今年 6 月の「Xbox Games Showcase」にて、10 月 21 日の発売が発表された『NINJA GAIDEN 4』。「NINJA GAIDEN」シリーズとしては実に 13 年ぶりとなるナンバリング タイトルであり、今回、プラチナゲームズと Team NINJA のタッグ チームが贈る本作は、新旧の要素を匠に融合させていくことを狙っており、さらには新世代の「NINJA GAIDEN」体験を生み出すため、社の垣根を超えた連携が行われてきました。
発売に先駆け、より多くの情報を発信する機会として今回、Xbox は国内を含む世界中からメディアを招待し、7 月末日に「『NINJA GAIDEN4』開発スタジオ ツアー & 体験会」と題されたイベントを実施しました。Xbox Wire Japan ではこのイベントに先駆け、本作の開発に携わった各部門のリーダーたちに詳しい話を伺いました。
プロデューサー & ディレクターを担当する中尾裕治氏へのインタビューは、こちらからご覧いただけます。
『NINJA GAIDEN 4』
レベル デザイン&環境リード 阿部 雄大氏、アート ディレクター 西井 智子氏、リード コンポーザー 宮内 雅央氏

(左より阿部氏、西井氏、宮内氏)
今作は新主人公のヤクモをお披露目するということもあり、長年愛されてきたシリーズ独自の世界観を、どのように新主人公の登場にふさわしい姿へと昇華させたのでしょうか。とくに注目してほしい部分を、それぞれのお立場から教えてください。
西井氏 (美術):
ヤクモはこの手のアクション ゲームにしては小柄ですし、リュウとは違う印象を強く持たれるかもしれませんが、「NINJA GAIDEN」シリーズとしてプレイヤーに体験してほしい根底の部分は変わりません。完成された隼の超忍に並び立つため、リュウならば取らないような、少々派手な手段もヤクモは用いて、この世界を駆け抜けていきます。
物語を進めていくうちに、満を持して登場するリュウ・ハヤブサはより一層洗練された存在であり、長年のファンの皆さんの手によく馴染み、そうそうこれだよ、と満足していただけることと思います。
彼らのスタンスやデザインも踏まえ、それぞれの違いを楽しんでいただけると嬉しいです。

宮内氏 (音楽):
もとより「NINJA GAIDEN」シリーズがもつ、残虐的でありながらも「ステイ クール」な表現を今回新しい主人公で、との事で、音楽も同様に進化や変化、そして継承……をしています。ナンバリングとしては久々の新作であり、感性やゲームの表現力が時を経て成長するように、音楽もガラッと新しい次元に来たように感じると思います。
クールな主人公表現という根底はシリーズを通して変わらず、ヤクモがこの物語を経てどうなるのか、新たな主人公の誕生を祝福するべく、ここ数年間楽曲をずっとしたためていました。手触りよく、いつのまにか没頭してしまう戦いでアドレナリンの放出が止まらなくなるよう、音も最大限にバックアップをしておりますので、思う存分新時代の「NINJA」の限りをお楽しみ下さい。
阿部氏 (レベル デザイン & 環境):
ヤクモはリュウ・ハヤブサとは対照的な存在です。
今作では伝説の影に潜んできた闇の存在であるヤクモの姿を描くために、これまでよりもよりダーティでハードな世界観を設定しています。その上で、ヤクモが忍の世界の頂点へと駆け上っていく劇的な「変化」を描くため、戦いの舞台も劇的に変化していきます。
ハードで変化の激しい世界観は、リュウ・ハヤブサと並び立つため新主人公が乗り越えるのにふさわしいものになったと思います。

