。

たとえば、採掘師としてレベルアップすると希少な鉱石を集められるようになり、それを鍛冶屋として使用したり、売ったりすることができます。プレイヤーの負担にならない程度にマルチタスクをこなす楽しさが生まれ、気持ちのいいプレイサイクルが生まれていて、つい続けて遊びたくなります。

自分の村を作り上げ、さまざまな職業を試し、両方の時代に深く関わることで大きな満足感を感じられます。本作は、ある意味複数の欲求を同時に満たしてくれるようなゲームです。戦闘がしたければダンジョンを探索すればいいし、のんびりしたければ釣りに行ったり、「マイハウス」の装飾を楽しんだりできます。ゲーム進行は穏やかながらも充実感があり、プレイヤーを飽きさせないだけのストーリーが十分に用意されています。

ドラゴンクエストビルダーズ2』、『きみのまち ポルティア (My Time At Portia)』、『スターデュー バレー (Stardew Valley)』のようなゲームが好きな方には特に、本作のプレイ感や操作感はおすすめです。カジュアルで親しみやすい雰囲気でありながら、やり込みたい人のための奥深さも備えています。『ファンタジーライフi グルグルの竜と時をぬすむ少女』は、ただかわいらしいだけでなく、仕組みのひとつひとつが丁寧に作り込まれた、じっくり遊べる良作です – スティーブン アレン (Steven Allen)

30 Birds

2D テイストのナラティブなパズルアドベンチャーと、独自に創作された神話世界が融合した『30 Birds』は、ペルシャの美術と音楽をモチーフにした超幻想的な世界を旅する作品です。女神を正当な王座に戻すため、すべての鳥たちを探し出すのがプレイヤーの目的。少し肩の力を抜いて楽しみたいときには、勇敢な探検家兼ちょっと変わった探偵「ジグ」となって、賑やかで美しく、サイケなジオラマ風アドベンチャーを旅してみてはいかがでしょうか。

本作では、奇妙な住民たちがひしめく街が緻密なパネルで表現されており、それらを行き来しながら、「科学者」と呼ばれる謎の存在に囚われた女神シームルグの救出を目指します。科学と芸術の対立を描いた寓話のようにも思えますが、約 5 時間のプレイを通して私が心奪われたのは、祭りの賑わいと、作品全体に詰め込まれた美しい視覚と音の演出でした。

パズルに失敗してもペナルティはなく、何度でも挑戦可能。楽器をいじったり、落ちている羽根や絵を集めたり、不思議な住人と出会ってクエストをこなしたりしながら、夢のような世界で女神を元の場所へと導いていきます。ゆったりとしたペースが、プレイヤーを想像力に満ちたこの世界へとやさしく引き込みます。

ユニークなビジュアルと遊び心にあふれた会話が織りなす、夢のような物語体験。『30 Birds』は、あなたのゲーム ライブラリにそっと加えたい、静かで不思議な一作です。

Preserve

『Preserve』は、ゆっくりと時間をかけて美しいバイオームを作り上げるエコ テラフォーミング パズルゲームです。その特徴は、好奇心や思いやりが満たされる、穏やかで瞑想的な体験。ゲームプレイの中心となるのは、マップ上にバイオームを作ることですが、決して堅苦しいルールに縛られることはありません。

地形、植物、動物、さらには建造物やオブジェクトを表すカードがあり、それらをどのように配置するかによってバイオームの進化が決まります。同じ種類のカードを 3 枚隣り合わせに配置すると、新たな生息地が生まれ、そこに生き物を配置したり、調和ポイントを獲得したりできます。調和ポイントが増えると、デッキに新しいカードが追加され、マップが拡張されていきます。

メインのゲームモードは「パズルモード」と「クラシックモード」の 2 種類。後者では、目標となる調和ポイントを達成することでマップが徐々に広がり、新しいカードをアンロックできます。私はチュートリアルから始めたのですが、建設や調整に夢中になり、メインゲームを始める前に何時間もプレイしていたことに気付いて驚きました。さらに、理想の生態系を追求できる「クリエイティブモード」も用意されています。

『Preserve』には「大陸」「海洋」「サバンナ」、そして私のお気に入りである「ジュラシック」という 4 つのメインとなる環境が用意されています。グラフィックは美しくも穏やかで、眺めているだけでも心が落ち着きます。音楽はゆったりとアンビエントで、まるでスパリゾートでくつろいでいるような雰囲気です。カメラ操作に少しクセがあり、最初はやや難しいと感じるかもしれませんが、すぐに慣れると思います。本作はプレイヤーが自然に学習していける作りになっており、たとえば「ハチ」は森や岩場の地形ではなく、花畑や草地に配置することがわかります。

『Preserve』はただのストラテジーゲームではなく、自然の声に耳を澄ませながら、美しい世界を静かに築き上げていく――そんな穏やかな時間へと誘ってくれる作品です。息を呑むように美しいグラフィックや、深く癒される雰囲気の中、じっくりと考える時間を求めるなら、『Preserve』はきっとあなたに「調和」のひと時をもたらしてくれるでしょう。 – オスカー ポランコ (Oscar Polanco)

戦場のフーガ3

『戦場のフーガ3』は、2021 年に Xbox でスタートしたドラマティックシミュレーション RPG シリーズの最終作です。批評家やプレイヤーから高い評価を受けているシリーズですので、プレイリストに余裕のある方は、『戦場のフーガ1・2ダブルパック』もチェックすることをおすすめします。ただし、私のようにプレイしたいゲームが多すぎて時間が足りないという場合は、過去作を未プレイでも安心して始められるよう、あらすじが丁寧に用意されています。

