『ケムコ50タイトル記念パック』発売記念! 「ケムコの RPG は安心、安全とよく言われます。」ケムコ特別インタビュー

来年で設立 40 周年を迎えるケムコは、Xbox プラットフォームでたくさんの JRPG をリリースしています。2018 年から毎年 10 タイトル前後のゲームを生み出し続け、今年で Xbox における累計 50 タイトル目の発表という節目を迎えました。これを記念して、Xbox におけるケムコのゲーム (特にRPG) の歴史をまとめて楽しめる『ケムコ50タイトル記念パック』が 8 月 3 日に発売されます。

ケムコは 1984 年に前身のコトブキシステム株式会社の創業から始まり 2004 年に株式会社コトブキソリューションが引き継いでいます。早くからゲーム ソフトの開発に着手し、販売を開始しました。1980 年代から 1990 年代は、『スパイvsスパイ』や『シャドウゲイト』、『ドラッケン』など海外で人気があった PC ゲームを当時のゲーム機に移植することを中心に、オリジナル RPG の『インドラの光』や『真田十勇士』なども手がけました。

そして携帯電話 (フィーチャー フォン) が普及し始めた 2001 年以降、ケムコは日本の携帯電話向けにゲーム アプリ開発をスタートさせます。2008 年にはスマートフォン向けのゲーム アプリも手がけるようになり、ゲーム事業はスマホなど携帯向けが中心となりました。

2010 年代後半になると開発環境が一新され、複数のプラットフォームに向けたゲーム開発がやりやすくなったことで、再び家庭用ゲーム機に復帰して複数の機種向けにゲーム タイトルの配信を開始します。このとき、日本の ID@Xbox 担当者から連絡があったことをキッカケに、Xbox 版のゲーム開発が進められることになったのです。

2018 年以降、気が付けば毎月のように新作 ゲーム (RPGが主) をリリースしているケムコですが、常務取締役の黒川雅臣氏とインターナショナル マネージャーの Conti Matteo 氏に、その開発体制や『ケムコ50タイトル記念パック』を発売することになった経緯をじっくり訊いてみました。

常務取締役の黒川雅臣氏
インターナショナル マネージャーの Conti Matteo 氏

複数の開発会社と連携し、毎月 RPG を発売できる体制に


──ケムコは年に 10 本前後……ほぼ毎月新作をリリースしています。一体いくつの開発ラインがあるのでしょうか?

Matteo: 我々はフィーチャー フォンやスマートフォン向けにゲームをたくさんリリースしてきたのですが、そのときから複数の開発会社と取引をしています。彼らとは一緒にずっと RPG を作ってきたので、ツールなども進化して開発と移植が効率よくできるようになりました。開発期間は半年から 1 年程度と短めで、複数の開発ラインを確保することでほぼ毎月リリースできる体制になっています。

黒川: これはつねに思っていることなのですが、他社さんは新作を出されると、次は DLC だったり、大型アップデートだったりと、発売後 1 年以上そのタイトルを継続させていますよね。ケムコでは、そうした DLC やアップデートにあたるものが”新作”なんです。ケムコという一つのゲームの中にアイテムのようにどんどん新作を投入していく、という考え方でやっています。なので、できるだけ毎月新作を出すようにしたいと思っています。

──そんなケムコの ゲーム が 50 本も入っている『ケムコ50タイトル記念パック』が発売されることになった経緯を教えてください。

Matteo: 実は当社では今まで何本リリースしたとか気にしていなかったんです。ここ数年、コロナ禍で会えなかったマイクロソフトの担当者と久しぶりにお会いすることになり、そこで担当者から「そういえばケムコさんのタイトルが 50 タイトルになりますね」という話になったんです。うちとしては「え? そんなに!?」とちょっとビックリして。

黒川: そんな流れでマイクロソフトさんのほうから正式に提案していただき、ケムコとしてもそういう機会があればぜひ、ということで実施することになりました。50 本バンドル版を 50 日間の期間限定販売となります。