東京を舞台にしたチャプター 1 から 3 までは、ダークでサイバー パンクな雰囲気を醸し出しています。この世界観を表現するにあたって、アート、サウンド、そしてレベル デザインが滞りなく連携してきたことが伺えますが、その過程について、詳しくお聞かせください。
西井氏 (美術):
連携は特に引っ掛かりもなくスムーズに話が進んだと思います。最初に提示されるコンセプトが明確だったのでこちらから提示するものも迷いませんでしたし、阿部も宮内も自分のイメージをきちんと伝えてくれるので、齟齬もほとんど無かったのではないでしょうか?
宮内氏 (音楽):
BGM 班はゲーム制作においていわゆる下流工程と呼ばれ、全体における方向性が定まった後に動きだすことの多いセクションですが、コンセプト アートやステージ制作初期にあるホワイト ボックス (※) で組まれたレベル デザインの草案を見ながら、いつもどんな曲や音楽展開を作ろうか思案しています。
シリーズとして守るところは守りつつ、音楽面で今回かなり好き勝手やらせていただいたので、様々な方々に盛大な感謝をしつつ、皆さまには新しくアドレナリン溢れる体験をお届けできると、強く感じております。
阿部氏 (レベル デザイン & 環境):
西井のお伝えした通りですが、やはり連携作業において苦労はありませんでした。
まず初めに私が大まかなゲームの進行や演出のイメージを提示するのですが、それに対してアートとサウンドの両チームが返してくれるフィードバックには一度も「違う」と思ったことが無く、よりゲームの良さを強調するものばかりでした。
「逆境」「残虐」「変化」というディレクターの示したコンセプトが明確だったことで、イメージの齟齬がなかったのだと思います。ボス戦中の演出などは、BGM の出来上がりを聴いてよりイメージが広がり、ビジュアル側の演出をブラッシュアップすることもありました。夜な夜なアイデアを見せあい、作品を磨いていくのは楽しい協業作業でした。
結果、ユーザーの皆さんには切実に、早く遊んでほしい体験が仕上がりました。
※ホワイト ボックス: 遊びの検証を行うため、仮の地形を並べてステージを制作する工程のこと
アート ディレクター 西井 智子氏

これまでの「NINJA GAIDEN」から引き継いだ象徴的なビジュアルやデザイン哲学はありますか。
西井氏:
『NINJA GAIDEN Σ2』パッケージのリュウ、かっこいいですよね。どうにかイイ感じのところでオマージュしたいなと工夫しました。
全体的にかなり手探りにはなりましたが、ぱっと見で「『NINJA GAIDEN』らしい」と感じてもらえるよう、色々試行錯誤しています。
シリーズの世界観を『NINJA GAIDEN 4』へとアップデートするにあたり、これまでの世界の要素の中で特に大切にしようとしたものはありますか。その要素を『NINJA GAIDEN 4』の世界へと引き上げる際に、苦労はありましたか。
西井氏:
新しいものは新しいものとして、ユーザーにも馴染みのあるものはその印象が崩れないように、という点には注意しました。新規追加した要素も多々ありますが、いずれも「NINJA GAIDEN」の世界にあってもおかしくはない、というラインは超えないように意識しています。

リュウ・ハヤブサのデザインを『NINJA GAIDEN 4』向けにリフレッシュするにあたり、新たなビジュアルが定まるまでに時間はかかりましたか。これまでのファンが一目見て「リュウだ」と分かるようなシルエットなど、今回のリュウのデザインで推したい要素はありますか。
西井氏:
時間は然程かかっていません。デザイナーやディレクターの中尾共々、「リュウといえばこうだよね」という共通のイメージがあったので、それぞれの意見の整理でスムーズにまとまりました。
リュウは、元々シルエット自体はとてもシンプルです。今回は環境に合わせた正統強化というコンセプトで、近代的な要素を足しています。とはいえあまり盛り過ぎてしまうとリュウのフィジカルの強さを表現できなくなってしまうので、あくまで “身一つ” の範疇に収まるように。シンプルな力強さがリュウらしさでもあると考えデザインしました。
要素がシンプルだからこそ、以前のデザインと何が違うのか分からない…とならないよう、胸部のディティール等、目に残るシェイプはいくつか意識して入れ込んでいます。

長年のファンに、ぜひ注目してほしいビジュアル面での仕掛けはありますか。
西井氏:
過去作でおなじみのエネミー等も出てきますが、単なる使い回しではなく全て本作用に調整していますので、それぞれのデザインの違いを楽しんでいただけると思います。
シリーズを知らない新しい世代にも親しんでもらうために、今作ではどのような工夫を凝らしましたか。
西井氏:
詳しくない人が見ても闇に閃く忍者たちが目に焼き付くよう、特徴になる絵は戦闘まわりに集約、且つ一瞬で認識できるようにしています。戦闘のテンポが速いゲームなので、まずは「なんかよく分かんないけど今の一瞬はかっこよかったな」とでも思ってもらえれば。
目が慣れたら、見えるものも増えますので新たな発見があるはずです。

