Developer_Direct でサプライズ発表の『 Hi-Fi RUSH™ (ハイファイ ラッシュ) 』とは?

Tango Gameworks が密かに開発を進めていたタイトルを、突如発表したことに驚きましたが、このゲームに Nine Inch Nails の楽曲「1,000,000」に合わせてセル シェーディングの巨大ロボットと戦う場面があることに、もっと驚かされました。『Hi-Fi RUSH™ (ハイファイ ラッシュ)』 (以下、『Hi-Fi RUSH』) は、文字通り「リズム アクション ゲーム」というユニークなものであり、リズムによって突き動かされるアクション ゲーム性を備えているのです。

『Hi-Fi RUSH』がXbox Series X|S と Windows PC で今すぐプレイできる (Xbox Game Pass または PC Game Pass に加入していれば無料でプレイ可能) ことが、最初の衝撃かもしれませんが、次に驚くのは本作があの Tango Gameworks の作品だということでしょう。『PsychoBreak』シリーズや昨年の『Ghostwire: Tokyo』など、ホラー色の強い作品で知られるこのスタジオにとって、本作は予想以上に温かく、楽しく、奇妙な新作ゲームに思えます。

ゲームの方向性がまだよくわからない人のために、ゲーム開始から 1 時間経過した辺りまでを基に概要を説明しましょう (もちろん、ネタバレにならない程度に)。


完璧な音楽よ、永遠に


ヴァンデレイ社のロボット アームを欲しがっていたロックスター志望のチャイは、企業の陰謀に巻き込まれ、アクシデントで音楽プレーヤーが自身の体に動力源として埋め込まれてしまいました。その結果、チャイはヴァンデレイ社より欠陥品のレッテルを貼られて、所属するロボット軍団は彼をリコールしようと襲いかかるようになります。

『Hi-Fi RUSH』は、映画「ベイビー・ドライバー」のように、音楽とビートに寄り添うことでスキル アップしていきます。「リズムに合わせたゲーム」というだけでなく、あらゆる面で音楽が物事を左右するゲームなのです。コンボは音楽 (ビート) に合わせて打たなければ高得点にならず、敵はアニメーションよりも音で攻撃を予告し、ステージ上の障害物を突破するには、ちゃんと音楽を聴いてビートに乗れているかどうかにかかっています。さらには、操作せずにじっとしている状態だと、チャイ自身もそのときゲームで流れている曲に合わせて指を鳴らしています。

こうしたゲームの方向性を力強く引っ張っているのは、バーのジュークボックスから流れてくるようなギター サウンドを多用したサウンドトラックでしょう。その大部分は Tango Gameworks 自身が制作した音楽で、ゲーム進行に応じて変化し、チャイの戦闘力に合わせてその音楽も美しく成長していきます。コンボの威力とリズムが上がれば上がるほど、曲のボリュームが増えていくのです。S レベルのコンボを決めるとサウンドトラックはフル パワーで鳴り響くようになりますが、曲の続きを聴くためには巧みに戦闘を続けなければなりません。

ストーリーの重要な場面やボス戦になると、有名アーティストによる音楽が流れ、場面が一気に盛り上がります。ゲームのオープニングでは The Black Key の「Lonely Boy」がイントロとして流れ、ボス戦では前述した Nine Inch Nails による曲が流れます。アクション ゲームを遊んでいるそのバックで名曲が流れている気持ちよさは格別ですし、それらの音楽をハイ レベルな戦闘を行うことでより一層盛り上げるのはリズム ゲームの楽しさを再現する新鮮な方法のひとつと言えるでしょう。物語の先にどんな音楽が待ち構えているのか、今から楽しみです。


この愛おしく、懐かしくもあるビジュアルを見よ


しかし、偉大なバンドは皆知っているように、サウンドは洗練されたビジュアルが合わさってこそ輝きます。『Hi-Fi RUSH』のネオン カラーを中心としたカラー パレット、太い輪郭線、大げさなアニメーションなどは、まさに 1990 年代を象徴する、土曜朝に放送されていたアニメのような雰囲気があります。カットシーンでは、美しいフェイシャル アニメーション技術によってチャイの表情に命が吹き込まれ、ゲーム全体を通じて頭をぶつけあったり、金属製のギター クラブを叩きこむことになる悪役のキャラたちも、憎めない敵として魅力に溢れています。また、そのビジュアルにも負けず劣らず、温かみのある特徴的なストーリーは、本作を何よりもコメディー テイストの物語として完成させており、ゲーム開始直後からくすりと来るようなギャグ シーンが数多く散りばめられています。

擬音語が物理的に飛び交ったり、重要な場面 (例えばボスにとどめを刺す場面) が漫画の見開きのように大きく表示されたり、シーンの背景のテクスチャの一部にベンデイドットのような表現がチラリと見えたりなど、映画『スパイダーマン:スパイダーバース』のようなコミカルなタッチが、ゲーム体験のすべてを盛り上げてくれます。

ロボティクス化を事業の柱とする、悪の巨大企業ヴァンデレイ社は、完璧な青空に映える近未来的な街並みへと成長を遂げており、その曲がりくねった通路には、ユニークなアイテムや戦利品の山が隠されています。伝説的なアクション ゲーム デザイナーである三上真司氏の率いる Tango Gameworks が開発していることもあって、このゲームにおけるアクション ゲームとしての面白さが本領を発揮するのはここからです。自分の腕前に合わせて戦闘スタイルを調整することで、コンボ数をより多く稼げるようになるでしょう。

ここまで遊んだ段階で、私はもっと遊びたいと心から思いました。最初の 1 時間だけのプレイで『Hi-Fi RUSH』のユニークなコンセプトが自分の好みと合致したこと、そしてそのルックスに魅了されてしまったことは、自分でもわかっていたからです。三上氏が過去に手がけた『VANQUISH』や『デビル メイ クライ』のようなアクション ゲームに私が慣れ親しんでいたこともあり、『Hi-Fi RUSH』の根底にも同様に、多くの刺激と楽しみがあると約束されていることが理解できたのです。

『Hi-Fi RUSH』は Xbox Series X|S と Windows PC で発売中です。Xbox Game Pass または PC Game Pass に加入していれば、無料でダウンロードできます。

※この記事は米国時間 1 月 25 日 に公開された“What Is Hi-Fi Rush, the Surprise Game Out of Developer_Direct?”を基にしています。