本シリーズの物語は、野心的な帝国に村を襲われ、家族を奪われた子どもたちが、謎の巨大戦車「タラニス」を見つけるところから始まります。彼らは戦車に搭乗し、数々の強敵たちとともに帝国を倒します。前作のトゥルー エンドの直後から物語が始まる本作では、これまでの主人公が連れ去られ、残された子どもたちが彼を救出し、新たな戦争を阻止するために奮闘します。

本作は 12 の章に分かれており、各章で十数人の子どもたちによるメインストーリー、謎、キャラクターたちのエピソードなどが描かれていきます。プレイヤーは戦車タラニスを操作し、ターン制バトルをくり広げます。この戦車には 3 つの砲座があり、それぞれ 2 人のキャラクターが乗り込みます。スロットに配置したキャラクターによって使用する武器 (マシンガン、キャノン、グレネード) やサポート効果が決まり、敵にはその 3 種類の武器のいずれかの弱点が設定されています。

味方の編成はいつでも変更できますが、その後すぐには再編成できなくなるため、キャラクターを切り替えるタイミングには注意が必要です。

敵の弱点を突くたびにボーナスダメージが増加するコンボシステムもあります。ミッションの間にはインターミッションが発生し、すべてのキャラクターと交流して親密度を高められるチャンスもあります。この間に新しいスキルのアンロックや、戦車を強化することも可能です。

そして、本作のゲームプレイで最もユニークかつダークな要素だと感じたのは、あらゆる戦闘に勝利できるかわりに、代償としてキャラクターの命を犠牲にしなければならない「ソウルキャノン」の力です。さらに厄介なのは、タラニスの HP が半分以下のときに戦闘が長引くほど、敗北から逃れるため、強制的にソウルキャノンが発動される可能性が高くなります。そして本当に恐ろしいのは――ソウルキャノンを使用すると即座にゲームがセーブされ、戦闘をやり直せなくなるということです。

これが実際に起こってしまったときは本当に辛かったのですが、このゲームは、たとえ敗れてもあきらめずに進み続けるようプレイヤーを駆り立てるのです。この仕様により、これまでに経験したことのないような独自の緊張感が生まれています。

素晴らしいキャラクターデザインや、各シーンの雰囲気にぴったりと合った BGM など、本作はビジュアル面や音楽面も非常に魅力的です。これまでのシリーズのファンにとっては、まさに待望の完結編となる本作です。また、まだプレイしていない方で、ドラマチックなストーリーが好きなシミュレーション RPG ファンであれば、迷わず手に取るべきシリーズと言えるでしょう。レイモンド エストラーダ (Raymond Estrada)

The Sinking City Remastered

『The Sinking City Remastered』は、サバイバル要素とラブクラフト風の不気味な世界観が融合した、3 人称視点の捜査型ホラーゲームです。プレイヤーは私立探偵のチャールズ リードとなり、頻発する不吉な幻覚に導かれ、マサチューセッツ州のオークモントという水没しかけている街へと辿り着きます。

足を踏み入れた瞬間から、オークモントは何かがおかしいことに気付きます。「街は壊され、経済は弾丸やタバコ、酒に削り取られてしまった」といった人々の表面的な言動だけでなく、つねにその裏で何かが起こっているような不気味な雰囲気が漂っているのです。

『The Sinking City』は、本質的にはオープンワールドの探偵ゲームです。捜査がゲーム体験の中心にあり、「心の眼」や「記憶の宮殿」といったシステムによってそれが強化されています。前者はフィールドに隠された手がかりを発見する機能で、後者は証拠を組み合わせて結論を導き出す機能ですが、これらのシステムが相互に連携し、手がかり集めが単なる総当たり作業ではなく、ゲームプレイの中心的な要素として感じられるようになっています。

戦闘も可能ですが、制限のある設計になっています。弾薬は乏しく、資源は作成する必要があるため、戦闘に挑むのと同じくらい、戦闘の回避に時間を費やすことになります。これによって、私は捜査の主要作業に集中し、銃を乱射しながら突き進むよりもじっくりと探索要素を楽しむことができました。

やがて敵や報酬でいっぱいのハイリスクなエリアがいくつか登場しますが、このような場所に足を踏み入れる際は、くれぐれもご注意を。ちなみに私は初めて入ったとき、目当てのアイテムを見つけ、中身を拝借し、すぐに退散しました。私はホラー映画でも生き残れるタイプの人間だと思いますが、当然後ろ髪を引かれもしました…。

個人的に本作でいちばん惹かれたのは、その雰囲気です。街は政治的、超自然的、社会的な緊張感に包まれており、洪水は地形だけでなく、人々の暮らしや交流、そして外部の者への接し方までも変えてしまいました。細部まで丁寧に作り込まれたディテールが舞台に深みを与え、物語が進むほどに、この街のことをもっと知りたくなっていきます。

じっくりと展開するミステリー、サバイバルホラー、アクションよりも捜査重視のゲームが好きな方なら、『The Sinking City』はプレイする価値のある作品です。オークモントの闇は深く、よそ者は毛嫌いされ、その秘密を暴くのは簡単ではありません。「手厚い歓迎」を受けることを覚悟してくださいね。 – デロン マン (Deron Mann)

※この記事は米国時間 2025 年 6 月 25 日に公開された “The Indie Game Summer Cookout is Here: Indie Selects for June 2025” を基にしています。