雨などの表現が特に特徴的な今回のアート スタイルは、どんな感情や体験をプレイヤーに与えることを目指して設計されているものなのでしょうか。
西井氏:
環境についてはゲーム全体を通して「逆境」を表現したい、との方針が最初にあったので、それをサポートできる絵を出しています。感覚的にはキャラクターを通してプレイヤーの方にまで雨や風が向かってくる感覚を覚えてもらえるような体験を目指しました。
現代の多様なゲームの美術性と比較して、本作ならではの個性はどこにあると思いますか。
西井氏:
分かりやすいのは血殺の表現 (開発チームの中では「血殺フィルタ」という愛称で呼んでいました) だと思いますが、これは先にお答えしたように、戦闘というメイン コンテンツを一瞬で認識できるキャッチーさを求めた結果なので、つまるところ「戦闘のかっこよさ」という言葉に集約されるのかなと思います。
その他でいえば、惜しみなく飛び散る血、いわゆる流血表現も特徴かもしれません。もともとゴアな表現もシリーズの特徴だったとは思いますが、本作ではヤクモの武器変形能力が血に依るものなこともあり、かなり景気よく出ているのではないでしょうか。
開発中、アート面で最も苦労した点と、それをどう乗り越えたかを教えてください。
西井氏:
最初からコンセプトが固まっている事がほとんどだったので、アート面での苦労というのはあまり無いのですが、強いて言うなら降魔夜刀穿 (ツイストソード/ドリル) のデザインでしょうか。ドリルというモチーフは早くに決まっていたのですが、回転し、ねじるといった要素がデザインになかなかハマらず、最終的にはモデラーの協力を得て今の形に落ち着きました。
開発チーム内で最も盛り上がった (あるいは意見が割れた) デザインの瞬間を教えてください。
西井氏:
セオリのデザイン方向性の相談は盛り上がりました。色々なキャラ デザインを見るのは皆好きですしね。
案のひとつとして「縛ってみようか」と指示を出した際、デザイナーから上がってきたデザインにはチーム内もざわつきました。それがほぼほぼ決定稿になったわけですが…… (苦笑)。
チャプター 1 から 3 までの間には、ヤクモの任務遂行を妨げる「龍神党」、そして「妖魔」が立ちはだかります。それぞれの組織、または存在のデザインを決めるにあたって、特に気を付けた点、もしくは重視した指針はありますか。
西井氏:
龍神党は規律ある人間の組織、妖魔は魔神と似ていますが土地に根差した異形、という事で、どちらも和風のモチーフを使っていますが、その落とし込み方には差を付けました。勢力同士が敵対する事もあるのでデザイン ラインが被らないようにしています。
龍神党はゲームの最序盤で相手にするデザインなので、まず本作がどういったゲームなのかが伝わるよう、血が映える白を基調としたクリーンな印象にしました。整然とした白を血で汚すの、気持ちがいいですよね。
対して妖魔はゲームに慣れてきた頃に出会うものたちです。妖怪をモチーフに少しトリッキーな存在として描いています。ゲーム的な役割も味変というか、一芸があるタイプとして登場しますので是非惑わされてみてください。
リード コンポーザー 宮内 雅央氏

旧作で特にファンに愛された楽曲やモチーフを、どのように新作に取り入れましたか。また、本作では音楽を通じてどのようにユニークな体験を際立たせようと考えましたか。
宮内氏:
今作では、様々な場所で「NINJA GAIDEN」シリーズにおけるアイコニックな楽曲をアレンジ、または曲によっては原曲に忠実にリマスターをしています。まさかまさかのあの曲も登場したりします。楽しみにしてください。実は初報の「Developers Direct」のトレーラー映像では「The Ninja Way」という過去作の重要場面で使われる楽曲のリマスター バージョンを使用しています。気づきましたでしょうか?
今作では立場が少し違った形で耳にすることになる楽曲ですので、発売を楽しみにお待ちください。
昔のファンが聴いた瞬間に「『NINJA GAIDEN』が帰ってきた」と感じられるような、音作りにおける仕掛けはありますか。
宮内氏:
曲は上記の通りですが、一部 SFX (効果音) も過去作品を参考に新しくいちから制作しており、細かな「NINJA GAIDEN」らしさが音としても散りばめられています。とても細かい点になってしまいますが、ゲームをプレイしていて印象に残っているのは血塊取得時の SFX ですね。
また、堀 秀行 氏演じるリュウの声も、帰ってきた…と強く感じます。個人的にも幼少期~思春期くらいにはリュウの声を聞いていた記憶があるので、開発中に、再録された堀氏の演技を聞いたときにはテンションが爆上がりしました。