オススメ タイトルを 6 本紹介


──この 50 本の中で、オススメのタイトルを教えてください。

Matteo: どれかを選ぶのはとても難しいのですが、ご協力いただいている開発会社ごとに 1 本ずつ選ばせていただきました。まずはエグゼクリエイトさんの『デビラビローグ』です。デッキ構築型のローグライト RPG で、かなりの反響があったタイトルです。エグゼクリエイトさんはその他にも『アスディバイン』シリーズなどたくさんのタイトルを作っていますが、まずは『テビラビローグ』を楽しんでいただければと思います。

Matteo: 次にヒットポイントさん。最近だとイシイジロウ氏の企画、原案、監修の『ゾンビ・オブ・ザ・ドット』が出たばかりなのですが、残念ながらこちらは『ケムコ50タイトル記念パック』には収録されていません。その代わりに……というわけではありませんが、『風乗り勇者の物語』をオススメいたします。オーソドックスなファンタジー RPG なのですが、とにかくヒットポイントさんはドット絵がキレイです。16 ビット ゲーム機時代のドット絵が大好きな方は楽しんでもらえると思います。

Matteo: ワールドワイドソフトウェアさんの『イクストナ戦記』はクォーター ビューのシミュレーションRPG です。こちらはキャラクターのグラフィックがとても美しく描かれているので、そのあたりにも注目していただきたいです。

Matteo: ライドオンさんの『砂の国の宮廷鍛冶屋』は、鍛冶屋経営をしながら冒険者として活躍するという一風変わった RPG です。戦闘システムとか探索システムとか、たくさんのシステムが融合したものになっていて、評価が高いタイトルの 1 つです。

Matteo: アソボックスさんの『笑顔の錬金術師』は、見た目のとおりほっこりゆったりできるゲームです。RPG というよりはシミュレーション ゲームに近いと思います。テーマとなっている「育成」「収集」「錬金術」の楽しさが詰まっている 1 本です。

Matteo: ArticNet さんの『RPGolf Legends』は、ゴルフと RPG をうまく融合させた、ちょっと変わったタイトルです。こちらも非常に反響が大きかったタイトルですね。

Matteo: 以上の 6 タイトルが、開発会社の特色が出ている特徴的なタイトルです。『ケムコ50タイトル記念パック』の中からどれを遊んだらいいかわからないときは、まずはこのあたりからチェックしてみてください。


これからも懐かしくて新しい RPG を!


──ケムコさんのタイトルについて、ユーザーからの反響はどのようなものがありますでしょうか?

黒川: さすがに 20 年ほど RPG ばかり作っているので、ファンの方は「ケムコの RPG は安心安全」と思ってくれているようです。何十時間もかかるようなタイトルはないのですが、ちょっとした合間に RPG を遊んでみたい、という方に選ばれることが多い印象ですね。日本以外からの反響も同じようなものが多いのですが、オールド スクールというか、懐かしい JRPG スタイルというか、そういうタイトルをどんどん出している会社なんだな、という認識を持っていただいているようです。

──上記 6 社以外にも、新たなインディー デベロッパーと手を組んで販売しているタイトルもあります。

黒川: 最近だと『イハナシの魔女』がまさにそれですよね。ネットの評判を見たり、各地で開催されているインディーズ ゲーム イベントで見つけたいろんなクリエイターに声をかけさせていただき、その中で面白そうだな、一緒にやっていきたいなと思ったところと話を進めていきます。多くのインディー デベロッパーは PC 版しか発売していないので、家庭用ゲーム機への移植に興味があれば協力させていただきます。

──ケムコ ファン、そして『ケムコ50タイトル記念パック』を買ってみようと思っている Xbox ユーザーにメッセージをお願いします。

黒川: この『ケムコ50タイトル記念パック』にはその名の通り 50 本ものタイトルが収録されています。1 本あたりのプレイ時間は 15 時間程度なので、全部遊ぶと相当な時間になります。AAA クラスのタイトルを遊ぶために Xbox Series X|S を買った方もいらっしゃると思いますが、そういうタイトルの合間にぜひケムコのゲームで楽しんでいただけると嬉しいです。

Matteo: 今後もどんどん RPG を中心にした新作を出していきますので、「次はこんな RPG が出るのか!」と比較していただくのも楽しいと思います。そう遠くない将来に 100 本を超えると思いますが、ネタ切れを起こさないように頑張っていきます。

『ケムコ50タイトル記念パック』は、 8 月 3 日に Xbox Series X|S および Xbox One 向けに発売されます。