今作の音楽が、初めて「NINJA GAIDEN」シリーズに触れる人にどんな印象を与えることを意識しましたか。
宮内氏:
開発時に強く意識していたのは、「エモーショナルな体験」でした。向かいくる敵をバッサバッサと切り倒していくのが本シリーズの醍醐味ですが、そこに何か想いが乗っかるように、どこか陰を感じる表現を目指していました。
あとは、時を経た新たな「NINJA GAIDEN」として単純に「うぉぉぉ!カッケー!」と思われるサウンドを目指していました。「新しさ」や「先進性」、といった言葉もコンポーザー チームの中での重要なキーワードでしたね。
過去シリーズにおける文脈を知らなくても、ゲームの世界に引き込まれるような音作りにはどんな工夫がありますか。
宮内氏:
音楽が世界に、プレイヤーに溶け込むように、出来る限りその場そのシチュエーションにあった楽曲を書き下ろしています。また、今作より、ヤクモが頻繁にアクセスするショップや一部ステージでは「ダイエジェティック(※)」な表現を取り入れ、プレイヤーとゲームの間の境界線がブレンドされるような音楽実装を行い、没入感を高めています。
また、後半に詳しく書いていますが、個人的には過去作楽曲の印象として強く残っていたギター サウンドの再解釈を今回行いました。ギター サウンドのモダンな使い方による全く新しい新鮮さを作りつつ、同時に「NINJA GAIDEN」らしさを形成出来た部分でもあるかなと思っております。
※ダイエジェティック (Diegetic): 物語内の。映像作品や、ゲーム世界内で音楽が鳴っている事を「Diegetic Music」などと言う。プレイヤーや視聴者にのみ聴こえている音楽は、「Non-diegetic Music」と呼ばれる。

音楽で世界を描くという点において、今作で最も力を入れた場面やテーマはどこですか。
宮内氏:
最初から最後まで、と言いたいところですが、幾つか挙げます。
一番はゲーム導入部分でしょうか。世界観や今作が持つ雰囲気がどのようなものなのか、プレイヤーの皆さまにまず体験していただく部分で、音からも一気に引き込むように描いています。
また、今作はヤクモ、そしてリュウと二人のテーマ性があり、双方の目的から道中しばしば相対するわけですが、彼等にしか分からない信念のぶつかりあいは音の面においても、相当熱いものとなっています。
シーンに合わせた転換などといった、ゲーム音楽としての機能性と、作品としての芸術性はどう両立させていますか。
宮内氏:
一番難しく、そして語れる質問ですね……(笑)。
普段、制作では芸術性を機能性にねじ込む、という事を順序的には意識しています。
ゲーム音楽としての機能性、つまりインタラクティブな音楽としての構成と、それに対して音楽性や作家性をどう取り扱うか、の話と解釈をするならば、究極的にはどちらも曲を作る上では同じくらい大切なものです。
表現したいものを、作り手の都合によって体験、そして音楽クオリティを 2 ~ 3 割ほど減じた形でお届けしたくはないので、作りたいものをまず作りつつ、並行してどうしたらゲーム体験の構成要素として成立するかの仕組みを考えていく、というのが私のスタイルです。
音楽は横 (時間軸の進み) で魅せていく表現ですが、プレイヤーの行動に対応した構造をしないといけないという所は、いつもゲーム サウンド クリエイターが頭を悩ませ、ワクワクしているところだと思っています。
今作の楽曲群の中で、ご自身が特に気に入っている 1 曲と、その理由を教えてください。
宮内氏:
今作ではテーマ級の曲が多く、これ、と決めるのは難しいのですが、ボス楽曲はどれもバリエーション性があって楽しめるものになっているかと思います。むしろ他の人の意見を聞いてみたいですね……!
是非、ご感想をお待ちしています。

ファンやプレイヤーの皆さんにヘッドホンでじっくり聴いてほしいシーンや曲はありますか。
宮内氏:
ヤクモのプレイで訪れるショップの BGM は是非、殺戮の合間の休息として浸ってほしいですね。
過去作のフレーバーを感じさせつつ、新たなサウンドでお届けしておりますので、きっと心地よいひと時をお過ごしいただけるかと。
開発中に参考にしたアーティストや音楽ジャンルはありますか。
宮内氏:
今作はシンセを多用していたので、個人的なイメージとして、以下を挙げさせていただきます。
エピックなサウンドに関しては Ludwig Göransson 氏や Hans Zimmer 氏、澤野 弘之氏など、次の回答にもあります Metalcore や Djent では、Periphery や ERRA、Bring Me the Horizon、Spiritbox 等のアーティストを参考にしています。
他にも音色レベルでの参考として様々なジャンルを聞いていました。例えば、Hyper Pop や K-pop、Phonk や Trap などの曲には尖ったイイ音が多く、ジャンルを横断して他のエピック系の楽曲に取り入れられないか、などと試行錯誤をしていました。
全く別のジャンルの楽曲で抱いた感情が、新しいものを作る上での引き出しになることは多い印象があります。
ステージ内の激しい音楽と比べて、メニュー内の静謐さ、Lo-Fi さは印象的でした。ジャンルやスタイルの幅において、今作ならではの新しい挑戦があれば教えてください。
宮内氏:
今回、弊社制作のサウンドトラックとしても過去ないほど幅広いジャンルの音楽を取り扱いました。それだけでなく、ご指摘いただいたものも含め、モダンな近代の音楽シーンを多く参考にした音楽作りを心掛けました。
例えば、今作の戦闘曲の多くは Metalcore や Djent サウンドといったプレイが複雑かつセンセーショナルな近年のメタル サウンド (Progressive Metal) を一つメイン ジャンルとして据えています。個人的な趣味嗜好ではあったのですが、兼ねてよりゲームでこんなカッコいい音楽を本気で混ぜ合わせたらとんでもないことになるのではないか…… (怖) と思っていたところ、本作のような「正に」な舞台を頂いたので、採用しました。
プラチナゲームズのコンポーザー チームにはギターが堪能なスタッフもいるのですが、メインでゴリゴリとメタルを書いていた私含め 2 名の作曲者はギターが弾けず、(メタルを) 普段からよく聞いてはいたけど書くのは初めて、なんて裏話もありますが、これはまた別の機会にお話ししましょう。
あまり一つのものに意識を固定せず、いいモノだったらどんどん取り入れる、といった感じで、日々皆で音楽を漁っていましたね。
レベル デザイン&環境リード 阿部 雄大氏

旧作のマップ構造や空間演出で特に印象的だった要素を、どのように現代的に再構築しましたか。
阿部氏:
旧作のレベル デザインからは、かなりハードでストイックな印象を受けています。絶え間なく次々に襲い掛かってくる強敵を殺し続ける緊張感が最後まで続くのが、今シリーズの根本的な魅力だと感じています。
『NINJA GAIDEN 4』ではその良さはそのままに、鴉忍具を使用した上下への高速移動を加えてテンポアップを図りました。プレイヤーの行動の選択肢が増えた結果として、より強く、より多い敵と戦う設計ができるようになり、シリーズの正当進化と呼べる姿になったと思っています。

実に 13 年ぶりの新作ナンバリング タイトルということで、いわば「あの頃のひりつき」を再現するために意識したレベル デザインのポイントはありますか。
阿部氏:
「同時に出現する敵の数」が一つのポイントです。「NINJA GAIDEN」シリーズではプレイヤーと対等に感じられるような強敵がザコとして多数登場しますが、今作では過去シリーズよりもはるかに多くの敵が同時に襲い掛かって来るようにしていますので、逃げ場のないステージで極限まで敵との殺し合いを楽しんでください。中にはステージを上手く利用して一気に形成を逆転できる場所もありますので、そういったヒントもぜひ探してみてください。
初めて触れるプレイヤーが、自然に世界観に没入できるように意識したことは何ですか。
阿部氏:
導入の演出には特にこだわっています。
プレイを始めた途端、このゲームのコンセプトがすぐにビジュアルと音楽で感じられるはずです。
本作のレベル デザインにおいて、迷わせずに探索させるための工夫はなされていますか。もしあれば、それはどんな点にありますか。
阿部氏:
迷ったときは、敵を殺していけばゴールにたどり着けるようになっています。これぞ、「NINJA GAIDEN」らしい要素かもしれませんね (笑)。

ゲーム空間を通じて物語を語るという点で、特に意識した場所や演出はありますか。
阿部氏:
「逆境」という感覚を感じてもらえるように特にこだわっています。
一目見ただけで、世界が自分に牙をむいているように感じられるようにあらゆる景観をデザインしています。
環境や地形をプレイヤーの感情曲線と連動させるような設計意図があれば教えてください。
阿部氏:
プレイ体験と物語の変化はシンクロするように作っています。
ジェットコースターのようなストレートに勢いのある体験を目指して調整しましたので、実際にどのような曲線になっているかは、ぜひプレイして確かめてください。
最も制作に苦労したロケーションと、その背景にある挑戦を教えてください。
阿部氏:
最初のステージの制作には特に苦労をしました。
先ほども述べたような「逆境」の感覚を作り出すことに苦労し、何度も調整を経て現在の形になりました。その過程でこの作品全体のトーンや「激しい雨」のような特徴的な要素も生まれていきましたね。
レベル デザインの段階で能動的に音楽やライティングなどを連携させよう!と考え、実際に周囲のチームを巻き込んで制作した部分があれば教えてください。
宮内氏 (音楽):
阿部とはまさしくレベル デザインの段階より日々構想を話し合い、仕込みをしていました。ゲームの全部をひっくるめて演出ですが、今回皆さまに喰らってもらうための仕掛けは様々な箇所に散りばめられています。
ここまでくれば、我々ももはや NINJA ですので。
阿部氏 (レベル デザイン & 環境):
これはたくさんあります!
部分的な演出でもそうですが、ステージ全体で音楽に合わせてライティングが変化するようなステージも存在します。特にボス戦でのキャラクター、背景、ライティング、音楽の連動による戦いの高揚感は会心の出来だと思っています。

ここは絶対にスクリーンショットを撮ってほしい!というこだわりのロケーションはありますか。
阿部氏:
既に世に出ている場所以外にも、見渡せば絵になる箇所はたくさんありますので、是非酔わない程度にカメラをぐりぐりと回して周囲を観察してみてください。
ヒントを出すとすれば、途中、ちょっと笑っちゃうような突飛なロケーションがあるので、そこでスクリーンショットを撮ったら存外楽しいかもしれません。
今回、チャプター 1 から 3 までを体験するにあたって、「東京」、そして「遊郭」というステージのバリエーションを体験できました。こうした様々な舞台を創らなければならない、という要求に対応するために、行った準備について教えてください。
阿部氏:
今作のレベル デザインでは、「ハイテンポ」「ハイ コントラスト」をコンセプトにしています。
「NINJA GAIDEN」シリーズらしい鋭く、スピード感のある体験を作るには何個のステージが適切か、という事をまず初めに考え、その次に、そのステージ数の中でよりコントラストがついて刺激的な印象を作るにはどういったロケーションを当てはめるのが良いのかを考えました。
すべてのロケーションにおいて、強烈な印象の差が出るようにアーティスト間で何度も話し合いが重ねられましたし、最終的にはそうした努力に見合った世界が出来上がったと思っています。
この先のヤクモを待ち構える戦いの場についても、チャプター 1 から 3 までと同様に、劇的な変化を期待してもいいですか。
宮内 (音楽):
是非ご期待ください。我々は止まらず、駆けます。
阿部 (レベルデザイン & 環境):
エンディングを迎えるまでの全ての変化が劇的だと感じるはずです。
一度始めたらコントローラーを手放せないはずです!お楽しみに!

西井氏、宮内氏、阿部氏、ありがとうございました!